アウステルリッツ

アウステルリッツ

2,970円 (税込)

14pt

5.0

ウェールズの建築史家アウステルリッツは、帝国主義の遺物である駅舎、裁判所、要塞、病院、監獄の建物に興味をひかれ、ヨーロッパ諸都市を巡っている。そして、彼の話の聞き手であり、本書の語り手である〈私〉にむかって、博識を開陳する。それは近代における暴力と権力の歴史とも重なり合っていく。
歴史との対峙は、まぎれもなくアウステルリッツ自身の身にも起こっていた。彼は自分でもしかとわからない理由から、どこにいても、だれといても心の安らぎを得られなかった。彼も実は、戦禍により幼くして名前と故郷と言語を喪失した存在なのだ。自らの過去を探す旅を続けるアウステルリッツ。建物や風景を目にした瞬間に、フラッシュバックのようによみがえる、封印され、忘却された記憶……それは個人と歴史の深みへと降りていく旅だった……。
多くの写真を挿み、小説とも、エッセイとも、旅行記とも、回想録ともつかない、独自の世界が創造される。全米批評家協会賞、ハイネ賞、ブレーメン文学賞など多数受賞、「二十世紀が遺した最後の偉大な作家」による最高傑作。
多和田葉子氏の解説「異言語のメランコリー」を巻末に収録。

...続きを読む

アウステルリッツ のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    ①文体★★★★★
    ②読後余韻★★★★★

     アウステルリッツというタイトルは三帝会戦を思わせますが、登場人物の名前です。アウステルリッツは建築史の研究者として、駅舎や裁判所、要塞都市、病院や監獄などに興味をひかれ、文献をあたり、また実際にその場を訪れ記録をする人物です。語り手である「私」は、そんな彼

    0
    2022年10月29日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    私(語り手)はアントワープの中央駅待合室で建築家のアウステルリッツにふと声をかける。彼は駅の歴史から始まってつらつらと様々な建築の歴史を、果ては自分の生い立ち、イギリスでの学校での出来事、蘇った記憶、ユダヤ人としての出自、両親との別離と捜索、人との出会いと別れを、私(語り手)に会うたびにとめどなく語

    0
    2021年06月10日

アウステルリッツ の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 海外小説
  • 出版社
    白水社
  • ページ数
    298ページ
  • 電子版発売日
    2020年09月25日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    67MB

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

無料で読める 小説

小説 ランキング

作者のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す