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イザベルは母親からいつも「うそつき」だと言われ,虐げられてきた.成長してからも自分が正しく振る舞っているのかわからない.生きるための苦闘を続けるイザベルがやがて見出したのは,両親から否定されつづけた言葉の才能だった.繊細な心理描写をまじえ,ティーンエイジャーの自立と「毒親」からの決別を描く成長小説.
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Posted by ブクログ
母親に愛されず、ずっといい子を演じてきたイザベル。本を読むこと、物語を書くことが大好きなのに、ずっとその気持ちを押し殺して生きている。ある時、文学部の学生達と知り合ったことで、忘れかけていた「物語が好き」という気持ちを思い出し、いい子を演じない素の自分を思い出していく。 子どもの頃に好きだったもの...続きを読むを思い出すことは、本来の自分に帰ることなのだと教えてくれる物語。
この物語が書かれたのは1974年らしく、40年近くの時を経て、今、この物語に出会えたことがほとんど奇跡のようで、翻訳してくださったかた、出版してくださった方々へ感謝の気持ちでいっぱいです。
カエルがおなかを解剖されるみたいに 親に虐待されて傷ついた子どもの心を 丁寧に綿密にほぐしているような小説。 わたしが感じてたのはこういうことだったのか!ってこの本を読んで気づく人も多いのでは。 そうなの。 だからあなたは間違ってなんかいないし 誰の目も気にせず 自由に生きられるのよ。
『アラスカを追いかけて』と比べると、純文学だなあ、と思う。物語を楽しみたい人には『アラスカ』の方が面白いだろう。 これは、母から虐待を受け、大人になっても社会に馴染めない女性が、「書く」ということに、つまり自分が本当にやりたいことを見つけるまでの物語。読み物として面白くしようとするなら、もっと虐待部...続きを読む分を繰り返したり、大学生と交流する中には恋愛を盛り込んでも良かったが、著者は面白くしようとは思っていない。「書く」ということを発見した、自分を取り返した、苦いよろこびに至る道を書きたかったのだ。 YAとして出版されているので、10代向けに書かれた青春ものを期待すると、違和感があると思う。大人が、中高生が読むならこう、と考えて書いた本ではない。書き手は若者と同じところに立っている。 そこに価値のある本だと思う。誰でも楽しく読めるとはいかないけど。
神経症の母親に嫌われ、言われない怒りの対象となり、母のお気に入りだった姉といつも差別されていたイザベル。 自由に表現する事を押さえて暮らしていた。 父母の死により、一人で生きていくことになり初めて解放される。 しかし、好きな本を存分に読み自由なはずの生活、知り合った大学生たちとの交流でも違和感を感じ...続きを読む続けるイザベル。 知人の突然の死をきっかけに再び訪れた自分の祖だった町で、真の自分の欲していたこととその才能に気づく。 母親の呪縛の深さに恐ろしさすら覚える。 最後は解き放されるイザベルではあるが、読後もその呪縛の深さが怖かった。
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