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★〈マカン・マラン〉著者が描く感動の家族小説 戦時中、近所から「非国民」と呼ばれる父親を恥じ、 立派な軍国少年となるべく日々を過ごしていた良彦。 それから終戦を経て約20年後、 良彦の元に父の遺品の日記が届く。 なぜ父は心を病み、非国民と呼ばれたのか―― 本当に正しかったのは誰だったのか―― そして、良彦の家にまつわる数奇な運命とは―― 激動の昭和を生きた親子三代の記憶が紐解かれる。
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Posted by ブクログ
戦時中、「非国民」と呼ばれる父親を恥じていた主人公と、その家族のお話。父親の日記を軸に真実を知り、時代や人の見方が変わっていく過程が丁寧に描かれていた。私の祖父母も戦中のことはほとんど語らない人だったのだけど、お父さんのようにヒトに話すのも躊躇われるような、思い出したくないことが色々あったんだろうな...続きを読む…。誰にとっても、この世を生きていくのは「ご苦労さま」なことで、凡庸に見えても穏やかなだけの日々はない。喜びとそれに伴う苦しみを正々堂々生きていかなければいけないな、と思わされた。
しみじみと良かった! 関東大震災、戦争を通して心を病んでいった教師だった父。 戦前戦後を子供として過ごした自分。 泰然と父を支える母。 矢面に立ち頑として生きた祖母。 其々の現実を受けとめ、誠実に生きていく家族の姿がとても良かった。
人心まことに深淵なり。舞台は戦前から戦中、そして戦後に至って昭和の東京五輪を終えたあたりまで。当時の軍国主義と人権思想、それに抗うことの困難、諦観、その先の無力感と罪悪感。あらゆる人たちにとって、出自に関係なく男も女も強きも弱きも、喜びに満ちて錦繍に包まれた生などない。同調より貫徹が優れているわけで...続きを読むもなく、あるがままに生きることを求めるべし。そうなのだと、登場する面々の人生が教えてくれる。ガリレオのごとく星影よりさやかなる真理を見ても、むしろ苦悩は募る。あたかも「さやか」が逝った年。少々掛けすぎにて御免。
『立場は違えど、家族を想う気持ちは皆一緒!』 非国民と呼ばれ神経症を患い、書斎に引きこもる父。 鬼婆のような姑に仕えた母。 父の死後、遺された日記で父の苦悩を知った良彦。 誰の立場で読むかによって、味わいが変わってくる。 そんな、読めば読むほど味の出る作品です!
わたしの中で、古内一絵作品、№1! (そんなに読んでいるわけではないけれど) 『十六夜(いざよい)荘ノート』も戦争に巻き込まれていく人々を描いていた けれど、正直、あれは空回りの感が・・・ 今、数年を経て、作家が、再調されたのだろう、 本作では、見事、想いが昇華されていると感じた。 親子三代・・・...続きを読む 「非国民」と罵られた父親を中心に、その母(息子からは祖母)、妻(母) それぞれの視点で「父」が語られ、最終章は、「父」本人により、 己の人生が明らかにされる。 ちなみに、次男(ブロローグとエピローグ、第一話、第二話の語り手)が 鬼婆と呼ぶ、祖母の名前は多嘉子!w (文字を見る度に、ギョッとした) 「世の中は、不確かで理不尽なもので一杯だ。 ...苦楽は、二つで一つだ。 ...先の見えない道を模索していくしかないのだ」 誠実に生きたい、人生の節目を前に、 そう思わせてくれる、小説。 蛇足ながら、著者が、いつも颯爽とした、職場のH氏の同級生と知った。 当時のことから、著者の葛藤がうかがえるようで、近しい想いを抱かせてくれた。
神経症に悩まされてた父が亡くなり遺品の中に日記があったことから始まる。 お父さんの知らない過去や家族のことが日記を読むことにより初めて分かる。 主人公から見ると意地悪でお母さんをこき使い、横柄な態度のおばあちゃんだったが父親に見捨てられたり旦那はお金を持って恋人のところへ行ったりと苦労人。 旦那...続きを読むにお金を持って恋人のところへ行けと言って、心の中では行かないと思ったのに行ってしまった… お腹の中には子供がいたのに…可哀想 一人息子が結婚相手に選んだ相手を村の人達は、からかったりしたのを怒鳴って蹴散らす…お母さんには意外にも味方だった。 家を出てった旦那が作った血の繋がらない子供の世話もかげながらして心の広い人。 息子が非国民と村人に呼ばれても怒鳴り黙らせる。 すごい元気でパワーのある人。 そんな事は、孫たちは一切知らなかったが、おばあちゃんは嫁であるお母さんにだけは教えていた。 お父さんは神経症を患い単身で東京で教師をやってる時に書いてた日記には死ぬことばかりを考えていた。 でも、死なずに家族の元へ帰ってきて部屋からほぼ出ることも家族とほぼ会話することもなく。 死にたい父親、生きた父親どっちも本当の父親と言う終わり方。 そんなことを書かれた日記を主人公が遺品として預かると。 お兄ちゃんは、捨てれと言ったけど。
静かで、骨太で、丁寧に紡がれて物語でした。「闇が深ければ深いほど、強くさやかに輝く。」この言葉に凝縮された物語でした。
読んでいて、タイトルと内容の関係が「?」も、戦中戦後から昭和の東京オリンピックまでの家族の話が描かれており、その時代背景から個々の人物描写が上手く最後まで飽くことなく読ませていただきました。
東北の没落する旧家を舞台に、家族の三代の姿を描いた作品。 御姫様育ちながら夫の失踪後一人で旧家を支えた気丈な祖母。関東大震災の朝鮮人虐殺や学徒出陣などを目にして心を病み、戦争批判をして非国民として仕事を追われた父。その父を支え、横暴ともいえる祖母にもきちんと応える母。子供のころ非国民と言われる父を少...続きを読むし疎んじながら、いまは平凡ながら東京で生きる息子。戦争と戦後の片隅を描いた佳作です。 作中に象徴的画面として1964年の東京五輪の閉会式が出てきます。私もTVですがリアルタイムで見ていました。世界中の選手が入り混じって、手を取り合って、不思議に美しい光景でした。誰の演出でも無く選手たちが自ら作り出したカオスは「平和の祭典」を具体化した光景でした。 未読ですが『マカン・マラン』の作家さんですよね。やや心情を書き込み過ぎのきらいはありますが、そのぶん想いが伝わり易い佳作でした。
生きるとは、家族とは…。 静かな文章ながら、果てしないテーマを突き付けられているように感じた。 周りとのズレから、居づらい立場に追いやられる人がいるというのは、いつの世も変わらない。 そんな中、自分を見つめ、理解されないながらに家族や村の中に身をおき続けた父 良一は、とても繊細でありながら芯の強い...続きを読む人間に見える。 母は多くを語らずとも、そんな父をすべてお見通しだったのではないだろうか。 息子は日記を通して、ようやく父の姿に気づいたのではないか。 共に過ごす時間があって家族が作り上げられる、その道行きを見たように思う。
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