ジャレドダイアモンド級の「知的衝撃」と、帯にある通り、壮大かつ独創的なストーリーで一気に読みきった。
この本から学んだ今後の課題についての個人的なまとめが以下である。
①貨幣はそれ自体に価値のある商品ではなく、譲渡可能な信用である、という概念を理解すること。経済学の主流である新古典派に対し、もう一度
...続きを読む原点に立ち返って貨幣観を見直す時期に来ている。
②貨幣で測るべきものと、そうでないものを分離する必要性(貨幣を尺度とする経済的価値で測る対象は何か?という議論)
→マイケル・サンデルの「それをお金で買いますか?」の議論につながる
③正しくリスクを分担する
貨幣は自由の欲求と安定の欲求を同時に満たすことを可能にする画期的な社会的技術だが、そこには当然リスクがある。個人、社会、国家がそうしたリスクを応分に負うことが必要。
そのために銀行などの構造改革が必要。
どれも一朝一夕に解決する問題ではないが、だからこそしっかりと議論を深めていくべき内容であると感じた。実に読み応えのある良書だった。