水田洋のレビュー一覧

版が違うかも。家のは新装版『世界の大思想』３　です。

けして忘れない。
「Ich kann nicht anders,Hier stehe Ich…わたしはここに立つ。他になしようがない。」と言う言葉を。

一般的読者が読んでも、歴史的事実を知ること以外に得られるものは多くないとの印象。ある事実に対して歴史の中の位置付けを考察するような記述はあまり見当たらない。
一方でおそらく西欧諸言語で書かれているであろう圧倒的量の原典に臨んでいることは明白であり、そのファクトに対する弛まざる努力とリスペクトは見習い...続きを読むたい。

扱う時代が下るにつれ、知的生産物とイデオロギーの関連が多くなり興味深い内容が増える。
19世紀末の象徴派詩人と印象派画家とで社会への態度、そして社会からのフィードバックが異なり、したがって両者に思想的分化が生じた。さらには印象派の中でも分解が生じて、一方は芸術を左翼的思想の喧伝に用いたようである。