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〈都会とは恐ろしいところだ〉。5年間地方で暮らし、都会に戻った私は毎朝のラッシュに呆然とする。奇妙に保たれた〈秩序〉、神秘を鎮めた〈個と群れ〉の対比、生の深層を描出する「先導獣の話」のほか、表題作「木犀の日」、「椋鳥」「陽気な夜まわり」「夜はいま」「眉雨」「秋の日」「風邪の日」「髭の子」「背中ばかりが暮れ残る」の10篇。内向の世代の旗頭・古井由吉の傑作自選短篇集。
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Posted by ブクログ
要再読。無意識、理不尽さ、発狂、正常と異常、日常と非日常などについて途中から意識しながら読みました。気を抜くと迷子になりそう。登場人物もこの社会の中で迷子になっているように思えました。難しかったけど中毒になる。
どこにでもあるようなありふれた日常生活も目を見開いて凝視し続けていくと見えてくるものがある。それは神経をジワジワと冒す狂気のようなもの。夢とよばれるものかもしれない。素潜りをするように日常の海の底へ向かって潜り、息継ぎのために浮上し、また潜っていく。何かが喉の奥で粘りつき、ひりつくような感覚を覚えな...続きを読むがら。エッセイと小説の狭間を揺れつつ私小説風に集束していくようだ。年代順に並べられた十篇。「先導獣の話」「椋鳥」「陽気な夜まわり」「眉雨」「髭の子」がよかった。再読するとよさそうだと読みながら思った。
いいなぁ。 でも、何回か読み返してしまう。 ぼーっと読んでると付いてけません。 この人の本に評価なんてして良いのでしょうか
あれれ、この人は一体何だろう。古井由吉の作品は、初めて読んだけれども、どうしてこんなに戸惑い惹きつけられるのかわからない。棒の先でつっつくようなことをしながら、しばし寝かせておきたい本。
元の発表時期でいうと四半世紀にわたるスパンから自選した短編集。現と夢のあいだにあるようなタッチは一貫している。すごくちょっとした徴候を感じとって、そこから夢想がどんどん広がっていく。 寝る前に読むとてきめんに眠たくなって、短編ひとつもなかなか読み通せなかった。
自分の感性では少し難しかったような気がした。 社会の中での自分の対比というのは、それは物凄く辛いことで文学的命題ではあるのだけども、少し生活に密着しているような気がして、それを自選して編集した妙なバランスの悪さを感じた。 多分社会経験が足らないせいもあるのだろうけど。 ただ田舎から東京に戻って...続きを読むラッシュに違和感を感じる、なんて全く面白いとも思わなかった。 そんなの思い付いても誰も書かないだろうと。 あと会社で意図的に発狂した話も。 興味深く読めたのは『椋鳥』。 まあ竿姉妹の話なのだけど、こういうドロッとした女の情念が好きだ(あまり関わりたくはないが)。 きっと40代後半からこの短篇集は共感を持って読めると思う。 その時になってまた開きたい。
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木犀の日 古井由吉自選短篇集
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