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歴史をめぐり日本と韓国は深刻な対立を繰り返している。徴用工や慰安婦の問題でも解決策を見いだせない。その原因を探ると、浮かんできたのは日本人が当事者でありながら忘れ去った朝鮮の民衆の苦難の歴史の数々であった。新たな研究成果や資料をもとに、東学農民戦争や義兵の鎮圧、三・一運動、関東大震災などの実態に迫り、そのような歴史を日本人がどのように記憶したのか、日本人の抱く歴史像の出自と来歴を見つめ直すことを通して、歴史認識の溝を埋める可能性を考察する。
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Posted by ブクログ
2024/04/23 50年の空白に知識を埋め込む 結局、足を踏んだ人間は踏まれた人間の痛みがわからない。だからこそ、踏んだ人間が意識して記録し事実が風化、変化しないようにすることが相互理解につながる。 都合の良いように歴史を改竄した事実に驚く。まあ、そういうものかも知れないけど..... 「動...続きを読むくものは全て殺せ」 都合の悪い歴史、一時が万事、氷山の一角.....
第一章:徴用工訴訟、第二章:東学農民戦争、第三章:関東大震災、第四章:二つの虐殺を結ぶ線、第五章:忘れ去った過去、第六章:三・一運動、第七章:あいまいな自画像、催八章:いくつもの戦後、終章:次の時代を展望する歴史像のヒント。日本では、日本は悪くない!の考えがある以上、なかなか冷静に自分たちの過去の姿...続きを読むを見ることは難しいだろうな。でもそれをやっていかなければ、何時になっても日韓の溝は埋まらないだろう。
なぜ日韓はこうも理解し合えないのだろうか。歴史認識がこうも違うのだろうか。韓国(中国もだが)での組織だった嫌日教育は、どう考えても将来に渡って仲良くしたくないとの現れでしか見えない。確かに戦争では酷いことをしたのは間違いないだろうが、建設的な教育が出来ないものか。 疑問が尽きないため、韓国の教授が書...続きを読むいた反日種族主義等を読んだりもしたが、色々な見方が必要かと思いこの本を手に取った。 今正に訴訟で原告側の主張が認められ、手続きが進行している徴用工問題、関東大震災での朝鮮人犠牲者が6000人と碑に書いてあることに対し、一人の都議が一方的な政治的主張だと批判し、以降毎年出席していた追悼式に主席していた知事(小池氏)が参加を見合わせるようになったことでフォーカスされた朝鮮人虐殺事件、日清戦争の引き金となった東学農民戦争への日本軍隊派遣、そして韓国併合。 それぞれ日本でどう伝えられてきたのかを具体的記録や文献で検証されていくが、私たちがいわゆる常識として理解していたことが、実は誤りであった(可能性)ことが分かる。韓国の人たちがなぜこうも憤慨するのかも。きっと我々が逆の立場であれば、同じように考え行動するだろう。 日韓の歴史認識を埋めるべく、学者たちが集まり共同研究が立ち上げられたが、8年経っても合意が得られず2010年解散されたようだ。 日韓が良い関係にあることは、例えばリスクとして上げられる北朝鮮、中国、ロシアからの圧力を和らげる意味でも重要なことは間違いないだろう。 共通の認識に立ち、良い将来を築くにはどうすれば良いのか、妥協点を見つけてもらいたいものだ。 そう言うことを考えさせられた。 反論も出て来るだろうが、日本は常に正しいと勇ましく主張する人に、是非読んでもらいたいと思う。
日韓の歴史認識の差が何故生まれているか? 徴用工や慰安婦問題等日韓の主張はいつも食い違っている。一度自分なりに理解したいと思っていたが、本書によると関東大震災時の朝鮮人虐殺、東学農民戦争、3.13運動等日本側が事実を隠秘してきた事にも問題が多い事がわかる。解決は難しいと実感。
日清戦争前夜からあまり歴史の教科書に掲載されない事例を示している。わかりにくい旧字体や文献を丁寧に解説して目を背けたくなる表現もありのままに。何であんなにも残虐な行いができたのかという疑問に共感でき、納得いく結論を導くまでを示してくれている。同じ過ちを繰り返さぬよう学ぶべきことが書いてある。 異質な...続きを読む高等科一年女子の作文を通して、子供達に大切な事を教えてなかったという考察は見事という他ない。194ページ
東学党の乱、関東大震災時の朝鮮人虐殺、三・一運動について、従軍日誌や子供の作文、日清戦史の草案、三・一運動に関する非公認の報告と言った埋もれた資料を丹念に調べ、正史や日本の記憶から朝鮮人に対する被害の詳細が如何に失われていったかを問う。 依拠するのが数少ない一次資料に限られるのに、徴用工訴訟や併合の...続きを読む合法性まで拡大するのはやや余計。とはいえ、より正確な歴史的事実への一歩としては良。閲覧できない史料もあったようなので、今後の研究に期待。
歴史というか、日本がなにをしてきたか詳しく知らないまま相手に「未来を見て進みましょう」といってもそれは難しいな、ということを感じた。 また、国際法や双方の国の司法についても、新聞やインターネットだけでなく、識者の意見にも広くあたらないといけないな、という思い。
徴用工訴訟や慰安婦の問題について解決の糸口を見いだせないまま、日韓関係は戦後最悪とまで言われていることは知っているが、その争点について、両国の言い分まで全く理解していなかったので、本書を読んだ。 徴用工訴訟について両国が噛み合わない争点をさらった後、その歴史的背景を探るべく東学農民戦争まで遡り...続きを読む、その後の関東大震災、三・一運動などの経緯やその際に実際に起こったことを証言する当時の学生の作文や記事等を調査し、両国の間で齟齬が起こる原因を考察する。 過去に起こったことを今から変えることはもうできないのは当たり前であるが、良いも悪いも事実をしっかりと認識しておくことは必要であったと思う。自分を振り返っても近現代史の勉強が足りなかった、それは私個人の問題もあるが、そもそも教育カリキュラムの問題として、不足していたようにも思う。 また一度振りかざした大義名分を曲げることはいかに難しいかということを思うと、過度なナショナリズムはその判断を誤らせることがあるな、とも思った。
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歴史認識 日韓の溝 ――分かり合えないのはなぜか
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渡辺延志
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