「真っすぐに生きる。」に続いて、「怪物」プロボクサー・井上尚弥の本を読む。
井上尚弥に興味があったのは、もちろん、その強さが衝撃的なこともあるけれども、私が数年前まで、井上尚弥の生まれ育った神奈川県座間市に住んでいたからだ。住んでいた頃には既に世界チャンピオンだったし、座間市役所に行くと、井上尚弥応
...続きを読む援のポスターが貼ってあったりする。
前作の「真っすぐに生きる。」が世界チャンピオンになる前に発行されたものであるのに対して、本書「勝ちスイッチ」は、2019年発行、井上尚弥が既に世界チャンピオンになった後に発行されたものである。
家族について、練習について、試合について、減量について、自分の性格について、友人について、等、数多くのことが書かれている。読後の感想は、「井上尚弥という人は、とても真っ当な人だ」ということである。
家族を大事にする、礼儀を持つ、挨拶をする、等、人柄として真っ当なことはもちろん、これほど衝撃的な勝ち方を続けているボクシングに対しても真っ当な感覚を持ち続けている。
「僕には天才と呼ばれるほどのセンスがない」「質の高い練習を毎日、1万時間以上積み重ね、結果が出たときに、やっと天才の"て"くらいに言われるようになるのかも」「(試合でパニックにならないのは、思いつく限りの)100%の準備をして作り上げた自信(があるから)」「自信は過信に変えてはならない」など、「やれる努力はすべてやる」ことが、勝ち続けている理由だということを、繰り返し、本書で語っている。
本書の中で、井上尚弥は35歳で引退する予定であることを述べている。それは、2028年4月になり、あと5年弱だ。まだ無敗の井上尚弥が、それまでにどのような試合を続けていくのは見ていきたいし、是非、もう1-2冊、このような本を発行して欲しいと思う。