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太平洋戦争末期、理想に燃える軍国少年・柿見。激動の時代に翻弄される少年の行く末は……。社会の価値観・思想が目まぐるしく変化する中で生きた少年の青春と葛藤を描く、城山三郎の最重要作品。
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Posted by ブクログ
天皇の権威を自身の拠り所にしようとする情けない人々のなんと多いことか。理性的に考えれば国体だの大義だの、もっともらしいことを言っても空虚なだけなんだが。 つづく
「人間は幸せを求めて生きるという単純なことを教師も親も誰も教えてくれなかった」時代を恨み、敗戦により一夜で価値観が逆転した社会に戸惑いながら天皇制を問う。その答えを求めてもがき苦しむ主人公=筆者の分身=の姿が痛い。軍隊での体験を「書き留めることで(戦争に)復讐をしたい」という筆者の思いがとても強く伝...続きを読むわってくる作品。語り部として最後の世代といえる氏の“証言”には重みがあります。もう一編は多くの少年兵が命を落とした住吉丸の悲劇を描いたもので、こちらも胸締め付けられる話です。
世界の価値観の変化について行けないほど、自身の価値基準が出来上がってしまった場合、ヒトはどう生きるんだろう。頭では変わらないとと分かってても心がそれを拒む。それほど戦争というのは強烈な存在ということだ。
今こそ読むべき。城山三郎は志願して海軍に入ったが、結局戦争を煽る世間の雰囲気に踊らされたのだ、ということ。その理不尽さ、暴力、そして戦後の人々の変節ぶり。ぼんやりしてると追体験させられることになるよ!
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