激震

激震

1,980円 (税込)

9pt

4.0

1995年、大地が裂けた。時代が震えた。

阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件と未曾有の災厄が相次いだ一年、戦後五十年かけてこの国が築き上げたあらゆる秩序が崩れ去っていく……。
昭和史の闇を抉った傑作『地の底のヤマ』の著者が描き出す平成の奈落。

雑誌記者として奔走した自身の経験が生んだ渾身の力作長編。

年明け早々に阪神地方を襲った大地震に衝撃を受け、被災地に駆けつけたヴィジュアル月刊誌「Sight」記者の古毛は、その凄まじい惨状に言葉を失う。神戸でも火災被害の激しかった長田地区では焼け跡に佇む若い女と遭遇。夕方の光を背にこちらを振り向いたときの眼はかつて戦場で出会った少年兵とそっくりだった。果たして彼女は何者なのか?

「何やってんだろうな、俺達」加納が自嘲ぎみに呟いた。(略)「世間の耳目を引く話題に引っ張り回されて、取材取材に駆け回る。それで終わってみりゃぁ、前に何やってたかも記憶が薄れてる始末だ。(略)世間、てぇお釈迦様の掌で踊らされてる、孫悟空かよ」
「元々、報道なんてそんなものだったのかも知れませんけども」古毛は言った。「特におかしくなって来たのが、あのバブルの辺りからだったような気はします」
「あれで、日本が溜め込んで来たあれこれの矛盾が一気に噴き出して来た感じだな。戦後、営々と築いて来たこの国の神話が次々と崩壊してる、ってところかな」
――本文より

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激震 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2021年04月16日

    2020年の本作執筆時点から「四半世紀前」となる1995年を振り返っている。作中の出来事は、大半が1995年に起こっている事ということになる。
    本作の中心視点人物、主人公は雑誌等の各種媒体に記事を寄稿するフリーライター、フリー雑誌記者を生業としている男、古毛冴樹(こもさえき)である。本作は一貫してこ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年07月28日

    97その時代の真っ只中にいた人間としてその時の空気や土地のにおいが蘇ってくるような臨場感がある。災害も厄災もきっと次々に起きるし、またそれに立ち向かい市民もどの時代にも居るということか。最後のサクセスストーリは蛇足でしたね。

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    Posted by ブクログ 2021年05月12日

    仲間内の「青伝」するのに大蔵の官官接待批判⁈同根じゃないの!起死回生の記事が「ヤクザの救援活動」?震災のどさくさの殺人事件?関心ないだろうと冷めてたら、大どんでん返し。訳も分からず走り回った1995年、確かに色々ありました。デジャブ?

    0

    Posted by ブクログ 2021年04月07日

    フリーの記者の目を通して阪神大震災、サリン事件、沖縄少女レイプ事件等を描く社会派小説。一文が短くテンポ良く進むので緊張感もあり一気に読めた。西村氏の文章は好きだけど、終わり方が調子良くて、そこが残念。

    0

    Posted by ブクログ 2021年09月20日

    1995年、大地が裂けた。時代が震えた。

    阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件と未曾有の災厄が相次いだ一年、戦後五十年かけてこの国が築き上げたあらゆる秩序が崩れ去っていく……。
    昭和史の闇を抉った傑作『地の底のヤマ』の著者が描き出す平成の奈落。

    雑誌記者として奔走した自身の経験が生んだ渾身の力作長編...続きを読む

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