牧師、閉鎖病棟に入る。

牧師、閉鎖病棟に入る。

1,430円 (税込)

7pt

なぜ人を傷つけてはいけないのかがわからない少年。
自傷行為がやめられない少年。
いつも流し台の狭い縁に“止まっている”おじさん。
50年以上入院しているおじさん。
「うるさいから」と薬を投与されて眠る青年。
泥のようなコーヒー。
監視される中で浴びるシャワー。
葛藤する看護師。
向き合ってくれた主治医。

「あなたはありのままでいいんですよ」と語ってきた牧師が
ありのまま生きられない人たちと過ごした閉鎖病棟での2ヶ月。

これまで牧師としてスーツを着て見舞いに行っていた病院へ、わたしは患者として入院しに行く。その病棟は、自分では自由に開閉することのできない分厚い扉で仕切られている。
(序章より)


<目次>
序章 肩章を剥ぎ取られる
事件の顛末

第一章 牧師が患者になる
ショックの連続
トイレの掟
ヨガ行者のおじさん
etc…

第二章 少年たち
競い合う少年たち
1頁読むのに10分かかる
おねしょ

第三章 十字架
彫り物のおじさん
泥コーヒー
元少年A
看護師の十字架
etc…

第四章 診断
知能検査
認知行動療法
「ありのままのわたし」でいいのか?
医師を操ろうとする
SNS依存
etc…

第五章 過去
自分の顔
震災
脱走
伝道者
一切口を聞いてくれない青年
etc…

終章 こだわるのでもなく、卑下するのでもなく
珍しい患者
主治医の家に行く
介入するのがよいか、見守るのがよいか
etc…

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牧師、閉鎖病棟に入る。 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    実はクリスチャンの私。
    実はうつ病治療中の私。
    タイトルで惹かれて読みました。
    今まで自分が信じていた神様、信仰、ありのままの自分を大切にするキリスト教の教えがわからなくなったんですけど、沼田先生も同じ事を触れていていて読んでて思わず涙が出ました。共感と励ましの本でした。
    沼田先生の他の本も読んでみ

    0
    2024年03月27日

    Posted by ブクログ

    こちらとそちら側
    境界を垣間見た気がした
    そんな感情を抱いた私も認めたくないけど、偏見の心があったのかと驚かされた

    ありのまま、ただそこに居ることの難しさ

    めちゃくちゃ良い本に出会った

    久しぶりに一気読みした本。

    0
    2023年06月26日

    Posted by ブクログ

    牧師さんが閉鎖病棟に入って気がついた真理だったり、諸行無常が綴られています。

    どんなことでもそうだけど「出逢い」によって、岐路が大きく変わりますよね。
    良い先生に出逢えてよかったですね、沼田さん。
    それでも少年たちや社会的入院の方たちを思うと、この問題の根深さに面食らいます(わたしが面食らったとこ

    0
    2022年09月12日

    Posted by ブクログ

    読みやすい。それでいて学び多い。

    「ありのままのわたし」は、本当にありのままのわたしだろうか?

    小中高の教育カリキュラム、あるいは親からの呪文、社会からの圧力、そんなものによって、アイデンティティという幻想が形作られてはいないだろうか。

    そんなベキ論に囚われ、決められたことを守り切れるほど、人

    0
    2022年01月23日

    Posted by ブクログ

    精神科の病は単なる薬の処方だけではなく、治療者との根気強い対話によって回復することが実感として語られている。昨今注目を集めているオープンダイアローグに通じるものがあると思う。
    本書に出てくる少年たちと対話をする支援者が現れることを、切に願う。

    0
    2021年09月07日

    Posted by ブクログ

    “「ありのまま」という言葉を武器にして、多弁な言い訳によって自分を糊塗し、なんでも人のせいにする。自分は無垢な被害者なのであり、つねに他者こそがわたしへの加害者であると、他者を断罪し続ける。それでいいのかが、今、わたしに問われていることなのである。”
    (p.122)


    “誇るべきはおのれの強さでは

    0
    2021年08月02日

    Posted by ブクログ

    終章と、最後のあとがきのページの衝撃。世間一般の方々の、精神病、また、「先生」とよばれる職業への固定観念、偏見の強さよ、、、

    ヌマタさん、いい先生に出会えてよかったね。こんな風につきあってくれる先生、ほんとなかなかいないよ。

    そして、たくさんの人に注目されているようだが、入院日記部分を読んで、精

    0
    2021年07月10日

    Posted by ブクログ

    2021/06/03リクエスト 1

    この本を書くのにどれだけ、ご本人はいろいろなものを投げ打ったのだろう。
    ドクターに
    私を操ろうとしている
    私を恫喝してもなんともなりませんよ
    などの言葉は、読んでいるわたしにもとても響いた。
    心療内科に10年以上通った私も、自分がドクターに言われているように感じ

    0
    2021年06月19日

    Posted by ブクログ

    尊敬する牧師さんの本。閉鎖病棟での日常や、震災時の出来事等、経験した事のない事が読み易く書かれていて一気に読んでしまった。月並みな言い方だけど人は弱いものだなあ

    0
    2021年06月01日

    Posted by ブクログ

    タイトルの通り、牧師さんが閉鎖病棟に入院し、そこで見て、聞いて、会話して、考えたことが書かれています。

    一緒に体験しているような気持ちで読みました。

    知的障害があり、読み書きに困難を抱えている若者との出会い、
    なぜ人を殺めてはいけないのか理解できない方との出会い、
    「きれい」がわからない方との出

    0
    2024年01月09日

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