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「無常観を主題とした遁世者の随筆」と言われがちな「徒然草」。でも昔の人だって、簡単に世を捨てられたわけではありません。作者の兼好はどんな社会と人間関係に生きたのか。当時の文脈に置きなおすことで、本当の姿が見えてきます。
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Posted by ブクログ
たまたま書店で見かけた。徒然草全体の解説というより、いくつかのエピソードを取り上げて、全く未知の話を教えてくれる面白本。 こんな話が面白かった。堀川太政大臣基具は息子が検非違使に着任したとき庁舎の唐櫃が古いので新しいものにしろと命じたら、職員に数百年も使用している価値あるものなので替えられないと言...続きを読むわれた。 久我太政大臣通光は清涼殿の殿上の間で水を飲むときに、土器じゃなくて、「まかり」を持ってこいと命じた。土器は素焼きで使い捨てだったそう。まかりは柄杓やお椀のようなものだそうで、枕草子には、「すっごくきたないもの。なめくじ。おんぼろの板の床を掃く箒の先端。殿上の合子」 合子=まかり。長年使って汚くなっている器だけど、しきたりだから使ってる。 なんて話があって、伝統を守るべきか、革新すべきかは昔からのテーマなんだと思った。 源氏物語の現代語訳が色々出ているけれど、重厚長大でなかなか手が出ない。こんな手軽な解説本なら、もっといくらでも読みたいと思う。
「徒然草」は昔から好きな随筆なので、ふと目に止まって読んでみた。遁世文学と捉えられることが多い徒然草だが、時代考証に基づくと兼行はそれほど隠居していたわけではなく、大いに俗世で活躍していたのだという。従来は「浮いている」と考えられることの多かった二三八段を再解釈したり、江戸時代以来と思われる八九段の...続きを読む誤読を正したり、源氏物語や古歌とともに精読した最新の研究成果を惜しげなく開陳。
無常や遁世というキーワードから離れ、新しく掘り起こした兼好像に基づいて、徒然草の特徴的な章段を読んでいく本。 読み終わって気づいたのは、兼好の描いたイメージと徒然草を通読したときの自分のイメージが大きく異なっていたことだ。古典は読み方に気を付けないと、十分な情報量(真髄)を得ることができない。ただ、...続きを読む「徒然草をよみなおす」ことでそのギャップが縮まったと思う。
徒然草と兼好法師 徒然草自体を読んだこともないし、徒然なるままにで始まる1句しか知りません。 兼好法師が生きた南北朝時代、今で言えば中間職の様な立場で上司である貴族のひとに仕え、決して気楽な立場には見えないけど、世間とつながることを疎かにしないからこそ、世の中を渡っていく術を徒然草の中に残して行くこ...続きを読むとができたのでしょうか。 徒然なるままに、しなやかに強く渡っていきたいなと思います。
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小川剛生
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