木村政則のレビュー一覧
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いつか読みたいと思っていたよ!
あの、最後死んじゃうやつね…!と思ってたら違った。夫人違いだった。(なんのネタバレよ)
原題は"LADY CHATTERLEY'S LOVER"、初出は1928年。木村政則訳。
最初に訳者まえがきがあることで、だいぶとっつきやすくなっていると思う。個人的にはメラーズの...続きを読むPosted by ブクログ -
人間の心理的暗部を炙り出す短編集
美徳と背徳、高貴と下劣
相反する概念が同居する人間観が胸に迫る
閉鎖した深層に読者を誘い込み
放置する展開も作者の悪戯心が垣間見れた
時に主体を隠した挑戦的な翻訳は
作品を俯瞰的な解釈へと誘ったPosted by ブクログ -
これは予想外!官能小説かと思っていたら、淫靡さよりも崇高さを感じさせる社会派。エロいっちゃエロいが(笑)。
近代化により失われていく人間性や生命力を見つめ、その本源的な回復を性愛に託して表現したというところだろうか。けっして単純に「わいせつ」という言葉だけで片付けられる内容ではない。約1世紀を経た...続きを読むPosted by ブクログ -
巻末の解説の冒頭に「数あるモームの短編から,『ミステリ』をキーワードに六編を選び一冊にまとめたのが本書である。」とあるが,いずれも不思議な味わいのある話である.
とにかく訳が良くって読みやすい.いや,他社の文庫も別に訳が悪いわけではないが,本書は古典の格調は残しつつ,カビ臭が一切感じられない.実は6...続きを読むPosted by ブクログ -
ミステリィっぽい短編が6篇入ってるんですが、どれも面白かったです。退屈する間などなく、グイグイ引き込まれますね。
特に表題になってる「パーティの前に」は極上ッ!
赤道直下ボルネオの駐在員でアル中の男と、その妻の話。
僕もご多分にもれず酒は好きなのですが…適量守ろうっと。我が身を省みつつ、本気...続きを読むPosted by ブクログ -
準男爵で戦争で下半身不随となった夫とラグビーに住む妻のコニ―。夫の世話で一生を終えるはずが屋敷の森番メラーズと出会い逢瀬を重ね階級を越え結婚を誓う。初対面は最悪、会話も続かなくても身体を通して語り合い解放されていく。しかし立場と世間の眼を克服した先に幸せがあったのかはわからない。人生は短いようで長い...続きを読むPosted by ブクログ
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『ジェイン』『パーティーの前に』は素晴らしく面白かった。『パーティー』は、寸劇にピッタリ!って思った。
どの作品もオチが良かった。
読者の予想の範囲内で、しかも上手くオチていた。
素敵なオチのいい例でしたね。
『月と六ペンス』読んでみたい。Posted by ブクログ -
サマセット・モームといえば10代の時に読んだ「月と6ペンス」しか知らなかった私にとって、彼の優れた短編小説に出会えた一冊です。人間の愚かさ、醜さ、そして滑稽さを見事に書き綴った作品であると同時に、ミステリ小説としても楽しめました。Posted by ブクログ
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ここ最近まとめてモームを読んでいての感想。
他の出版社から出ている同じ短編を読んでいるが、訳の違いで随分印象が変わっている。この古典新約文庫は柔らかい翻訳、ハンマーで棘棘していた日本語をならしている感じがした。例えば「ジェイン」なんかは、他の文庫では印象的な言葉だった単語が言い換えられていたりして、...続きを読むPosted by ブクログ -
とにかく読みやすくて面白い海外古典文学ならモームで間違いないのを再確認。
訳者があとがきで書いているように、僕も「モームは通俗的」との評価を聞いて、読みだしたのがずいぶん遅くなった口ではあるけど。これから海外古典文学読み出すならモームからは本当におすすめ。
この新訳はまたさらさらとした日本語で読み...続きを読むPosted by ブクログ -
「人間の不可解さを浮き彫りにする珠玉の6編」とあるように、まともだなぁと思っていた登場人物が話の進展に伴い黒い面を見せてくれる。個人的に良かったのは、「雨」「掘り出しもの」だろうか。今までミステリは避けて通ってきたが、これだけ面白いなら手を出してみようかな、と思う。思うだけでもある。
人間の醜く...続きを読むPosted by ブクログ -
同時に読み始めて、永井荷風の「四畳半襖の下張」から9日遅れで読み終えた。芸術か猥褻か、の判例で有名な作品だが、猥褻さはほぼ感じない。ベッドシーンはせいぜい数%程度か。(猥褻さは、村山由佳さんの「ダブルファンタジー」の方が十倍位えげつない。)
内容は、純愛小説のような、昼ドラ小説のような。身も蓋もな...続きを読むPosted by ブクログ -
クリフォード・チャタレーの妻コニーは、“男と恋に落ちるには、まず言葉で親密な関係を築く必要(p21)”がありました。そのため、性生活をあまり重視しないクリフォードとの、“性を超え、男の性的な満足感も超えた自分たちの間柄に”、“多少の誇らしい喜びを覚え(p31)”ていました。
“ただコニーはどうして...続きを読むPosted by ブクログ -
正直、名作とか、古典の香りを感じることはなかった。普通。
不気味ではあっても、それこそ上には上がいくらでもいる。
不思議な話にしても惹きつける力があまりない。
メイドとか、お茶、植民地、体裁、外聞を気にする気質はイギリスだなぁとは思う。Posted by ブクログ