深沢七郎のレビュー一覧
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多分、最初に読んだのは中学生の頃だと思う。
きょう、奈良の「ふうせんかずら」で発見して嬉しくなったので、即決で入手した。
冒頭の正宗白鳥先生との思い出が、とにかく面白い。
名前が白鳥だけど庭に池がないとか、同時代に活躍中の作家について「その人は今生きている人ですか」と尋ねて先生に教わったりといろい...続きを読むPosted by ブクログ -
また中公文庫で深沢七郎の本が出たから買った。こうやって出てくるものをどんどん買っていくと重複も多く、この随筆集の巻頭「流浪の手記」は結構まえに読んだちくま文庫『深沢七郎コレクション 転』にも入っていた。
しかし読み終えてからやっと気づいたのだった。深沢七郎の随筆は完全に「話体」であり、読んでいる最...続きを読むPosted by ブクログ -
深沢七郎のちくま文庫場版アンソロジー、この巻は小説集。先日の中公文庫と「みちのくの人形たち」だけが重複している。
民俗学的なようでいて民俗学でない、虚構の土着性がおもしろい「東北の神武たち」など。
すこぶる長い「千秋楽」が印象的だった。
役者の弟子である青年が、初めて舞台に立つことになったと思ったら...続きを読むPosted by ブクログ -
深沢七郎コレクション 転 (ちく 深沢七郎の文章にはものすごいオーラというか、魂というか、とにかくものすごいものがうごめいていると思った。むしろそのうごめいているものがそのまま文章になって跳ねたり跳んだりぐったりしたりしているような・・・。サラッとした「うまい文章」とは真逆の性質だと思った。この本は...続きを読むPosted by ブクログ
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深沢七郎のエッセイ集。思いを迸らせるわけでもなく、斜に構えるでもなく、自然と出てきたという趣の言葉が並ぶが、その言葉が不思議で奇妙な味を持っている。「屁は生理作用で胎内に発生して放出されるもので、人間が生まれることも屁と同じように生理作用で母親の胎内に発生して放出されるのだと思う。私は一九一四年一月...続きを読むPosted by ブクログ