阿古智子のレビュー一覧
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中国における農民を出生地に縛り付ける戸籍問題、土地所有問題。一方で都市に出稼ぎに出る農民工の問題と貧困化し疲弊する大半の農村部の実情。腐敗する行政官庁の役人の実態や教育水準の地域格差や大学などの進学問題など、著者自身による長年のフィールドワークに基づいた現状分析が特徴的な著書。Posted by ブクログ
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良書。
いわゆる「反中」「嫌中」本ではなく、筆者のフィールドワークに基づき、中国が抱える問題について、丁寧に書かれた本。
中でもやはり、中国独特の戸籍制度の問題がある(「農民工」、「土地制度」など)。
選書版あとがきにあるように、お互い冷静になって外交をしなければ、共有圏をうまく活かせないのではな...続きを読むPosted by ブクログ -
現代中国の格差社会の闇、深いなぁ…。
おいおいそりゃちょっと、と言いたくなるような腐敗っぷりの事例が本書の中には満載です。
中国の格差問題研究としては草分け的な研究者さん(本書をおすすめしてくれた友人談)による、非常にわかりやすく、丁寧に書かれた現代中国の暗い側面。
東京でもしばしば見かけるような...続きを読むPosted by ブクログ -
もう、タイトル通りだ。
上も下もしたたかといえばしたたかなところはあるが、基本的に力が正義な文明圏。
目先のことしか考えないこの文明が、更に力を持ってきたらどうなるのだろう。
だが一方で、世界中に「貧者」がいるからこそ、我々が生きていける現実があるように思う。
すべての人間が、例えば、みんな先進国的...続きを読むPosted by ブクログ