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長い群雄割拠状態を経て、十九世紀、プロイセンのホーテンツォレルン家はついにドイツを一つにまとめ、帝国を形成してヨーロッパ最強国の一角に食い込んだ。フリードリヒ大王とビスマルク――二人の傑物がいなければ、この偉業は成しえなかったろう。激動の二百十七年の光と闇、運、不運、そして熱い人間ドラマを、色彩豊かな名画とともに読み解いていく。オールカラー版、中野京子の人気シリーズ、第五弾!
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Posted by ブクログ
絵画とともに歴史を辿っていく本。 フルカラーなのがとても嬉しい。 歴代プロイセン王の名は、九代全てが「フリードリヒ」と「ヴィルヘルム」の組み合わせからできていて大変覚えづらく、歴史書を読むときも大変苦労する。 (あなたさっきも出てきませんでした?と何度もなる) 〜プロイセン王〜 初代 フリードリ...続きを読むヒ一世(猫背のフリッツ) 二代 フリードリヒ・ヴィルヘルム一世(兵隊王) 三代 フリードリヒ二世(大王) 四代 フリードリヒ・ヴィルヘルム二世(デブの女たらし) 五代 フリードリヒ・ヴィルヘルム三世(不定詞王) 六代 フリードリヒ・ヴィルヘルム四世(ひらめ) 七代 ヴィルヘルム一世(白髭王) 八代 フリードリヒ三世(我らがフリッツ) 九代 ヴィルヘルム二世(最後の皇帝) しかしこの本では、絵画とともにエピソードやあだ名なども紹介してくれているため、大変分かりやすい。 また、難しい言葉を使っていないのも、この本の分かりやすさに繋がっていると思う。 新しく得た気づきは、バイエルンについてだった。 バイエルンはプロイセンを嫌っている、というイメージがずっとあったのだが、なぜなのかは知らなかった。 バイエルン(を含む南部)はカトリックであり(プロイセンはプロテスタント)、バイエルン・ヴィッテルスバッハ家はハプスブルク家との婚姻も多かったという。 それを読んで、なるほどとなった。 印象深かったのは、大王についてだった。 大王(フリードリヒ二世)が王太子だった頃、カッテ少尉と国外逃亡を企てたときのことだ。 二人は捕まってしまい、フリッツは要塞に幽閉され、少尉は死刑(斬首)となったのだが、本にはその処刑直前の絵が載せられいる。 窓から両手を伸ばすフリッツと、それを見上げる少尉。 その二人の姿が痛々しく、小さく載せられた絵だったにも関わらずどうしても忘れられない。 男性が好きだった大王は、少尉と恋人同士だったのではと本には書かれている。 プロイセンの歴史については詳しい本を読んだことがあるが、覚えるのが苦手な私は忘れてしまうこともしばしばある。 この本は大まかな流れを確認したいときにかなり重宝しそうだ。 読めて良かったと思う。 参考文献の本も読んでみたい。 ざっくりと歴史を知りたい人や、歴史が少し苦手な人にもおすすめの一冊。
今は歴史にしか残らないプロイセンという名の国 ドイツの前身とも言える国がどのように出来て行き、近隣諸国との関わり変化の経緯がとても分かり易い書き方で記されている。 中野京子さんの本は怖い絵でもあるように、自然と興味を持つような言葉で惹きつける。 絵画から紐解いていく当たり、ただの文章で史実を述べ...続きを読むられているのとは違う納得感がある。 たくさんの邦国からなる国が、プロイセンとなり、ドイツ連邦となり、戦争へと突入し敗戦し、また敗戦していく。 そんな成り行きの元となるものが垣間見れる良書である。 手にしやすい分量であり大変お勧め!歴史が好きな人には是非読んで欲しい。
おもしろくてあっという間に読んでしまった。ハプスブルクの同シリーズの後に神聖ローマ帝国がよくわからない~と思って読み始めたけど、プロイセン史は歴史の流れが日本の幕府っぽくてイメージが掴みやすいのと、地域が現ドイツのエリアからそこまで大きく変わらないので(いや、植民地を多く持ったり、領土をびっくりする...続きを読むほど大幅に拡大してたら本当は彼らは良かったんだろうけど)分かりやすかったような気がします。絵画ベースなので近々積んだ「物語 プロイセンの歴史」あたりも手を付けられる勇気が出てきたぜ
情報量が多い!最高! 倒置法を用いた次章への引きで往年の美の巨人たちを思い出した。 本書はドイツ統一を果たしたプロイセン:ホーエンツォレルン家のおはなし。 1701年、スペイン継承戦争のドサクサでプロイセンは公国から王国へ昇格し、王朝の始まりとなった。以降、9代、217年で幕を閉じる。 フリード...続きを読むリヒ1世(猫背のフリッツ) フリードリヒ・ヴィルヘルム1世(兵隊王) フリードリヒ2世(大王)…生前から死後まで国内外で大人気の大スター フリードリヒ・ヴィルヘルム2世(デブの女たらし) フリードリヒ・ヴィルヘルム3世(不定詞王)…王妃ルイーゼが人気 フリードリヒ・ヴィルヘルム4世(ひらめ) ヴィルヘルム1世(白髪王)…鉄血宰相ビスマルクと二人三脚。ドイツ統一しドイツ帝国皇帝へ。 フリードリヒ3世(我らがフリッツ)…即位後数ヶ月で病死 ヴィルヘルム2世(最後の皇帝)
シリーズだと知らずに買ったので、他の五冊もあわせて読みたいと思います。 ヨーロッパの本を読むのは二回目です。(前回はレミゼラブル。感動したのを覚えています) カラーで、絵画も多くて楽しめました。 本には教科書に載っていないエピソードが沢山あります。 印象と違った一面を覗かせることもあり、人物への考...続きを読むえ方も変わりました。 もっと勉強してから読むと面白さが増すと思います。
ドイツ史といえば、フリードリヒ大王とビスマルクでしょうか。ヴィッテルスバッハ家の美女の肖像画も秀逸です。カイゼル髭のヴィルヘルム二世も近代史につながる重要人物です。
中野京子さんの本を久しぶりに読む 絵画から歴史的なことも学べるの楽しい ヴィルヘルム1世とビスマルクのお互いに認めあっている関係性、それがあって国が強くなっていったのかと世界史で習ったけれどさらに深く納得 最終章の戦争絵画の怖さよ…悲惨さが伝わる
中野氏らしくユーモアを交えながらプロイセンの歴史を紐解いてくれる。 華やかなハプスブルク家の網目のように張り巡らせたヨーロッパの支配に対するプロイセンの立ち位置も納得した。
ベルリンで、プロイセン王国の歴史を知ろうと色々な本を読み、歴代王・皇帝の名前を覚えたが、まさにそのプロイセン王フリードリッヒ1世以降の王・皇帝それぞれの物語だった。それほど目新しい内容はなかったが、肖像画などを使ってその人物の見た目も紹介していて、一層各人の個性が引き立てられたように感じた。 素直に...続きを読む面白かった。
安定の面白さ。ホーエンツォレルン家なんて、人生で初めて聞いた気がするのに、面白く読めた。(日本史だもの、ってことにしよう。) 印象に残ったのは、ビスマルクのおそるべき有能さ。 しかしこの本らしく絵画で言うなら、一番驚いたのは第6章の扉絵『シャルロッテンブルク宮殿庭園のフリードリヒ・ヴィルヘルム三世と...続きを読む王妃ルイーゼ』。なにこの「少女漫画かよ!」っていう絵は。奥様自慢がよく伝わるけど…けど…!
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