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その鏡は、磨く者の願いを叶えるという。会いたい、羨ましい、妬ましい、もっと欲しい、憎い……。願えば願うほど、心に秘めた黒い欲望は醜く膨れ上がり、全てを呑み込む。看護婦の羨望。鏡研ぎ師の嫉妬。踊り子と富豪の禁忌の愛。戦争孤児と奇術師の絆。ヴェネツィアの双子姉妹の過ち――。鏡に魅入られた人々が陥る、束の間の甘美な愉悦と残酷な結末を描いた、五つの物語。(解説・飯豊まりえ)
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Posted by ブクログ
ヴェネツィア産の磨けば願いが叶う鏡とそれに関わって人達の話5つ! 鏡って怖いな〜特に夜に見ると。 ピエロとかも怖いけど。 ここで、出て来る鏡は、かなり怖そう。 磨けば叶うと半分疑いながらも、実践してしまう人達。 でも、ホントは、鏡やなく、そこに映ってる自分自身が… 自己暗示みたいになって、信じて...続きを読むしまうんかな? かなり追い込まれた状態で、鏡に遭うから。自分が、毎日、寝癖直す為に見てるような状態やないからな。 しかし、上手く作られてる! 鏡に魅せられて、崩れていく人達。5つの物語、それぞれの人達と鏡。 人は、物語毎に変わっていくけど、鏡は同じ。 時代が流れても生き残っているのは鏡だけ… やっぱり、この鏡には何かあると思わずにはいられない! この作者さんのは、読み易いし、面白いので、いつも一気読み!(^-^)v さて、『スワン』読も!
不思議な鏡にまつわる短編集。どれも面白くて読み応えがありました。 最初は純粋な気持ちでいた主人公たちが次第に鏡に魅せられて醜い欲望を曝け出す様がとても良かったです。イヤミスが好きな方おすすめです。
飯豊まりえさんの解説と被りますが、最初から最後まで安定の面白さです。鏡に宿る不思議な力…読めばわかるこの微妙かつ絶妙な「不思議さ」の感覚を是非味わってほしいです。全話◎なのですが、敢えて1番を選ぶとしたら最後の“双生児の鏡”ですね。ありがちとも意外とも感じられますが、なんとも言えないイヤな後味です。
優美な独特の世界観に引き込まれた。 磨けば願いを叶えてくれるという鏡を前にして、人間の欲望は果てしない。 なんでも叶えてくれるとしたら、私なら何をどう願うだろう。 考えるだけで恐ろしくなってしまった。
「磨けば望みが叶う」鏡にまつわる短編集。この鏡に関わったことで、やっぱり欲が出るのか‥結局は不幸な結末を迎える‥人間模様の描き方が素晴らしいと思います。
人間の欲望は底なしである。 過ぎた欲は身を滅ぼす 「磨けば望みが叶う」という鏡が軸になった、連続短編集。 ひとつひとつの作品は重く、苦しいものばかりなのに、とても魅了されました。面白かったです。
4.3 →短編集なのですが、どの話にも同じ鏡が関わっていて、その鏡を巡って様々な事件が起こるお話です。 どの話も、どういう展開になるのか全く読めず、すごく楽しんで読むことが出来ました!今回もとても面白かったです。 おすすめです☺︎
今までに読んだ著作から、もっとイマドキの女性を書く作家なのだと思い込んでいました。川瀬七緒の『女學生奇譚』を思い出す、古めかしく耽美な雰囲気にゾワゾワする作品です。 不思議な鏡に魅入られた人たち。磨けば願いを叶えてくれるなら磨いちゃいますよね。しかし磨き手が複数いて、すべての人の願いが叶うのだとし...続きを読むたら、ひずみが生じる。タダで願いが叶うわけもなく、必ず代償が要るであろうことにそのときは気づきません。 人の欲を嘲笑うかのような鏡が怖い。映画『返校』を観たばかりだから、鏡に映るものに余計にビビってしまうのでした(笑)。
人間の飽くなき欲望が皮肉的に描かれています。 また、古い鏡のように少し怪しいものに惹かれる気持ちは、分かる気がします。 「二回も騙される奴があるか。」
磨く者の願いを叶える美しい鏡 願いはどんどん醜く膨れ上がっていく 鏡に願いをこめる者達の運命とは 時代と場所をかえて描かれる 人の醜い欲深さと恐怖を感じる 後味は非常に悪い 好き嫌いが分かれる小説 醜さもあるのだけれど美しさも感じる 不思議な感覚に陥る この小説を色に例えると 紫と黒
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鏡じかけの夢(新潮文庫)
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秋吉理香子
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