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物語は、著者自身の分身とおぼしき小説家・古田信次が、郷里・岐阜に住む詩人・篠田賢作に、自分の年譜の作成を頼むことから始まる。二人の会話を主軸に、美濃に関係の深い人物たちが、複雑に絡み合い、蜿蜒と繰り広げる人間模様。愛する故郷の自然、風土、方言、歴史を取り込み、ルーツを探りながら、客観的に「私」を見つめる。伝統的な小説作法、小説形式を廃した、独特の饒舌体による、新機軸の長篇小説。虚構が生み出す新しい現実、自由奔放に展開する物語。
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Posted by ブクログ
何を俺は読ませられてるんだ。。とこの作品を客観視した時に来る笑いが本作の肝なのかもしれない。 読みにくい上、不親切な書かれ方で通読にエネルギー要するが、本当は☆5を付けたい面白さ。
当事者以外にとってはまったくどうでもいい話をエッセイ風に語ってゆくのだが、途中から「私」を含めた登場人物が分裂・増殖していって、虚構と現実がごっちゃになり、ごっちゃなまま「ストーリー」(と言っていいのかもわからない何ものか)が地滑り状に展開されてゆく。後半には事件めいたことも次々起こって、「私」が完...続きを読む全にどっかへいってしまうのだが、最後何事もなかったかのように戻ってくる。ヌーヴォー・ロマンなんかめじゃない。例によって、保坂和志の解説が著者の魅力を倍加させる。
小説ともエッセイともつかない話である。朝日新聞の文学の旅人の岐阜で紹介されていた。 岐阜をよく知らない学生(たぶんほとんどであろう)にとってはまったくわからないものであろう。岐阜出身の学生であればわかるであろうが半世紀前、たとえば明治生まれならば江戸のことなので、わからないかもしれない。 旅行の...続きを読むお供として岐阜に持っていくにはあまり役立たない本かもしれない。
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