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スペインの哲学者オルテガ・イ・ガセット(一八八三─一九五五)による痛烈な時代批判の書。自らの使命を顧みず、みんなと同じであることに満足しきった「大衆」は、人間の生や世界をいかに変質させたのか。一九三〇年刊行の本文に加え、「フランス人のためのプロローグ」および「イギリス人のためのエピローグ」も収録。(解説=宇野重規)
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Posted by ブクログ
ちくま学芸文庫版は大学の時、さらに社会人になっても読んでいたが、今回は岩波文庫版を読んでみた。 100年前の話なのだが、個人の自由が脅かされているのではとの雰囲気がある、自らの頭で考えない人が増えている、固有の文化が転換点にある、など現代に通底するテーマと視座を提供してくれる。オルテガの歯切れ良い...続きを読む語り方もよい。 名著は出版社を超えても名著なのだと感じた。
新しい訳であり、さすがに読みやすい。日本や中国は鼻を突き合わせて住んでいる、という言及はあったものの、やはりヨーロッパ中心、しかもスペインとフランス、イギリス中心の思想である。
激高した労働者が武装蜂起、世界初の労働者政権(パリコミューン)が成立(1871)。▼労働者たちは、労働運動など集団になると一体感をもち、無意識に同一の方向に動く。個々の労働者の性質とは異なる集団の精神が生まれる。▼群衆は衝動で動き、他人の言葉を軽率に信じこむ。熱しやすく冷めやすい。大衆主導の民主主義...続きを読むへの不信。ル・ボンLe Bon『群衆心理』1895 大衆(的な性質)。個性を持たない。同調しやすい。現状に満足している。責任感がない。わがまま。下品。社会について深く考えない。特別の資質をもたない。平均的な人たち。他の人と同じであることに喜びを見出す。自分の意志をもたず、受動的に行動する。自分の権利を押し通そうとする。こうした大衆(的な性質をもつ人々)がいま最大の権力を握っている。ファシスト党もボリシェヴィキも大衆に支えられている。自分の専門に閉じこもり傲慢で他人の言葉に耳を傾けない専門人(知識人)も「大衆」的な人々。▼エリート(的な性質)。良い意味で個性をもつ。行動が自律的。向上心がある。責任感がある。公共の利益を優先。高い品格。社会全体を導こうとする意識。常に自己懐疑を持ち、自分が愚劣に陥る危険性を感じている。▼大衆(的な人々)とエリート(的な人々)を分けるのは階級でも財産でもない。オルテガ・イ・ガセットGasset『大衆の反逆』1930 人はみな独りぼっちだと不安を感じる。仲間からの承認がほしい。そこで他人の行動を見て、自分の行動を決めるようになる。常にレーダーを張って、他人の期待や好みに敏感に反応。社会の側が個人に世界への反応の仕方を要求している(社会的性格)。▼政治に無関心か、もしくは政治について知識や情報を得ることには熱心であっても、自ら進んで政治に関わろうとしない。傍観者。デイヴィッド・リースマンRiesman『孤独な群衆』1950 自分が権力をもてる&エリートに操作されやすい「大衆社会」△。自分が権力をもてる&エリートに操作されにくい「多元的社会」◎。自分が権力もてない&エリートに操作されやすい「全体主義社会」×。自分が権力もてない&エリートに操作されにくい「共同体社会」。共同体社会では支配層と一般人が隔絶されている。ウィリアム・コーンハウザーKornhauser『大衆社会の政治』1959
私が在籍する研究室に残された先輩の研究ノートに本書の一節が書かれていたため、手に取ってみた。 彼の言っていることをただ当時の人間に投げかけている言葉だと捉えずに、現代に生きる自分や世間の人間に照らし合わせてみれば、おそらく思い当たる節がいくつも見つかるのではないだろうか。ただ、突然やけに専門的かつ...続きを読む読みにくくなる章があるのでそこについては読み飛ばした。
和訳がこなれているとはいえ、自分には難しく、読むのに約1ヶ月かかってしまった。 前半は、衆愚化に関する考察が長く、やや退屈であったが、社会や国家に関するくだりを読んで、著者が伝えたいことが、ようやく納得出来た。 国家とは共通の未来を共有するもの、というフレーズが特に印象に残った。
どうも、この本は「大衆」の存在や生き方を批判した本ではないように感じた。 大衆をキーワードにヨーロッパの歴史の紐解きや社会の在り方を説いた書であるように感じた。 そうだ、社会や歴史に関する本なのだ。この本は。
熱狂を疑え。炎上をして、すぐに忘れるということが起こりがち。 カーニバル的熱狂は超民主主義となり、保守ではない。
この岩波文庫版は、プロローグ及びエピローグが併せ訳されており、著者オルテガが、いかなる時代状況の下で本書を著したかを窺わせるものであり、著者の思想を考える上でも大変参考になる。 また、ご遺族が書かれた「訳者あとがきにかえて」は、訳者の人生を垣間見せてもらったが、母国語以外の著作に翻訳を通して触れる一...続きを読む般読者の胸を、強く打つものである。
大衆社会論の名著。デモクラシーとテクノロジーの興隆によって誕生した大衆社会は、歴史を顧みず、自己満足した空虚な人々が前面に出てくる社会だ。 大衆とは階級のことではなく、いわば精神の持ちよう。専門家であっても、総合知へ向かわず、対話しないタコツボ知識人であれば、大衆と同じだ。大衆とはいわば甘やかされ...続きを読むた子供、「満足しきったお坊ちゃん」である。 そんな大衆が支配する社会はかつてなく野蛮なものだ。発刊から1世紀たってもなお、その指摘は重要だ。特に現代、「1億総発信」の時代だからこそ、大衆への警戒は必要だ。
1930年にスペインで出版された、当時の政治・社会に占める「大衆」に対する批判本。正直読みにくいし、あまり頭に入って来ない箇所も多いが、本書が単なる大衆批判の裏返しとしてエリートを賛美している訳ではないことが、分かった。むしろ、著者は専門家に無責任という大衆的な要素が蔓延っていることに批判的である。...続きを読むまた、進歩史観に否定的な点もポピュリズムによる民主主義の後退が懸念される今日においては示唆的である。
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大衆の反逆
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オルテガ・イ・ガセット
佐々木孝
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