渡辺信一郎のレビュー一覧

  • 中華の成立 唐代まで
    中国の歴史に関する基礎知識が足りなさすぎて、半分も理解できなかったけれど、知識をつけてから読んだら相当おもしろいだろうと思う。

    「二里頭文化を形成した人びとは、みずからを夏あるいは夏人とよんだとみられる。(中略)二里頭文化は夏王朝と密接な関係をもっている。最近では、中国はもとより、日本の研究者も、...続きを読む
  • 江戸の性愛術(新潮選書)
    「庶民文化の研究」という文脈で登場したモノのようだ。なかなかに面白かった…

    「庶民文化の研究」と言うが、逆に言えば「研究の材料になるような史料が豊富」という意味にもなる。“庶民文化”というような部分で或る程度豊富な史料―書き残されたもの―が在るという事実…多少驚く…

    本書の中心的な内容は、伊予道...続きを読む
  • 江戸の性愛術(新潮選書)
    帯に白抜きで「郭に残された門外不出の秘伝書!」。新潮選書ではあるけれど、このタイトルに帯文句の数々、図版多数……、さすがに外出先では読めない、やっぱり門外不出。いきなりこれに☆五つ進呈すると、品性を疑われるかもしれないが(?、そんなことはないと思う)、珍しいものを読ませてもらった、と満足。これもまた...続きを読む
  • 江戸の性愛術(新潮選書)
    この本は江戸時代の「おさめかまいじょう」という遊女の性技指南書(秘技指南書)を解説している。中には豊富な春画があり、文章だけで創造できないものを補足している。雑学としては勿論、現代でも通用する内容であるのに驚かされる
  • 中華の成立 唐代まで
    中国は、強権的な政治体制で国民の権利を制限しつつ、国家主導で経済力や軍事力を発展させ、国際的に様々な影響を与えている。海洋進出、環境汚染、経済力にものを言わせた途上国への影響力行使・・・。その覇権主義的な動向は、民主的な国々との対立を深めている。果たして、この国はどのような歴史的な過程を経て現在に至...続きを読む
  • 中華の成立 唐代まで
    中国はいかにして中国になったのか――歴史を紐解きながら中国に迫っていくシリーズの第1巻。扱われるのは中国の「古典国制」の成立とその変容。政治と社会の仕組みからその実態を追っていく。王莽の再評価、従来説による均田制や租調庸制についての批判など、新しい成果を反映した記述になっていて興味深い。とはいえ、注...続きを読む
  • 中華の成立 唐代まで
    岩波新書には「中国近現代史シリーズ」もあるので、本シリーズは清までを扱う。第1分冊でいきなり唐代までという切り方もすごいなと思う。国家の成り立ちを行政それも収税システムをメインにして展開するところが新鮮だった。これは最新の研究成果に負うところが大きいらしい。納税にまつわる資料の発見が進んでいるという...続きを読む
  • 中華の成立 唐代まで
    紀元前5000年から始まる仰韶(ぎょうしょう)文化、前3000年の龍山文化をスタートとして隋の時代までを新書にまとめるのは、凄い労力のいる仕事だと感じた.前221年に始皇帝が曲がりなりにも中国の統一を果たすが、北からの侵略や内乱で揺れ動く.郡県制を成立させ、封禅祭祀を挙行することで皇帝としての権威を...続きを読む
  • 中華の成立 唐代まで
    入り組んだ中国の歴史を読み解くシリーズの第一弾。
    初期の中国は戦国時代の印象が強く、武力による統一という点に焦点があたりがちだ。
    本書はフラットな目線で国家の成立や衰退が描かれており、官僚制度や律令の重要性を感じとることができる。 

    この分野の門外漢としては用語の意味を追うだけでもなかなかに大変だ...続きを読む
  • 江戸の性愛術(新潮選書)
    通勤で電車に乗る時間が往復で4時間近くあり、勉強の時間が持ててありがたいと思っています。
    さて本書は子孫繁栄以外の楽しみのほうを豊富な春画と、分かりやすい解説で、当時の風俗を教えてくれます。
    ただページをめくるといきなり現れる「豊富な春画」は、通勤電車の車内で読むのにはちと難点となります。あるていど...続きを読む
  • 中華の成立 唐代まで
    難しかった。これまで読んできた中国史の本とは視点が違っていて、社会のシステムの話がメインだった。中国を、草原世界の東端と、海洋世界の北端が出会う場所だという話は印象的だった。
  • 中華の成立 唐代まで
    「シリーズ中国の歴史」の第一巻目、古代から隋唐時代までを一冊にまとめられています。古代については、資料などからどのような集団を作っていたのかを具体的に浮かぶように説明されていて、その中からどのように支配層が誕生してきたのかが想像でき、当時の様子を思い浮かべながら興味深く読むことができました。そのため...続きを読む
  • 中華の成立 唐代まで
     〈シリーズ中国の歴史〉の第一巻。 
     全5巻各冊の冒頭に、「今、中国史をみつめなおすために」と題した、本シリーズ全体の狙いが述べられている。「中国」という枠組自体を自明視することなく、多元性、多様性の中国をいかに捉まえ、現代中国につながる歴史を論ずることができるか。野心的で、非常に楽しみな試みであ...続きを読む