病が語る日本史

病が語る日本史

1,210円 (税込)

6pt

平安時代の人々は病気に罹ると怨霊・物の怪の所為とそれにおびえ、加持祈祷を大々的に行った。また仏教の伝来、遣唐使の派遣は海外の伝染病をもたらした。そして疾病の蔓延は人々を苦しめ、政治を動かし、大きく変えもした。
寄生虫に冒され、結核やポリオも病んだ縄文・弥生の人々、贅沢病ともいえる糖尿病で苦しんだ藤原家一族、江戸時代猛威をふるったインフルエンザやコレラ。
その他、天然痘、麻疹、梅毒、眼病、脚気など、各病気と当時の人びとがいかに闘ってきたかを、歴史上の事件、有名な人物の逸話を交え、〈病〉という視点を軸に展開していきます。
日本武尊の死因・脚気の原因はいつ明らかにされたか?
もし武田信玄がガンで急死しなかったら?
具体的な謎解きをまじえ、読者の興味を引き付けながら、それらの病が日本の歴史に及ぼした影響をさぐってゆきます。

医学史研究の第一人者が語る病気の文化史であり病気の社会史です。

原本 『病が語る日本史』講談社、2002年刊


●主な内容
第一部 病の記録
骨や遺物が語る病/古代人の病/疫病と天皇/光明皇后と施療/糖尿病と藤原一族/怨霊と物の怪/マラリアの蔓延/寄生虫との長いつきあい

第二部 時代を映す病
ガンと天下統一/江戸時代に多い眼病/万病のもと風邪/不当に差別されたらい・ハンセン病/脚気論争/コレラの恐怖/天然痘と種痘/梅毒の経路は?/最初の職業病/長い歴史をもつ赤痢/かつては「命定め」の麻疹

第三部 変わる病気像
明治時代のガン患者/死病として恐れられた結核/ネズミ買い上げ--ペスト流行/事件簿エピソード/消えた病気/新しく現れた病気/平均寿命と死生観

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あとがき

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病が語る日本史 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    日本史を病気という切り口で見ていく一冊。日常的な病気から流行病まで広く概観している。
    ところどころ教科書に出てくる歴史上の人物とクロスオーバーさせているので、自分ごとにしやすく、理解も進む。
    随所で文学作品の記述を通して病気を見ているのも面白い。当時の病気を知る上で文学作品も重要な史料になるようだ。

    1
    2022年02月15日

    Posted by ブクログ

    文献に残る限り昔(日本武尊まで!)に遡って、日本における病気と人との歴史を紐解いた一冊。
    時系列で丁寧に追っていくので読みやすいです。
    時代によって病気の流行り廃り、名称の変化、などもあったのですねー。藤原道長は環境的にも家系的にも糖尿病になりやすかったとか、鎖国中は日本にインフルエンザが流行らなか

    0
    2013年09月28日

    Posted by ブクログ

    古代より日本ではどのような病があり、それがどのように歴史に関わったのかを知ることができます。
    当然のことながらウイルスや病原菌の存在は知られておらず、流行り病は、怨霊や物の怪、はては天皇の失政に対する神々の怒りのせいということで、大仏を建てたり僧侶を集めて読経させたりお祓いしたりと、どんな権力者であ

    0
    2013年03月13日

    Posted by ブクログ

    はっきり言って歴史は苦手だ。
    でも、医学だとかそういう類いのものには興味があって
    そこから切り込んだ歴史の読み物(しかも事実ときた!)は
    苦もなく読めてしまった。

    教科書には有名な人物の没年数は書いてあっても
    その原因は載っていない。
    人が生きて、そして死ぬという道筋の中にはドラマがある。
    華やか

    0
    2011年12月28日

    Posted by ブクログ

    古代~現代まで、病と人々の関係をわかりやすく解説されてます。
    歴史と病と、関係はあまりないと思っていたのですが、そんなことなかった。
    文化と宗教と政治と、様々なことに関係していて、ともに生きていたものだったのだなあと。

    なんだか、歴史を見る目が変わりそうです。
    とても興味深く読みました。

    0
    2011年11月03日

    Posted by ブクログ

    入院中に自宅の本棚から供給してもらった。何年か前に気になって購入してあった著者だ。
    著者は1935年生まれ、この時代に女性で大学、しかも医学部を出るなんて相当レアなケースであるまいか。大学院で医学史を修めている大変研究熱心な方だ。
    第一部の「病の記録」は面白い。天平、奈良、平安時代にどんな病気が記録

    0
    2024年02月19日

    Posted by ブクログ

    いまだかつてない災厄に見舞われているかのような雰囲気が蔓延している2020年。でもさ、ずーっと昔から人は病とつきあわされてきたんだよね。

    0
    2020年06月20日

    Posted by ブクログ

    なるほどね~。
    だから痛風だったり破傷風だったりするのか ってのが判っただけでも
    なんか忙しいなか読んだ甲斐があったよ。

    0
    2012年12月19日

    Posted by ブクログ

     古代から現代まで,日本人と病気のかかわりを読み解いていく。
     近代化以前はやはり病気についての知識も乏しく,史料も不十分なので,あとから分かることというのはそんなに多くない。それでも貴族や,戦国大名など,大人物については記録された病状から持病や死因が特定できることも。道長は糖尿病を患っていたそうだ

    0
    2012年10月31日

    Posted by ブクログ

    著者が考察した歴史の解釈や専門でなさそうなところは、ツッコミどころ満載(特に近世・近代以前)だし、重複箇所が多くかったですが、その辺りは読み飛ばしました。その所為か評価はそこそこです。
    著者の視座が歴史資料の病気の記述から日本史を見ていくという姿勢ではなかったです。それを期待すると肩透かしにあいます

    0
    2010年05月31日

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