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歴史は楽しくて役に立つ! 上司との関係に悩んだとき、仕事で判断に迷ったとき、人生で大失敗したとき―― 無類の歴史好きである著者は歴史を人生の要所で判断基準にしてきた。 ビジネスにもプライベートにも使える歴史知識を、80のQ&Aで紹介。 世界情勢の理解からビジネス上の決断まで、出口流歴史の使い方。
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Posted by ブクログ
出口さんの説明は相変わらず明確で納得感ありますね。人間って同じことを繰り返しているのが良く分かります。だんだん自分の中で知識が繋がってきた気がします。歴史が楽しくなってきました。
学生の頃は世界史よりも日本史が好きだった。社会人になってからは日本史というよりも時代小説が好きで、司馬遼太郎さんの「竜馬がゆく」は幾度となく読んでは感動していた。また、テレビ番組はあまり見ない方だが、NHKの「歴史ヒストリア」は大好きで良く見るし、旅行に行くと城を見たり神社を訪れたりしてその土地の歴...続きを読む史を知るのも楽しい。歴史に学ぶというよりは、歴史を物語の一つとして楽しんでいるという感じだろう。 日本史や世界史という言葉を聞くと、ついつい試験のための暗記を思い出してしまい苦手意識が先に立つ。書籍を読むのは大好きで苦ではないのだが、「学問」となってしまうとページをめくる手が遅くなるのは基本的に勉強嫌いだからだろう。しかし、社会人になって仕事をするようになると、過去の先輩方が行った仕事の資料を読んで学び、同じような仕事が発生した時にはそれに倣って仕事を進めるようになる。時には以前のやり方を見直してより効率的に行う方法を考えてみたり、場合によってはパソコンを使って電子化したりと過去のやり方から学んでさらに改良するということなどを日常的に行っている。 これこそ「歴史に学ぶ」ということと同じなのだが、そういったことを学生時代に気づかなかったのは非常に残念ことだなと今更ながらそう感じる。 出口治明さんが書かれた「 歴史を活かす力 人生に役立つ80のQ&A (文春新書)」は、書名の通り過去に起きた歴史的な出来事や歴史上の人物に学び、それを仕事や人生にに活かそうという一冊だ。 出口さんは京都大学卒業後に日本生命相互会社に入社し、国際業務部長などを経て2000年に退社されたが、その後、ライフネット企画株式会社を設立し、ご自身が60才の時にライフネット生命保険株式会社と社名を改名し社長に就任された。社長を退いてからは公募で立命館APU学長に就任するという、還暦を過ぎてから異例の職歴を重ねられた方で歴史に関しても卓越した知識をお持ちだ。 私は出口さんのお話をNHKの「最後の講義」というテレビ番組で拝聴し、その語り口や内容にグイグイと引き込まれて感銘を受け、出口さんの著書を拝読するようになった。 今回拝読したこの一冊は、日本史も世界史も交えてさまざまな出来事や人物に焦点をあてており、歴史的な出来事や人物の行動などを「マネー」「失敗」「リーダー」「大逆転」「女性」「宗教」「戦争」「ライフスタイル」「アメリカ」「日本と世界」という10のテーマに分類し、一問一答形式で歴史の内容やそれをテーマに当てはめるとどうなるかなどを紹介されている。 どのテーマもQ&Aも内容的に素晴らしくて引き込まれてしまうが、個人的には歴史上の人物が語ったと思われる言葉が関西弁になっているところが親しみやすくてとても良いなと感じた。例えば、「日本は二回とも大元ウルスを撃退したのはなぜか」という問に対して「もともと大元ウルスには日本を征服する気持ちがあまりなかったようだ」という答が書かれているのだが、その中でクビライが「『あいつら生意気だから一発どついてこい』と軍を派遣した・・・」という感じだ。こういった、ちょっとしたことながら出口さんの語り口が思い浮かぶような書き方がまた良いなと感じた。 先行き不透明な今だからこそ、出口治明さんの書かれたこの一冊を読み「歴史を活かすことの大切さ」を知るのは意義のあることだと思うがいかがだろうか。
純粋に歴史を学ぶための本ではなく、問題解決の方法や先例を歴史に求めた本、というべきで、だからこそ「歴史を活かす力」といったタイトルが付けられている。 歴史本は出口さんの本も含めて色々読んできたが、それでもまだ知らないことの方が多かった。また、私自身では問題解決の際、歴史と解決方法をうまく結びつけら...続きを読むれていない、ということも感じさせる内容であった。 総じて私自身はまだまだ歴史を活かすレベルまでには到達しておらず、まだまだこれから、という気づきを得られたこともこの本を読んだメリットの一つである。 また、この本の隠れたテーマは「リーダーシップ」である。歴史に名を刻むリーダーが、どのような場面でどのような決断をしたのか、その背景は何であるか、といったところが丹念に書かれており、なるほど腹落ちできるところも多かったので、心に刻んでおこうとおもう。
さすが出口せんせ、私のようなバカチンを諭すように非常に分かり易い説明で、しかも私の古い歴史認識をいくつかアップデートしていただき、もう少しでしたり顔で人前で誤った歴史を語るメンドクセーオッサンになる所でした。本当にありがとうございます。 私の好きな言葉『愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ』が有...続きを読むりますが、まさにそれですね。このQ&Aを読んで改めて歴史を学ぶ、歴史を楽しむ必要を再確認させられました。 所謂ブラック企業の経営者の方、ぜひこれを読んでいただき、大声での朝礼を止めて、経営者の経験全てで物事を判断する事も止めて、素晴らしい会社に仕立て上げて下さい。
QA方式で80の事項が整理されており、どれも面白い!国力が相対的に落ちてきた今だからこそ、歴史から学ぶ姿勢は大事。ヘイトスピーチではなにも変えられない。
歴史に関する著書を多数出している著者による、読者からの質問に答える形で進んでいく、歴史をどのように活かしていくかの指南書です。著者独自の視点は、他の著書を見ても分かる通り、明快で筋が通っており、おもしろく読み進められます。 今までの歴史的な出来事や人物を取り上げながら、これをどのように現代に活かして...続きを読むいけばいいかという内容ですので、教科書で学ぶ歴史とは一味も二味も違う内容となっています。 著者独自の固有名詞の使い方となぜかセリフの引用が関西弁になっているのが気になりますが、一通りの歴史を学んだ後、このような良書を見て、歴史の活かし方、おもしろさを感じたいと思います。 ▼歴史を学ぶことの意義の一つは、このように予期せぬ出来事に遭遇した時、適応するため参考にする、即ち「歴史を活かす」ことにつきるだろうと僕は考えています。歴史を多く知れば知るほど、最適解にたどり着くヒントになるのです。 ▼引きこもっていては、人々の生活が豊かになるはずはありません。目安の一つとなるのは、平均身長と平均体重です。日本の歴史上、最も平均身長と平均体重の数値が高いのは、現代の私たちです。反対に、最も低いのは江戸時代の末期でした。男性でおよそ身長155センチ、体重50キログラム。外国人の目に「小人の国」と映っても不思議ではありません。戦国時代などのほうが、はるかに体格はよかったのです。それほど貧弱な体格になったのは、鎖国で経済が停滞したことに加え、キリスト教を禁じる観点から人々を宗門改めで土地に縛りつけた、つまり人々の異動を禁じたことが主な原因でした。 ▼歴史上の出来事を振り返るとき、その時点でネーションステートが成立していたかどうかは重要なポイントの一つです。そのBefore/Afterで、人々の考え方がまるで異なるからです。 ▼激しい内戦が起こるのは、明確な対立軸があるときです。 ▼ローマ帝国も大元ウルス(追記:モンゴル帝国)も、リーダーの失敗で滅びたのではなく、きっかけは地球の気候変動でした。産業革命以前に滅びた大帝国のほとんどは、気候変動に伴う諸部族の移動や病原菌の移動が主な原因となっています。産業革命までは農業が主たる産業でしたから、当たり前といえば当たり前です。人間に失敗があったとすれば、気候変動によって大帝国は亡びるものだということに気づいて対処しなかったことかもしれません。 ▼歴史に登場する大帝国や覇権国家には、いくつかの共通点があります。ダイバーシティの尊重、身分にとらわれない実力主義、新しい技術の導入などですね。しかし最大のポイントは、合理的でシンプルなグランドデザインを生み出したか(描けるリーダーがいたか)どうかです。 ▼ヨーロッパの封建性社会では、わかりやすくいえば、頂点に王や皇帝がいて、その下に中間層として諸侯などの領主がいて、その下に一般の民衆がいるというピラミッド構造を成しています。だから、ヨーロッパでは皇帝や王がその地位を追われたとしても、一気に人民まで転落はせず、中間層の諸侯や領主に戻ることができたわけです。 ▼もちろん中国にも領主層がいて、皇帝の多くはそういった領主層や遊牧民の首領から出ています。しかしヨーロッパとは異なり、中国では封建制が早くに姿を消し、皇帝が飛び抜けて偉いだけであとは比較的フラットな流動性の高い社会を形造りました。この本で何度も登場している始皇帝が生み出したグランドデザインのたまものです。加えて共産党支配下の中国では領主層は存在できません。それによって、皇帝をやめさせられた人が一般市民になって生涯を終えるという、大転落が実現したのです。 ▼ヨーロッパの歴史でキーマンを三人挙げるなら、ローマ帝国のグランドデザインを描いた古代ローマのユリウス・カエサル(紀元前100~44)、近代国家の基礎を築き、ルネサンスを準備したローマ皇帝フェデリーコ二世(在位1220~50)、そしてネーションステート(国民国家)を完成させたナポレオンだと思います。 ▼リーダーの最も大切な仕事は、将来のビジョンを描くことです。そのビジョンは規則やルールに表れます。とりわけ創業者は何もないところから組織をつくりますから、リーダーとしての資質や才覚が明らかになります。 ▼明治時代になって、天皇制をコアにして国民国家を創設する際に、イエ制度とセットにして中国の朱子学の考え方を採り入れた影響が大きいと思います。朱子学は、南宋の儒学者だった朱熹(1130~1200)が唱えたもので、君主権や身分制度を許容する男尊女卑の学問です。これが明治政府の天皇制、家父長制とうまくマッチしました。 ▼国内の政治がうまくいかないときの一番簡単な対処法が排外主義だからです。「この不幸な状況はあいつらのせいだ、けしからん」と批判の眼を国外にそらす。これは日本にかぎらず、危機に直面して国をまとめられない愚かな指導者の常套手段です。 ▼歴史学者のジョン・ルカーチは、著書『歴史学の将来』のなかで、愛郷心や愛国心は誰にでもあるけれど、それが劣等意識と不義の関係を結んだとき、排外的なナショナリズムが生まれると述べています。戦後日本のアイデンティティの柱であった経済大国(GDPでアメリカに次ぐ世界第二位の大国)の地位を中国に奪われた時から排外主義が生まれてきたように思えてなりません。近代の日本の歴史をみてもわかる通り、排外主義は国を滅ぼします。日本で排外主義が目立つように感じたら、阿部正弘が策定したグランドデザインを思い起こしてみるべきでしょう。 ▼リーダーの仕事は、究極的にいえば、人々を幸福にすることです。優れたビジョンは、社会の混乱を治め、人々の暮らしを豊かにします。数百年、数千年も受け継がれるのは、最初の設計図がしっかりしていた証拠です。 リーダーシップといえば、メンバーに号令をかけたり、チームを引っ張ったりといった統率力が第一と勘違いされることがあります。どれだけ統率力があっても、優れたグランドデザインを描けなければ、リーダーとして失格です。ビジョンが描けないリーダーは、場当たり的にゴールを変えてしまいがちで、やがてフォロワーにも愛想を尽かされます。誤ってゴールに人々を導くリーダーは、チームの全員を不幸にします。そんなリーダーは、むしろ統率力がないほうが人々は幸せかもしれません。 ▼人間は、ホモ・モビリタスという別名があるように元来、あちこち移動して交流する生き物です。人間の歴史は、大規模な移動や交易によって発展してきたといっても決して過言ではありません。だから日本の江戸時代、中国の明朝のように、外国との交易を禁じたり、移動の自由を奪ったりすると、その社会はどんどん住みにくくなります。場合によっては、人間の身体まで、貧弱になってしまうのです。僕はそういう政策を採った政権を評価しません。 ▼長期的に見れば、人類は地球上を自由に移動し、自由な交易によって互いに不足するものを補い合って発展してきました。人類の歴史を知っていれば、本質的な観点から現在の出来事を把えることができるでしょう。それこそが、歴史を活かすことだと僕は考えています。 <目次> はじめに 第1章 マネー 第2章 失敗 第3章 リーダー 第4章 大逆転 第5章 女性 第6章 宗教 第7章 戦争 第8章 ライフスタイル 第9章 アメリカ 第10章 日本と世界 おわりに
出口さんは、趣味を武器として昇華させた好例だと思う。読書、とくに歴史を楽しんで学び、自分の引き出しとして使う。 さて、今回の学びは、 大衆は、単純なものに惹かれる、ということ。 それが、イスラム教であり、インドのヒンドゥー教だった。 難しいもの、修練が必要なものは、 インテリにうけるが、広まら...続きを読むない。 また、項羽と劉邦の話。 項羽は、自分を賢いと思いすぎてまけた、と。 劉邦は、人の話を聞くことができた。 つまり、自分より優秀な部下を使いこなすことが、 大事だ、と。
今年を振り返ると、出口治明氏の本をはじめ歴史の本をよく読んだ年だった。塩野七生のローマ人の物語から始まり、司馬遼太郎、井沢元彦、半藤一利、そして出口治明。 歴史を様々な角度から眺めることができたので、とても良かったです。従来は井沢元彦の本が中心だったので少し一面的だった。コロナ禍に入ってすぐに塩...続きを読む野七生のローマ人の物語を読み始めたのが良かった。他の時なら最後まで行けたかどうか分からない。 最後に出口治明氏の本を読むと整理されるのだ。やはり大作家の本を読むべきですね。
出口先生の本は、いつも気づきを与えてくれます。一度立ち止まる、過去の歴史を振り返る。歴史には、行動のヒントがたくさん散らばっている。
Q&A形式で軽い感じで歴史の色々な小話を知ることができる一冊。 著者の視点に偏りがある感じが気になるが、それも歴史解釈の一つとして捉えて読むことが重要だと思う。 歴史を一断面的に捉えるのではなく、他方面から見るとまた違った見え方もするということを訴えているのか?とも思う。教科書や小説とも違っ...続きを読むた、新しい面から考えることもまた面白いと思う。 中高生の歴史理解を深めるための(試験に出ないが)ひとつとして読むのも良いかもしれない。ただし、ただ信じるのではなく、批判的に読むことが大切。
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