加藤隆のレビュー一覧

  • 旧約聖書の誕生
     神によって作られた人の最も重要な性格は、人が人であることですという部分が最も感動的だった。人間は自分の知恵で善悪を判断したりして自分が「神のように」振る舞いがちである。しかし人間の領分は人が人であることであり、それが最も重要な性格なのだ。
     コヘレトの言葉にも「人間にとって最も幸福なのは、自分の業...続きを読む
  • 『新約聖書』の誕生
    旧約聖書、新約聖書およびキリスト教について、根本的な議論が展開されている。
    全く分からなかった宗教の起源について、自分なりに少しだけ見通しが良くなった。このことに本当に感謝している。
  • 『新約聖書』の誕生
    「歴史上の人物としてのイエス」の誕生前夜からはじまり、その教えが宗教として形を持ち、後世に伝えられる過程を分かりやすく示した1冊。関連書籍のブックガイドもあり、総合的に見て入門書として良書。
  • 旧約聖書の誕生
    加藤隆の本は「キリスト教の本質」、「一神教の誕生」に続いて3冊目。今年に入って、立て続けに読んでいる。
    辿っている歴史、扱っている学説、彼自身の見解などは上記の本とこの本で変わらない。だが、何度でも読む価値があることが書かれている。
    もっと前に読んでいればとも思うし、今だからこそこの感動があるとも思...続きを読む
  • 武器としての社会類型論 世界を五つのタイプで見る
    地平が拓けるとはまさにこのことだと感じる本!
    地球規模の危機を抱え始めてる今を考えて行動するために是非ご一読を。
  • 別冊NHK100分de名著 集中講義 旧約聖書 「一神教」の根源を見る
    ユダヤ教とキリスト教の聖書に対する考え方の違いがよくわかる。特にユダヤ教がどのような考え方をするのかを、神との関係に焦点を絞って説かれている。旧約聖書の複雑さをまるごと律法として受けとめなければならないユダヤ教の困難と可能性、そうした中から生まれてきたイエスの思想の位置づけなどが、合理的なものの見方...続きを読む
  • 一神教の誕生 ユダヤ教からキリスト教へ

    加藤隆先生らしい書

     全体をざっくり読んでもユダヤ教やキリスト教を再確認、再発見できる良書です。聖書に関する入門書というよりは聖書やキリスト教などに触れた人が新たな捉え方をするのにも有用ということです。信奉している神を持つ人にとっては『絶対的でないものを絶対的だ』とすることに対して反感を持つかもしれません。でも何らかの...続きを読む
  • 一神教の誕生 ユダヤ教からキリスト教へ
    [1から]大部の日本人にとってはなかなかピンと来ない一神教の考え方。その中でもユダヤ教とキリスト教に焦点を当てながら、一神教がどのように生まれてきたのか、そしてその一神教という考え方そのものがどのように変容してきたのかを考察する作品です。著者は、ストラスブール大学で博士課程を修められている教授、加藤...続きを読む
  • 歴史の中の『新約聖書』
     キリスト教の聖典である『新約聖書』がどのような背景において成立したのかをわかりやすく解説している本です。キリスト教のことなので、まずはキリスト教の歴史の説明から入っており、非常にわかりやすいと思いました。

     4つの福音書がそれぞれバラバラな位置づけとなっているというのが面白い。それなのに、一つの...続きを読む
  • 旧約聖書の誕生
    旧約聖書やユダヤ教・キリスト教の最低限の知識がないと読み通すのは難しいかも知れない。
    しかし、それでも読み進むにつれ、「えっ?!そういうことだったの!」といったことが多々あるのが愉しい。
    宗教書の解説ではあるが、へんに宗教がかっておらず、学術的な知的好奇心がそそられる良書だと思う。
  • 『新約聖書』の「たとえ」を解く
    「宗教なんて胡散臭い。」

    これが一般的日本人のもつ宗教観だが
    カルトの奇行ばかり報道される日本では仕方ないかもしれない
    世界から見ればそんな日本人は野生の猿なのかと疑うという

    頭が固く無宗教、無神教を唱える人にこそ読んで欲しい一冊

    述べたい感想は山ほどあるが一行にとどめておく
    「聖書って、こん...続きを読む
  • 歴史の中の『新約聖書』
    『歴史の中の「新約聖書」』(加藤隆、2010年、ちくま新書)

    キリスト教の聖典である『新約聖書』。この『新約聖書』はどのようにして成立したのかを、キリスト教の成立の過程、すなわちイエスの時代と使徒の伝道の時代とともに分析する。

    非常にわかりやすい。

    (2010年10月12日 大学院生)
  • 別冊NHK100分de名著 集中講義 旧約聖書 「一神教」の根源を見る
    旧約聖書の簡潔な解説書。一気に最後まで通読。
    「何もしてくれない神は、なぜ「神」であり続けるのか」という命題を、ユダヤ王国の滅亡と多民族の支配、律法の観点から説明。
    しかし、なぜそのような宗教の信仰が、ディアスポラ以降2000年もの間続いているのか、今ひとつ納得できなかったのも事実。
  • 『新約聖書』の誕生
    何故キリスト教とユダヤ教は分離した?の疑問が明確に解ります。”プラハの墓地”を読んだので、ユダヤ人の迫害の意味がわからず、何か取っ掛かりが欲しかったので、これ程までにキリスト教が広がったのは何故でしょう?哲学としての宗教でしょうか?
  • 別冊NHK100分de名著 集中講義 旧約聖書 「一神教」の根源を見る
    同じ著者の『旧約聖書の誕生』をまとめたもの。図などもふんだんにあってわかりやすい。ただ、もともと複雑な成り立ちをした複雑な議論をそんな簡単にまとめられるわけもないし、言いきれないようなことも多いので、説明の足りない面も否めない。
    宗教とは何か、ユダヤ人とはどういう人たちなのか、聖書ってどういうものな...続きを読む
  • 歴史の中の『新約聖書』
    基本的に聖書とは、キリスト教における様々な立場の集約、である、からこそ統一的に理解することは一足飛びには難しい、という感じか。
    4つの文書によって様々な立場があるが、成立時期とその背景に着目することが重要ということがわかった。

    ①聖書があって、キリスト教ができているのではない。イエス以来のキリスト...続きを読む
  • 武器としての社会類型論 世界を五つのタイプで見る
    世界を五つのタイプで捉える社会類型論。西洋型[上個人下共同体]、中国型[上共同体下個人]、インド型[資格共同体]、日本型[全体共同体]、ユダヤ型[掟共同体]で世界を分けるとわかりやすいとしている。著者が神学専攻なので、西洋型、ユダヤ型の説明が詳細で説得力が有るが、インド型は、やや心もとない。資格型社...続きを読む
  • 歴史の中の『新約聖書』
    全体像をなかなか把握することない『新約聖書』を、簡潔にその構造と読解の道筋を紹介してくれている入門書。
  • 一神教の誕生 ユダヤ教からキリスト教へ
    [ 内容 ]
    ユダヤ教とキリスト教の神は違うのか?
    歴史から人と神の関係を新しく問い直す。

    [ 目次 ]
    第1章 キリスト教の問題
    第2章 一神教の誕生
    第3章 神殿と律法の意義
    第4章 神殿主義と律法主義
    第5章 洗礼者ヨハネとイエス
    第6章 イエスの神格化と教会の成立
    第7章 キリスト教と近代...続きを読む
  • 一神教の誕生 ユダヤ教からキリスト教へ
    実はタイトルに若干問題があるのだが、「一神教」というものの副題にあるように扱っているのはユダヤ教とキリスト教である。

    そこを含んでしまえば、ストラスブール大で神学博士をとったという著者の記述は入門者向けに分かりやすく好ましいものである。

    聖書に触れる際の参考になる一冊。