小嶋陽太郎のレビュー一覧

  • ぼくのとなりにきみ
    わりとよくある設定で、父に期待されて、でも期待に応えられず置いてきぼりになったように感じている中学生男子が主人公。妹は自分と違って期待に応えているから余計に引っ込み思案になっている。
    しかし、前向きな男友達と、マイペースな女友達と冒険する過程で色んなことがほぐれていく。
    合唱コンクールをがんばるのも...続きを読む
  • 悲しい話は終わりにしよう
    久々に読んだら小嶋陽太郎のイメージをガラっと覆す小説でびっくり。もっと軽妙で前を向いたポップな小説を書く人のイメージだったのだが、この本は軽妙さやポップさは(ないとは言わないが)影を潜めている。

    主人公と親友とそこに現れた一人の女の子。そういう三角な関係が2つ。大学生の市川君と中学生の佐野君の視点...続きを読む
  • 友情だねって感動してよ
    この著者の言葉のセンス、表現のしかたが好きです。
    肩をつかまれ体勢をくずして滑って車道に飛び出し向かいからちょうどいいタイミングでやってきた原付にはね飛ばされる、という流れるように華麗な不運コンボにはわれながら笑った。とか
    触らぬ神に調子に乗って触ってしまう人間がいるとすれば… とか。
  • 悲しい話は終わりにしよう
    中学生の男女3人、信州大生の男女3人、交互に話がすすんでいく。
    穏やかに、でも何でだかざわざわと、不安で落ち着かない感じがすごくうまい。
    途中、どっちの話だか分からなくなりつつ、行きつ戻りつ読んだ。
    最後は苦しかったけど、少し前に進めた。
    傷ついたことのない人はいないと思うけど、私のがさつな感性では...続きを読む
  • 悲しい話は終わりにしよう
    小嶋陽太郎が描く人の抱える痛みが、踏切の遮断機の音のように急かされて押し寄せてくる。
    『火星の話』で見せていた片鱗が大化けした。
    環境に恵まれて毎日元気に暮らしている幸せな人にはこの小説はただの暗い話にしか見えないかもしれない。
    でも、人の悪意に敏感で、ぐちゃぐちゃと深く考え込んで、勝手に痛みを抱え...続きを読む
  • 行きたくない
    読んでみたかった加藤シゲアキ先生初読み
    『ポケット』は不可思議な女子に振り回される男子
    勝手に恋愛してくれよ と叫びたくなるわ
    お気に入りの阿川せんり先生
    『あなたの好きな/わたしの嫌いなセカイ』
    は まさに面倒くさい女子がぐいぐいくる嫌さが
    伝わってきて 誰が読んでも
    「行きたくない~」と思えるも...続きを読む
  • 行きたくない
     どうしても行きたくないときだって、ある。を綴った6人の作家さんの物語。

     内容紹介:誰に何を言われようと行きたくない場所もあれば、なんとなく気持ちがのらない朝だってある。 ふとしたきっかけでサボってしまうかもしれないし、人生を変えるような決意で回れ右をすることもあるかもしれない。 ひとはいつでも...続きを読む
  • ぼくのとなりにきみ
    これは、もう素晴らしい作品です!!!!!!!!!!!
    とにかく、面白い。
    変わり者の3人が、暗号解読に挑む中、ようような事件が起こる。
    また、サクが近田さんの事を突然好きになってしまう、恋愛小説でもある。
    僕が一番面白いと思った、シーンは最後暗号が解けた時に、予想とは全然違うもので、それは角田先生が...続きを読む
  • ぼくらはその日まで
    「ぼくのとなりにきみ」の続編、長谷川調査隊シリーズの第2弾である。

    前作より、好きな展開。こういう小説を読みたかったし、こういう中学時代を送りたかったし、こういう連中と友達になりたかったし、こんな夏休みを過ごしたかった。

    大人がジュブナイルと読むと「この子ら健気だな、可愛いな」と大人目線で鑑賞す...続きを読む
  • こちら文学少女になります
    小嶋陽太郎らしいというか、さすが楽しませてくれるエンタメお仕事小説。
    可愛くはないがブスではない(自称)、巨乳(自他ともに認める)の大卒新人文学少女が、よりによってコミック誌の編集に配属される。

    そっからはもう、ジェットコースター。大御所漫画家に留めを刺すわ、覆面作家の謎を暴くは、チラエロコミック...続きを読む
  • 悲しい話は終わりにしよう
    読み始めて最初に思ったのが、文章に特徴があって読んでいると音楽を聴いているような不思議な感覚がくせになり一気に引き込まれました。景色や人物の描写も素晴らしく、長野の風景が常に頭に浮かびながら読みました。
    話の方もとても面白かったです。物語全体を通して漂っている独特の雰囲気が心地よかった。現時点で今年...続きを読む
  • 悲しい話は終わりにしよう
    天才的な小説だった。
    心理描写や設定、何もかもが素晴らしい。
    最近の作品によくある、「大どんでん返し」「最後に裏切られる」などのありきたりな言葉では表現できない。
    登場人物たちが心を痛めるのと同じく、読者も心を痛める。
  • 行きたくない
    最初の2つは自分の好みではなかった。
    (面白いと感じる人はいると思う。自分の好みじゃないってだけ。)
    その後の4つはどれも面白かった。
    特に渡辺優先生のピンポンツリースポンジが好き。
  • 友情だねって感動してよ
    この感じ結構好きなかな。

    甲殻類の言語
    カニとエビとカイの話。
    何を考えているかなんて、分かんないから。思い込みってあるしさ。そんな全能感なんて。
    まぁ、カニとエビが仲良くやれるといいのかな。

    ディストラクション・ガール
    松岡、可愛いじゃんかよ。
    西野の方に惹かれるのも分かるけどね。

    或る、ミ...続きを読む
  • カンフー&チキン
    テンポが良く、最後まであっという間に読めてしまいました。
    夜明けスコーピオンを倒すにはどうしたら良いか、松林君達と一緒に考えながら読み進められて楽しかったです。
    伊倉君を通して結ばれ始める人と人との絆に胸が熱くなりました。
  • カンフー&チキン
    中学生トリオが仲間を集めて不良集団やら悪徳政治家と対決、というやや破天荒なエンタメ色が強めでした。確かに私も何のかのぼくらの七日間戦争とか好きだったし、大人に対する反逆の物語ってある程度受けるんでしょうね。父の抑圧に対抗する物語でもあった。
  • 友情だねって感動してよ
    「甲殻類の言語」 「ディストラクション・ガール」「或るミコバイトの話 」

    「象の像」「恋をしたのだと思います」 「友情だねって感動してよ」

    6話収録の短編集。

    1991年生まれの若い作家さん。

    始めましてだったけれど、言葉のセンスが絶妙で好きな文章だった。

    少しのファンタジーに幾ばくかのリ...続きを読む
  • ぼくらはその日まで
    「ぼくのとなりにきみ」を読んで面白かったので、その続編も読んでみました。今回は、ハセ、サク、チカの三人が夏合宿に出かけるお話でしたね。そこで出会った桐子さんの話は、すごく驚きました。三人が桐子さんにまた会えるといいなぁ…。肝試しのシーンでは、すごくドキドキして、ただのドッキリだったと知ったときは、す...続きを読む
  • こちら文学少女になります
    2022/2/4
    最初あまりに敬意のない主人公に好感持てなかったけど、私が彼女を知るとともに彼女が周りを知っていくにつれて好きになれた。
    周りも彼女を知ったし。
    お仕事小説の情熱って日常に結構効くのよね。
    私も頑張ろうって思える。ありがたい。
  • 悲しい話は終わりにしよう


    市川と佐野、2人のストーリーが交互に描かれており、市川は大学生、佐野は中学生と関連性が無く、最初は「この2人に共通するのは三角関係って事かなあ?」などとぼんやり考えていました。
    ですが、途中から市川=佐野であることを間接的に匂わせる表現が入ってきて、最後の晃との会話の部分で確定した…って感じでし...続きを読む