移民たち:四つの長い物語

移民たち:四つの長い物語

2,871円 (税込)

14pt

4.0

異郷に暮らし、過去の記憶に苛まれる4人の男たちの生と死。みずから故郷を去ったにせよ、歴史の暴力によって故郷を奪われたにせよ、移住の地に一見とけ込んで生活しているかに見える移民たちは、30年、40年、あるいは70年の長い期間をおいて、突然のようにみずから破滅の道をたどる……。語り手の〈私〉は、遺されたわずかの品々をよすがに、それら流謫の身となった人々の生涯をたどりなおす。〈私〉もまた、異郷に身をおいて久しい人だ。個人の名前を冠し、手記を引用し、写真を配した各篇はドキュメンタリーといった体裁をなしているが、どこまでが実で、どこまでが虚なのか、判然としない。
本書は、ゼーバルトが生涯に4つだけ書いた散文作品の2作目にあたる。英語版がスーザン・ソンタグの称讃を得て、各国語に翻訳され、ドイツではベルリン文学賞とボブロフスキー・メダル、ノルト文学賞を受賞した。
堀江敏幸氏による巻末の解説「蝶のように舞うぺシミスム」から引用する。「作家の極端なぺシミスムが読者にかけがえのない幸福をもたらすとは、いったいどういうことなのか? ゼーバルトの小説を読むたびに、私はそう自問せざるをえなくなる」。

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移民たち:四つの長い物語 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    たくさんの言葉で語られようとするある人物。彼らはみな、遠くからきて、ある日死を選ぶ。
    こんなふうに書くと興味深いミステリー感が漂うけれど、この本が魅力をぐっと増すのは謎に分け入って考えるのは読者自身ということ。

    たくさんのエピソードが次から次へと、まさに記憶の断片が移り変わり結びついていく。合間合

    0
    2020年07月26日

    Posted by ブクログ

    長短とり混ぜた四つの物語.生まれた国を出て知らない国を知った国にして生涯を終える移民の心情に寄り添って,手記やら新聞やら伝聞やら本人から聞いた断片など,細部にこだわったり突然違った話に変わったり,まるで不確かな記憶がさまようように物語られる.あちこちにあたかも事実のように散りばめられた写真たち,現実

    0
    2020年07月23日

移民たち:四つの長い物語 の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 海外小説
  • 出版社
    白水社
  • ページ数
    268ページ
  • 電子版発売日
    2020年10月16日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    82MB

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