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現代詩の前衛にして、加藤楸邨を師と仰ぐ俳人。また、芭蕉、蕪村、藤原定家の独創的評釈で知られる古典探究者。昭和46年から48年、芭蕉の連句評釈に心魂を傾ける傍ら、二巡りする四季に寄せて万葉から現代俳句まで、秘愛の歌へのオマージュを「季節のうた」として書き続けた。俗解を斥け、鍛えぬかれた言葉で読み解く103篇の短章は、正に「秋水一閃」の達人の技を思わせる。
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Posted by ブクログ
春の岬旅のをはりの鴎どり 浮きつつ遠くなりにけるかも 三好達治の処女詩集「測量船」巻頭を飾る短歌風二行詩。 昭和2-1927-年の春、達治は伊豆湯ヶ島に転地療養中の梶井基次郎を見舞った後、下田から沼津へ船で渡ったらしく、その船中での感興であると紹介されている。 梶井基次郎と三好達治はともに大阪...続きを読む市内出身で、明治34-1901-年2月生まれと明治33-1900-年8月生まれだからまったくの同世代だし、同人誌「青空」を共に始めている親しい仲間。梶井は三高時代に結核を病み、昭和2年のこの頃は再発して長期療養の身にあり、不治の病との自覚のうちに死を見据えた闘病の日々であったろう。「鴎どり」には湯ヶ島に別れてきたばかりの梶井の像が強く影を落としているにちがいない。 梶井は5年後の昭和7-1932-年、31歳の若さで一期となった。 奇しくも今日3月24日は梶井基次郎の命日、いわゆる檸檬忌にあたり、所縁の常国寺-大阪市中央区中寺-では毎年偲びごとが行われている。
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