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仕事、結婚生活、夜更かしや食べすぎといった悪習慣…やめたいと思っているのに、なかなかやめられない。心が疲れているときはなおさら難しいもの。実は「やめる・やめない問題」を解決するには、「やめる」以前の心のケアが不可欠なのだ。自衛隊でメンタル教官を務めた著者が、心をリセットして新しい一歩を踏み出すヒントを伝授する。
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Posted by ブクログ
「やめたくてもやめられない」には理由がある。後悔しないやめ方のコツや、やめられない怖さの手放し方、自分の中の答えの引き出し方を伝授する。「仕事をやめたい」「離婚したい」といった具体的な悩みへのアドバイスも収録。 自分の悩みにはちょっと違うなって感じだったけど参考にはなった。
★きっかけ 仕事を辞める決心がつかなかったので ★感想 下園先生、毎度ありがとうございますm(_ _)m 私のカウンセラーです。(愛読者ってことです) 結論、「どうやら周りの環境(仕事内容)が変わってくれそうなので、慣れた環境で働きながら減薬し、新たなキャリアと経験を積み、第二子産育休を取るため...続きを読むにこのまま続ける」という物語へ書き換えました。(いまのところ) やめられない心を楽にするために必要な3つのケア ①エネルギーのケア →おうち入院、生産性のない休日を過ごす ②自信のケア →「自分は動物。できないこともある」自分に対して優しくする物語への書き換え。サイコーの評価法を1ヶ月続ける(よければその先も継続) ③不安のケア →決める時期を決める。OODAループをまわす。 私は①を休職してケアができたので、必要なのは②③かなと。 ②はやってみてるので、これからも継続。ものは考え方で、良いこともある昨日だったと記憶を修正できるなと感じている。 ③がとても効果があった!決める時期を3月に設定(人事異動の打診がある時期)して、7:3バランスで周りの影響力がある人に気持ちを吐露。どう動くか様子を見て、自分の立場(子持ち、時短正社員、勤続年数、これからの生活、今の世帯年収、第二子、精神薬)を客観的に見ながら今後の物語を考えることができた。 一旦物語の書き換えはしたけど、これもOODAループの途中(終わることはない)だからうまくいかなかったら、また別の物語に書き換えていけばいいなーと気が楽になった。 元気が出た言葉 「できないことがあるのは認めよう。そして次に進もう」大人の心の持ち方。
本書は元自衛隊メンタル教官が、「やめる・やめない問題」で葛藤する人の心をリセットする技術を紹介する書である。「やめる・やめない問題」のメカニズムと、その対応方法が提示されている。「やめる・やめない問題」は、孤独に悩むしかなく、健康や自身のスキル・年齢・経済面など様々な状況を勘案する必要がある複雑な問...続きを読む題で、かつ自分に主導権があるために、決断が全て自己責任であることや自分のことを雑に扱いがちになる傾向と相まって、決断することが困難な非常に手ごわい問題である。こうした「やめる・やめない問題」は、エネルギーの低下、自信の低下、不安の拡大という3つの要素が密接にかかわりあっており、この3つの要素の悪循環によって問題が雪だるま式に大きくなるという仕組みがある。このため、「やめる・やめない問題」を解決するには、まずこれら3要素のケアをし、十分な心の準備ができてから自分の価値観に合った「新たな物語」を作るというステップが必要と述べている。そのステップを進めるための具体的な方法として、「大人のこころの強さ」を持つこと、自衛隊の戦略策定手法である「7~3メソッド」、「OODAループ」が紹介されている。なお、この問題解決のステップは、やめることが目的ではなく、あくまで、「やめる・やめない問題」で悩む心をリセットするためのステップであり、このステップを経た後に、心から納得して結論としてやめないという選択を取ることもできるものである。 以下、「やめる・やめない問題」のメカニズムと対応策について紹介する。 1.「やめる・やめない問題」をこじらす3要素への対応法 (1)エネルギーの低下への対応 エネルギーが低下すると決断ができなくなり、最悪うつ状態に陥る。エネルギーの低下の原因は疲労であり、疲労すると体調の悪化・能力の低下・性格の悪化をもたらす。疲労は蓄積することで3段階のモードがある。1段階は通常の疲労、2段階は傷つきやすく疲れやすくなり別人化(うつ的性格化)が始まるが表面は飾れる状態、3段階は別人化(うつ的性格化)が生じる段階である。疲労の段階が進むにつれ、同じストレスに対しても、疲労感と回復までの時間がより大きくなる(2段階では2倍のショックを受け、2倍の疲労感を感じ、回復までに2倍の時間がかかり、3段階では3倍になる)。このため、疲労を蓄積させず、なるべく1段階の範囲にとどまれるように、疲労を抜いてエネルギーを蓄える必要がある。 しかし、人は自身の疲労を正確に把握することは非常に難しく、客観的なモニタリングが必要となる。また、疲労に対して「表面飾り」や「しがみつき」などの誤った対処法をしてしまう傾向がある。「表面飾り」は、「我慢して頑張れば乗り越えられる」という「子どもの心の強さ」で自分に言い聞かせて表面上頑張り続けること。「しがみつき」は自己効力感を得るためにストレスの元である仕事やアルコールなどに執着することである。こうした、誤った対応方法で頑張っても人間は3か月から半年くらいしか持たない。このため、体力を活動量が上回らないように活動量を減らし、エネルギーを使わずにリラックスしてリフレッシュできる楽しいことをする、または何もせずゆっくり眠る等して疲労を回復することが重要である。また、長期的な目標達成のために日々の活動量を冷徹に抑えるということも必要となる。 (2)自信の低下への対応 自信とは、「多少の困難に遭遇しても何とか生きていけるという感覚」で、自己イメージと課題イメージの相対的な大小で形成される。自信は次の3つの要素からなる。 ・第1の自信:●●ができる(canの自信) ・第2の自信:自分の健康や生き方、問題対応方法など、自分の信念・やり方で人生乗り切れる(自分のポテンシャルに対する自信) ・第3の自信:自分は周囲から認められ、居場所がある、助けてもらえる(人間関係の自信) 「やめる・やめない問題」に直面している人は、今まで自分が取り組んできたことが正しかったのか悩んでおり、その意味で第2の自信が揺らいでいる状況にある。特に努力家の人は、第1の自信を重視するために自分の悪いところ・できないところをよく見るため自己否定感が育つ。厳しいしつけや自分に厳しい生活の中で、自己否定感が強くなり自己イメージが弱くなると、第2の自信が育ちにくくなる。第2の自信が十分で無い努力家の人は、第1の自信が揺らぐとショックを受けて挫折してしまう傾向にある。 自信をケアするには、第3→第2→第1の順にケアしていくことが必要。まずは、友人・家族・カウンセラー等、誰かとつながり一人ではないという認識を持つこと。そして、サイコーの評価法で、毎日よかったこと、悪かったこととその対応策を記録し、自信を積み上げていくことも有効。また、グレーゾーンを受け入れ、バランスの取れた対応策を選択する「大人の心の強さ」を身に着けてしぶとく、しなやかに生きることも自信を回復するうえで大切である。「子どもの心の強さ」に頼って、頑張るだけで問題に対応するのは幼い対処法ともいえる。 (3)不安の拡大への対応 不安などの感情は、人間の生物学的な進化の過程で必要な行動を起こすための機能として備わったもの。湧き上がる感情は、原始人モードでの行動をとるためには良いが、現代社会では過剰に働く傾向がある。こうした感情は、事実を増幅する機能や、リスクのある要素をクローズアップする機能、想定される悪い結果を事実と見せるワープ機能があり、これらの機能によって、仮想現実を見せる。こうした感情の特徴を踏まえて、不安への対応を考えることが必要。不安も含めて、嫌な感情に対応方法としては、疲労や自信をケアしたり、数息観などのマインドフルネスの実践をすることが有効である。また、感情にも3段階のレベルがあり、レベル3では感情をコントロールできない。このため、問題行動を起こすレベル3の前後の時間軸を見て、感情の落ち着いているレベル1でできることを考え対策していくことが必要という。 2.自身の人生を方向づける「物語」の見直し 「物語」とは、人の生きる目的、こんな目標に進んでいくという生き方の方向性を述べたお話のこと。自分の「物語」に沿って、生き方の態度も影響がある。 「やめる・やめない問題」の悩みとは、これまでの自分の「物語」を見直し整理することが求められている分岐点といえる。十分にエネルギー、自信、不安のケアができたら、次に新しい「物語」を作ることが求められる。 新しい「物語」をつくるために気を付ける留意点として、次の3か条がある。 ①避けるもあり:子どもの心の強さで頑張ることで乗り越えようとしても、自信が削られるだけになることもあるので、大人の心の強さで撤退も戦術として選択肢に含めることも視野に入れる。 ②自分を責めない:子どもの心の強さにより、自己否定してしまいがちだが、冷静に「やめる・やめない」というそれぞれの選択肢のプラス・マイナスを分析し、自分の「物語」の芯にある自分の価値観(ゴールデンファイル)を明らかにする姿勢が必要。「人はこうあるべき」という子どもの心の強さから離れて考える。 ③急ハンドルはダメ:新しい「物語」を描き切らずに行動すると、過去の自分を否定することになり、第2の自信を損なうことになる。 「物語」を作るうえでの有効なツールとして、「7~3バランス」と「OODAループ」がある。 「7~3バランス」とは、自衛隊の戦術思考から生まれた二極的な考え方になりがちな中で第3案を考え出す方法である。「やめる・やめない問題」に当てはめた場合、「やめる」を10、「やめない」を0としたとき、間の7~3の尺度でできる行動が何かを検討して設定するという方法である。こうした7~3バランスで目標設定をすると、やめたいという自分の意識からも、やめないという自分の無意識からも批判されない、意識も無意識もある程度納得した目標設定ができる。こうした自己否定しない目標を設定することで、第2の自信もケアでき、その目標を実践することで、できるという第1の自信もケアできる。 「OODAループ」とは、「Observe(観察)」、「Orient(状況判断、方向づけ)」、「Decide(意思決定)」、「Act(実行)」の4つの頭文字をとったもので、複雑な現状に合わせて、状況を確認しながら行動していくという戦術的思考過程と似た行動様式である。このOODAループでは、観察して状況判断し、決定して行動したら、また観察して最適な行動をとっていくという形でこのループを回していくことが求められている。予測不能な状況では、綿密な計画を立てるよりも、動いて検証してまた動くというこのOODAループで対応するのが現実的なものである。 「やめる・やめない問題」でも不確定な情報が多く、予想が不可能である。このため、「7~3バランス」で行動方針を設定し、試しに少し行動してみて、自分がどう感じたか、周囲の状況がどうなるかなどをまた観察して、次の意思決定を「7~3バランス」で設定して行動するというOODAループを回していくことで、自分の「物語」の根源的な価値観(ゴールデンファイル)を掘り下げてゆく。 そうして確認できた自分の根源的な価値観(ゴールデンファイル)は必ずしも、神聖かつ善なるものではないこともある。人間の価値観は矛盾し、複雑で多様なものだからである。こうした、決してきれいごとでない、でも変われない自分の価値観に基づく欲求を受け入れ、その欲求をある程度満たしながら自分なりの人生を描くことが、新たな物語を作ることにつながる。 新たな物語としては、自分のこれまでの選択・苦しみに意味があったと思え、今後きっとうまくやっていける・自分で選ぶというように感じられるものが、望ましい。 3.実践の具体的なステップ 上記で説明した内容をもとに、「やめる・やめない問題」の解決に向けた具体的なステップは次のとおり。 ①エネルギーのケア 上述のとおり、まずは疲弊した自分をケアしてエネルギーを蓄える。 ②やめる時期・決める時期を決める 不確定要素が多いと判断できずに葛藤してエネルギーが低下するので、まず決める時期や条件を先に設定して決断を保留する。 ③新しい物語づくり 自分の本質的な価値観にアプローチできる様に様々な問いを自分に問いかけて、「今までの自分は間違いではない」「これならやっていける、自分で選ぶ」という物語を描く。のんびり、自分と対話する。 ④少し行動・しっかり観察 仮置きでもも③で新たな物語の方向性が見えたら、7~3バランスで目標を設定し、OODAループを回して観察し、行動や感情、状況をみていく。その中で、新しい物語にも立ち返りながら、少しずつ行動を積み重ねていく。場合によっては、やめなくてもよくなる可能性もあるので、そうした柔軟性を持ちながら深めていく。 ⑤決めて、もし新しい環境へ移行した場合は、新たな環境への慣らし期間も意識する 結果として、新しい環境に移った場合、環境を移したことでエネルギーが枯渇する。このため、環境を移動した後にがっくり来ることもあるので、それも織り込み、がっくり来たときはじっくりとエネルギー回復に努める。 (感想) 「やめる・やめない問題」という問題設定があること、そしてその問題がつらくなるメカニズムと対処法が紹介されていて、非常に参考になった。キャリアを考える場合を含めて、自分の行動変容をする際に大いに参考になる内容だった。特に、「7~3バランス」や「OODAループ」で確認しながら行動を進めていくという方法は、具体的で今までと異なる柔軟な思考と行動を進める上でも大いに活用できると思った。「大人の心の強さ」を鍛えるというのは、認知のゆがみである「べき思考」や「白黒思考」から脱却するということを意味していると感じた。そして、その具体的な考え方として「7~3バランス」と「OODAループ」を組み合わせていく方法は有効だと思った。 また、「子どもの心の強さ」は、他の本で紹介された、認知のゆがみ、子育ての中で学ぶ拮抗禁止令や、早期不適応的スキーマに合致するものと思われた。自身の根源的な価値観を見出して、こうした頭のクセを緩めて、現実的な対応をすることが、自分らしく生きていく上で大切なのだと改めて感じた。自分は、陸上の長距離選手であったときも、走りすぎて膝を壊したり、熱を出したり、気管支炎になったり、ヘルニアになったりと、自身の疲労を無視してしまう傾向があり、「子どもの心の強さ」に依存してこれまで生きてきたと思う。今後は、うまく疲労のコントロールをしつつ、どの様に、この考え方を脱却するか、よくよく考えていきたい。 一方で、自身の根源的な価値観は聖なるもの・善なるものではないこともあり、決して消し去ることはできないという説明に、納得と安心をし、より深い人間理解につなげていくきっかけを得られたと思う。 (参考) 【子どもの心の強さ】 成長段階の時に、親や学校の先生から、社会のルールとして教えられたもの。 (例) ・人より劣ってはいけない ・一人でやりとげなければいけない ・苦しくても逃げてはいけない ・自分の問題点を見つけて常に改善しないといけない ・自分だけが苦しいと思ってはいけない ・弱音を吐いたり、泣いたりしてはいけない ・常に努力すれば自分は変われるし成長できる ・みんなと仲良くしなければならない ・社会が求める正しいことをしなければならない 【大人の心の強さ】 いろいろな価値観があることを認めブレンドし、自分を許し、いたずらに自信を失わずに自分を励ましていくことができる心の強さ。 (例) ・1つが駄目でも、工夫して乗り越えてみよう ・つらいことはうまくかわしたり、避けていい ・嫌なことは上手に断っていい ・時には人に頼ることがとても大切。勇気ある人ほど人に頼る ・人は変わることができる。ただし、時間がかかる ・自分も大切に、周囲も大切に、大事なのはバランス ・できないことがあることを認めよう。そして、次に進もう ・人は人、私は私 ・醜い部分も含めて、自分を大切にしよう 【新しい物語を考えるための自分への質問】 ・どうしてやめたいの? ・何が一番嫌?つらい?許せない? ・昔から、そこが気になっていた? ・気になるきっかけになった出来事があった? ・どうだったら許せる? ・どうして辞められないと思う? ・あなたが一番大切にしたいものは何? ・いつからやめたいと思うようになったの?何がきっかけ? ・やめたい、やめられない気持ちの中で、一番気になる点は?どうしてその部分が気になる? ・どうなったら、今の状態を続けていけると思う? ・やめたときの、最悪の結果があるとしたら何?そうなったらどうする? ・尊敬する●●さんならどう対応すると思う? ・あなたの状況を知っている人に、相談してみた?どういわれた? ・同じような悩みを持つ人がいる?その人はどうした?どうなった? ・お給料が上がらないのが引っかかる?じゃあ、どれくらいだったらいい? ・ほかの人は、あなたよりもらっているの? ・自分はどのくらいの給料をもらうべきだと感じている? ・職場で嫌いな人がいる? ・その人から何を言われると一番腹が立つ? ・職場の空気感が嫌い? ・仕事の内容がつらい? ・職場で最近、嫌なことがあった? ・そのとき、どう感じた? ・自分は正当に評価されていないと思う? ・本当は、どう評価してほしい?どこを見てほしい? ・自分は同僚より仕事ができていないと思う? ・仕事をしていて、うれしいと思うのはどんな時? ・今の職場環境や待遇がどう変われば、やめないと思う? ・休日はしっかり休めている? ・何の制約もなければ、どんな仕事がしてみたい? 【自分の根源的な価値観に迫るための人間の心の特徴】 ・人の心は一貫しないもの ・感情や欲求はなくせない ・人はエネルギーを使いたくない(怠けたい)もの。やる意義や意味が理解できないとやろうとはしない。 ・人は成長したいが、中々変わらない。(変わりたくないのも基本欲求)。成長しな い ・でも、人は体験をきっかけとして変われるし、変わりたい ・人間関係のトラブルは当たり前に起こる ・人はそれぞれ、正義もそれぞれ ・自分を基準に他者の内面を決めつけがち ・人は他人をコントロールしたがる ・人の言動、反応にはそれなりの理由がある ・人は物語を見つけ、安心したい ・子どもの心の強さを求めがち ・論理的・客観的でありたい(感覚的、スピリチュアルなことを軽視しやすい) ・人は自分を責めやすく、自信を持ちにくい ・人は過去の記憶と将来の不安に捉われやすい
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下園壮太
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