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妻の情事をきっかけに、家庭の崩壊は始まった。たて直しを計る健気な夫は、なす術もなく悲喜劇を繰り返し、次第に自己を喪失する。不気味に音もなく解けて行く家庭の絆。現実に潜む危うさの暗示。時代を超え現代に迫る問題作、「抱擁家族」とは何か。<谷崎潤一郎賞受賞作品>
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Posted by ブクログ
『アメリカンスクール』の煮詰まった文体から力が抜け、以降小島信夫の作品を彩るのはのらりくらりと抽象的でどこか滑稽な語り口。 転換点とも言える本作の、シリアスな内容なのに笑えてしまうギャップが最高に面白い。
興味を持つきっかけは、福田の採点本。その後もあちこちで賞賛のコメントを見かけ、これは是非読んどかないと、ってことで。『仮往生~』のことがあったから、読むまではちょっと不安だったけど、こちらは良かったです。家父長たる威厳を示したいけど、だんだんそういう風潮でもなくなってきている父親の葛藤とか、一歩下が...続きを読むって支えたい願望もありながら、米人の乱入とか自身の闘病とかでそれどころじゃなくなった母親とか。あくまで会話分を中心に、そこから色んな情景が浮かび上がってきて、読み心地も良好。なかなかに素敵な読書体験でした。
主人公がほとんどわけのわからぬ周囲の言説に振り回され、さらに自身の言動に対してすら実感が薄くなる、この愉快な狂気が実に優れている。
「キャラ(=類型)」がない小説、つまり徹底的に「他者」しかいない小説。この小説での「他者」とは、言葉が通じない、何をやっても通じ合えない、付き合ってると「あんなことが起こったり、こんなことが起こったりするう!」めんどくさい人のことであり、そいつとの間では予定調和な会話やセックスなどない、例えば、妻で...続きを読むあり、子供であり、アメリカ人であり、時には自分自身でもある人のことである。キャラ萌えする小説なんか糞喰らえ、こういう小説がもっと読みたい、そう思わせる傑作。
執筆された1965年周辺において、エポックメイキングになった作品。 大沢真幸氏の本に紹介されていたので読んでみました。 戦後、日本人家庭にやってきたアメリカ人と一夜をともにしてしまう妻。そこから、家族の崩壊が徐々に進んで行き、結局は全てが崩壊の道筋を辿ってしまっていっているような印象でした。 ...続きを読む 様々な媒体で採り上げられている本書なので、当然ながら「戦後日本とアメリカ」という視点からの通読でした。 非常に解釈が難しい内容だとは思うのですが、日本人としてのアイデンティティの危機、そしてアメリカという存在の大きさ・強さ。作中において、登場する日本人の誰よりも、アメリカ人ジョージが最も「優位」になっているように感じてしまうのは、僕だけではないと思います。 著者があとがきでも書いているように、書かれた当時と今では、当然解釈も違うし、今読めば今に生きる意味がある。 この本は、当時の「日本」と「アメリカ」の関係を、そのまま恐ろしいまでに擬人化したものなのではないでしょうか。この作品を通して、当時の日本とアメリカの関係が、とても明解に見えてくるような気がします。 日本人としてのアイデンティティを考える上では、欠かせない一冊になるのではないでしょうか。 「“あいつ”は日本人の身体を軽蔑したのではないか。情のうすい時子の身体に失望し、馬鹿を見たと思ったのではないか」(p137)
家族に異文化が介入し 妻が病気になり崩壊していく家族の姿。日本とアメリカというものの比較を取り入れながら、酷なお話のようでいて、その会話術のすごさはもう、すごいすごい、と。夫婦の会話のやり取りがちぐはぐで 小笑いの連続。そして感動も。
最近亡くなりました、小島信夫です。じりじりと迫ってくる力強さが大好きです。家を通して、日本の家族が変わっていく様が面白い。
すごい小説でした。。。小島信夫はすごい。。。なんとなく、途中から何かが破綻している(精神か、あるいはストーリー自体か)ような感じがするのだけど、小説自体は破綻のその先を行っている。こんな小説、これまで読んだことない。。。(06/6/15)
せっかく建てた自宅のつくりを他人にアレコレといちゃもんつけられる気持ちは想像しただけでブルーでアングリーだった。すごい作品だと思うし、『小説』という形で一歩降りてきてくれた作者に感謝!!!
面白いことは間違いないのだが、その面白さが一体どこからくるものなのか、今ひとつ上手く言葉にできない類の小説だった。 ただ一つ言えるのは、主人公である三輪俊介の内省がめちゃくちゃリアルに感じたいうこと。 そのリアルさというのは、だれもが思っていても敢えて言葉にしないような、でも意識するかしないかのギリ...続きを読むギリのところで確実に思っていて、それが明文化されたときに、思っていたことに初めて気がついたように感じるような、そんなリアルさである。
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