ワカタケル

ワカタケル

2,200円 (税込)

11pt

3.6

『古事記』現代語訳から6年、待望の小説が紡がれた!

神話から歴史へのあわいの時代に
森羅万象を纏った、若く猛る大王が出現した

暴君であると同時に、偉大な国家建設者。
実在した天皇とされる21代雄略の御代は、形のないものが、形あるものに変わった時代。
私たち日本人の心性は、このころ始まった。

時代の転換点の今こそ、読まれるべき傑作長編! !

時は5世紀、言葉は鳥や獣、草木たちにも通じていた。歯向かう豪族たちや魑魅魍魎を力でねじふせ、國を束ねるワカタケル大王(雄略天皇)。樹々の合間から神が囁き、女たちは夢の予言で荒ぶる王を制御する。書き言葉の用意のない時代、思いを伝える歌と不思議な伝説、そして残された古墳の遺物や中国の史書……。作家は言葉の魂に揺さぶりをかけ、古代から現在に繋がる、「日本語」という文体の根幹に接近する――

令和改元をまたいで日経新聞朝刊に連載された小説がさらにパワーアップして単行本化。

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ワカタケル のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2021年08月19日

    久しぶりに小説を読んだ。前半の盛り上がりが後半失速する感じがちょっと残念。
    本書と関係ないですが、たまたま手に取った本が妻と一緒でなんでウチに2冊あるんだ?という話になった。妻と同じ本を読んで色々話ができる幸せを味わいました。

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    Posted by ブクログ 2021年05月08日

    日本文学全集の「古事記」の全訳が、池澤夏樹の日本古代史正篇としたら、これは日本古代史列伝だろう。小説とは違う、というものを池澤夏樹は目指した。自らが稗田阿礼の如き語部となし、現代の考古学的成果を少しだけ取り入れながら、綿々と「伝えられてきた」神話を語って見せた。だから近代小説の持つドラマトゥルギーや...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年11月17日

    恐らく記紀の記述に基づいて書かれたと思うが、神話の不可思議さ、古代日本のおおらかで野卑な雰囲気がよく表れた物語となっている。

    ワカタケル(雄略天皇)の4代後の武烈天皇に直系がなく、5世代遡った応神天皇の5世孫である継体天皇が継ぐなど、この頃には天皇制が定着していることを示唆するように思えるが、現代...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年08月28日

    主人公は雄略か、と思わせてオリジナルキャラの女性。
    持統天皇メインの構想もあるらしく、そこにつなげる意図が書いてるうちに出てきたらしい。
    允恭が偉大な王だった設定で、作中では雄略がそれを超える事績を示さないまま死ぬので、なんで雄略を題材にしたのかわからない読者も出そう。
    元ネタの記紀を知ってる人向け...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年07月06日

    ワカタケルとは雄略天皇の当時の呼び名です。
    雄略といえば、鉄剣が発見されたことで実在することが証明された一番古い天皇(だという説を信じてる私)で、ココから先は神話ではなく現実の天皇家の系譜がはじまるイメージでしたから、本書のような神話と現実が融合する狭間な世界観はこの時代ぽくてよかったです。

    ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年03月19日

    ワタケル(雄略天皇)の一代記.男と女の役割,ここまでの歴史の真否,大陸との関わり,神々の捉え方など様々な問題を含んだ物語.

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    Posted by ブクログ 2020年10月10日

    古事記や日本書紀を現代語訳した池澤夏樹さんだから書ける物語。こういう文体でも、それはそれでエンタメにかんじました。

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2021年01月18日

    日本の第21代天皇、雄略天皇(仁徳天皇の孫)の物語。
    天皇の系譜では、ここからが実在の天皇と言われているようです。ワカタケルや巫女の井ト、皇后となるワカクサカ、みな生き生きとして、リアリティがあります。
    権力の座を手に入れるため、ライバルを次々と殺すワカタケル 。しかし、国を一つにまとめあげるには彼...続きを読む

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2020年10月11日

     日本経済新聞の連載で読んでいた。早く一冊の本になってまとまらないかと楽しみにしていたが、1年も経ってようやくだ。『日本文学全集』の編纂作業と並行して大変だったのかな。
     その全集の完結に寄せてと、出版社のフライヤに、日本人の性格の要点を知ったと、著者は以下の3つを挙げている;

    一、自然すなわち神...続きを読む

    0

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