インパクトのあるタイトルが好き笑
坂本龍馬が近江屋で食べようとしていたシャモ鍋以外、江戸時代の人が鳥を食べるイメージは正直乏しかった。
現代の感覚で読むとたちまち胸の内が違和感で充満してくる。
「食用鳥」というパワーワードに、「鳥柴(としば)」とかいうゾッとする贈答品、魚問屋に水鳥が並ぶ不思議…
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「日本食=魚食」のつもりでいたから祖先達の鳥食(!)への慣れ親しみようは何だか目新しかった。
レシピはゲテモノ的なものを想像していたけど大抵は食べられそう&美味しそうなものが多く、特に鉄火飯と一世どころか何世も風靡したという雁鍋が個人的に気になっている笑
将軍の鷹狩や庶民による野鳥の狩猟・密猟など多様な観点から語られる鳥食ストーリーは中高で習う日本史では一瞬たりとも見かけなかったから、読み進めるにつれて自分の日本史観が揺らいでいくのが分かる。
(狩猟が大好きな外国人だけじゃなくて日本人までもが野鳥を食用で狙っていたとは考えてもみなかった)
ご先祖様たちが身の危険を冒してまで食べていた野鳥達を食べなくなった理由も語られているけど、野鳥グルメのように自分たちにも将来口にできなくなる/忘れられる味が出てくる、という不安が胸をよぎる。
自分なんぞが考えても仕方のない事だけど、かの時代は密猟はしても乱獲や粗末にするような印象は読んでいてなかったからフードロスを見直すきっかけにはなるのかな、とか思ったり。