友廣純のレビュー一覧
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前半は少し退屈だったけど、父親との関わりや、思春期の恋愛が進むうちにどんどん夢中になった。
カイアに幸せになって欲しいと思って読み進めた。
無罪放免になった時は号泣したが、詩が見つかった途端一気に裏切られた気分になり涙が引っ込んだ。
後書きで、カイア=自然とは不可侵であり誰も奥底まで知り得ないのだと...続きを読むPosted by ブクログ -
前半の少女時代の物語がほんとに好き。
絵本のエッツの『わたしとあそんで』を思い出す。
みなしごの少女のいじらしさに胸がいっぱいになった。
少女時代だけでも読む価値がある。
早い段階で破滅を予感させて、読み手に緊張感をもたせる構成もよかった。
自然の描写が素晴らしく、作者の経歴を知って納得。自然に...続きを読むPosted by ブクログ -
ノースカロライナの湿地で村の青年の死体が見つかり、人々は真っ先に「失地の少女」カイアに目を向ける。
カイアは6歳で家族に見捨てられ、湿地で1人慎ましく生きていた。彼女の送ってきた日々と事件の様子とが交互に綴られていく。
とにかく文量が多い。しかし、それでいて読んでいて飽きさせない。
カイアは殺人の容...続きを読むPosted by ブクログ -
湿地帯に静かに佇んでいる小屋があり、そこに貧しい一家が住んでいたのだが、父親の暴力から逃れるようにして、母親を筆頭に6歳ほどの少女を残して兄妹も家を捨て去った。
小屋に一人取り残されたカイアと呼ばれていた少女は、自分の本名すら知らなかった。
少女は優しかった母親から教わった僅かな家事の知識を頼りに、...続きを読むPosted by ブクログ -
自然の精緻、カイアの孤独の描写がとても美しかった。
ただ「景色が美しい」などという陳腐なものではなく、複雑に絡み合った生態系、生存政略をめぐらせた生物の残酷な美しさまで描き出している。
野生動物の生態、人間の生態…全く異なるように見えて、全く違いはないのだろう。
良くも悪くも、カイアは人間社会から...続きを読むPosted by ブクログ -
読み終わったあと、ちょっと言葉が出てこない壮絶にやるせない物語
まっとうに人生を終えるべきでない人物がきっちりと無惨な死を迎えている点のみに救いがあるPosted by ブクログ -
貧しい主人公の生い立ちや環境が感情移入しやすく、頁を捲る手が止められないくらい続きが気にって一気読みした。また、過去と現在の章立てになっていて、読者を上手く惹きつけるように考えられてるなと感じた。とにかく面白かったー。Posted by ブクログ
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なんというか、主人公の女の子の人生に吸い込まれる感覚を味わった。
この女の子ほど、「生」と向き合うことがあるだろうか。
結末は、女の子が自分の住む場所をどれだけ詳細にいたることまで熟知していたかを示すものだと思う。
殺人事件など法を犯すことはもちろん許されないが、彼女の人間らしさはとても美しく感じる...続きを読むPosted by ブクログ -
本当の孤独に出会った一冊。湿地帯に生息する動植物の描写が緻密で、情景が目にまざまざと浮かびました。作者がアメリカの有名な動物学者と知り納得。69歳で執筆した初めての小説が驚愕の2200万部ベストセラー。美しく素晴らしい翻訳。原文と読み比べしたいけど、長編小説なので難しいかなぁ。
湿地帯で発見された...続きを読むPosted by ブクログ -
分厚い本なので読み切れるかと思ったが、読み始めたら止まらなくなった。
主人公の少女がとっても魅力的。
風景を想像しながら読むのは、本ならではの楽しさ。Posted by ブクログ -
本のグループでもかなり話題になってたこの作品。気になりつつ、文庫待ちして、やっと読みました。いやあ〜〜すごい!圧倒的な作品でした。素晴らしい!
著者が69歳で初めて書いた小説だというから驚きです。でも、豊かに流れるような自然描写を読んでいて、動物学者だというのが納得です。
映画化されてるのは知ってた...続きを読むPosted by ブクログ -
母親、兄妹、父親にもさられ1人で生活する少女、学校にも馴染めす、いかず、湿地でかもめや鳥たち自然とともに生きていく。一人ぼっちの暮らしの中でのさびしさ、人恋しさ、心の機微の表現にひきこまれていった。
そして、衝撃のラスト!
これって、サスペンスの要素もあるんですかね!
人間関係、環境、愛情、色んな要...続きを読むPosted by ブクログ -
2024のベスト3の一冊はもう決まりました。
評判通り、いや評判以上に良かったです。
あまり外国文学を読まないのと、本の分厚さ、はじめに登場人物の紹介があったところから(これはややこしいのではという印象を持ってしまった)、本当に楽しめるかな…とびびってしまったが、どなたかのレビューにもあった通り、一...続きを読むPosted by ブクログ -
とても面白かった。最初は結構読むのに時間がかかっていたが、途中から少女の成長を感じて面白かった。最後の一文まで見逃せない作品に初めて出会えた。
途中で出てくる差別や偏見など、考えさせられるものも沢山あって読んでよかったと思った。Posted by ブクログ -
ラスト衝撃!
中盤まではカイアの孤独な湿地での日々をゆっくり時間をかけて読んでいたが、後半一気読み。
知識がないから全然違うかもしれないけど、湿地とか川とか想像しながら読んだ。面白かったーPosted by ブクログ -
「色の薄い黒人たちが暮らす町」で生まれ育った双子の少女。
自由を求め家出同然に都会に出る。
「白人」として生きる2人の道はやがて分かれ、全く別の生き方を始めるー。
黒人差別があまりにも染み付いてしまっているアメリカ。差別があらゆる場面で顔を出す。
『ビラヴド』と比肩する傑作。Posted by ブクログ -
タイトルが気になり手に取った作品。
カイアの幼少期(冒頭)から読んでいて辛くなった。自然と共に生きるカイアを見て、読んでいるこちらも、自然について学ぶ事ができた作品。
「ザリガニの鳴くところ」はどこにあるのか…
つい考えてしまいました。Posted by ブクログ -
2021年本屋大賞翻訳小説部門第1位。ノースカロライナ州の湿地で、若い男性の死体が発見される。事件か事故か? 疑いの目は、「湿地の少女」と呼ばれるカイアへ向けられる。
彼女は6歳で家族に見捨てられ、たった一人で湿地の小屋で生き抜いてきたのだ。学校にも通わない彼女に読み書きを教えてくれた少年テイ...続きを読むPosted by ブクログ