ロシア正教の千年

ロシア正教の千年

1,210円 (税込)

6pt

5.0

時に激しく弾圧され、また、時にロシア愛国主義を鼓吹し、人々の精神的支柱となってきたロシア正教の1000年の歴史を、政治と社会の流れの中でとらえた労作の文庫化。
西暦988年、キエフを中心にロシアの国家的統一を果たしたウラジーミル1世は、ビザンチン帝国に範を求めて東方キリスト教(ギリシア正教)を国教に採用した。以来、ロシアはビザンチン文明圏に属し、モスクワは「第三のローマ」としての存在感を高める一方、西欧文明の恩恵から隔絶されることになった。同じキリスト教を共有しながら、ローマ法、ルネッサンス、宗教改革を経験せずに近代への向かうのである。
ロシア革命による「無神論体制」の誕生と、ソヴィエト政権の熾烈な迫害は、宗教者たちを厳しく追い詰めたが、それゆえにこそ、ナチス・ドイツとの大祖国戦争では、スターリンに協力しソヴィエト愛国主義の先頭に立つが、戦後はふたたびフルシチョフの弾圧を受ける。ゴルバチョフ政権下でようやく「宗教ルネッサンス」を迎えるが、ソヴィエト体制の崩壊は、正教会にも深刻な分裂の危機をもたらしたのだった。
文庫化にあたり、「プーチン政権下の正教会」を大幅に加筆。
〔原本:『ロシア正教の千年――聖と俗のはざまで』日本放送出版協会刊、1993年〕

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ロシア正教の千年 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    非常に興味深かった。
    ある程度ロシア史(特に近現代)を把握してないと「なんのこっちゃ」ってなりそうな本だけど、現代において政治の影響を受けた宗教として、最たる例となる話だと思う。
    宗教はなんのためにあるのか、という部分も考えさせられるし、同時に、どれだけ血が流れることになっても・あるいはそういう状況

    0
    2023年10月30日

    Posted by ブクログ

    ロシア(ルーシ)の求心力として千年に渡って存続してきたロシア正教だが、タタールのくびき、無神論者のくびきから解放された今でも万々歳というわけではないようである。特に、ソビエト時代には国内的には弾圧されていたモノの、国際的には優遇されていた側面もアリ、また、民族教会でありながら、帝国主義的な側面をも伴

    0
    2020年12月02日

    Posted by ブクログ

    本書は1990年代初めに登場した一冊を基礎に、一部に手を入れ、1990年代以降の近年の話題を述べる追記的内容を加えているという内容だ。
    多くの方が「共産党政権は宗教を否定」というようなことを思い浮かべるかもしれない。かのソ連では、<ロシア正教>は「余り大きく前面に出るのでもなく、静かに受継がれていた

    0
    2020年08月26日

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