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失踪した夫の日記には、「真鶴」とあった 夫は10年以上前、日記に「真鶴」と記して失踪した。京は娘、母と3人暮らしをしながら、恋人と付き合い、真鶴と東京の間を往還する
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Posted by ブクログ
心の中の葛藤が正直過ぎて切なくなる がんばったね 辛かったね 時間が 大切なものの存在が 現実に導いてくれたね 執着しない事が「トレンド」な昨今 それに反した執着ありきの とてもシンプルで普遍的な「愛」のお話しでした こんなふうに さらけ出した文学はとても好物です 幽霊の解説もとても良かった
読書開始日:3月22日 読書終了日:4月2日 所感 書き終えた所感が消えてフレッシュさを失ったかもしれないが、再度書く。 仕事で忙しかったこともあるがとにかく読み進めるのが難しかった。 理解できない、わからない、掴みどころがない、この感覚のまま進み始めた。 後半部になって、自分も少し感じたことがある...続きを読むような感じになり、終わりを迎えた。 真鶴から東京へ、現実に戻る感じを少し味わえた。 解説を読んで、要約理解をすることができた。 自分にも、みんなにもそれぞれ幽霊がいる。そしてその距離感覚は人それぞれ。 自分と幽霊の距離を感じる時に、次第に太陽が遠くなり、陰影が大きくなり、やがてモノクロになる。 京は春夏秋冬を通じて、距離を戻した。 そして太陽が近づき、最後には世界が煌びやかになった。 京が言ってくれた。 時間が解決する。 ほのぐらいみちを歩いていても時期に馴染み、距離が次第に近づき、太陽をとりもどす。 そして、世界が煌びやかになる。 またやがて、ほのぐらくなろうと、時間が解決する。 解説の受け売りに自分の想いも少しのせて所感を書いた。 書いているうちに、感動が溢れて鳥肌がたった。 ようやくここですごい作品だと思えた。 距離がなくなったことを体験できた。
ものごとの境界がよく曖昧になる川上ワールドだが、この作品の前半では家族の境界が曖昧になる様が描かれる。生ぬるい粘液に包まれるような、疎ましくも逃れ難い絆。母から娘への生物的な、そして生活的な愛着…礼は逃げ出したかったのだろうか?父親として疎外感を感じていたのだろうか。 出産~子育て、旅行の描写等は実...続きを読む体験に基づいて書かれていると思われるシーンがいくつもあった。 真鶴で死の観念世界へ近づいたり離れたりを繰り返し、京は礼の喪失に折り合いをつけるための旅をする。ついてくる「女」は京の意識の一部だ。死に惹かれているように見えながら、京は気持ちに区切りをつけて生きるために、あえてあちら側へ近づいていたと言える。娘の存在が京をこちら側につなぎ留める。往きて還りし後は、いないもの、去りゆくもの、いつか離れていくものを受け止められるようになった京がいるのだった。 それにしてもこの作品に出てくる男達はふわふわしている。「女」よりも実体がないな。ただ離れて行く時だけ京を強い意思で刺すのだ。
わたしには、強烈な本でした。京は、失踪した夫、礼をずっと追い求めています。いつまで引きずっているの、気持ちはわかるけどいい加減・・と言いたくなる。 歩いていると、ついてくるものがあった。これはついてくるものとのお話。京の心の葛藤、立ち直るまでの心模様。 きっと、真鶴は女との修羅場だった場所でしょう。...続きを読む 空想の中では、逆上して刺したり、首を絞めたりしている。この現実かわからない、とりとめもなく入り混じった表現が好きすぎて。 「ついていかなきゃならないの?声に出して聞いてみたが、音にならなかった。それで、女との会話が、実際の声ではなく、からだの内側でおこなわれているのだと知った。」京がこたえを言っている。 そんななか、実母と娘のやりとりは現実味があって、わかる部分が多かった(この場面では現実にもどる感じ)。 わたしの頭の中では、礼は、清原翔さんで、京は川上弘美さんが浮かんだ。
歩いていると、ついてくるものがあった。から始まるこの小説は、「ついてくるもの」を書いた小説です。 「ついてくるもの」は主人公の分身のようでもあり、幽霊のようでもあり、突然いなくなった夫の不倫相手を感じさせるようなものでもありますが、そのどれでもないようなところもあり、結局のところなんだったのかと言わ...続きを読むれると、一言で言えるようには書いてありません。 時間、場所、人がシームレスに移り変わり、「ついてくるもの」も揺れ動く。「ついてくるもの」は映像化されたら一気に陳腐になってしまう。 この小説を読むことでしかリアリティを感じられないことが書かれています、そこが面白いところです。
とても好きな空気の作品です。 ずっと、膜がかかっているような隔たりがあるのですが、でもどこか体の芯に染み渡ってくるような、不思議な感触。 夫の礼が失踪して、母親と娘の百と暮らす京。度々訪れる真鶴での、彼岸のような時間。ひりひりしたものどろどろとしたものも描かれるのですが、全ては京から離れていきます。...続きを読む 生きるとは、こういうことなのかもな、と思います。出会って、離れて、でもまたきっと出会う。 あらすじではなんとも…なのですが、読むと、これも好き!と思うのが川上弘美さんの作品です。 川上弘美さんの文章は一番ぴたっとはまります。温度がちょうどいいのかな。温度が低く、じわじわと満ちてきます。 真鶴、行ってみたいです。
「女」が溢れてる作品。女性は「海」そのものだ。流されていく「女」の宿命を背負った主人公が「男」を追って海辺の街「真鶴」に通うようになる。「男」は男性でありながら、海と同化し、曖昧模糊な「何か」として描かれている。鋳型に嵌められた性、そして生をも悠々と超えてくる作品。女/男 生/死 といった二項対立...続きを読むで語ることへの限界を感じた。 「からだの方が、きもちよりも、区別しがたい。」『真鶴』本文より 「文学は幽霊のことを扱うはずのものだったんじゃないか、と呟いたのが、村上春樹。そんなのあたりまえじゃん、と応じたのが、川上弘美。これが現代文学の転換と洗練の内実だ。」 『真鶴』解説(三浦雅士)より
読み始めて、あれ…これは苦手なタイプの作品かも… と、時間をかけて読むことになってしまった。 しかし、後半からは、一気に引き込まれた。 それまで皮膜のむこうの世界を、ぼんやり 眺めているような読書時間だったのが、 皮膜をやぶり、一気に核心に迫るような。 誰かを想うこと、失いそうになること、 失っ...続きを読むてしまうこと、失ったあとに焦がれること。 すべてが、ちりちりと胸を焦がすように その熱が痛いほど伝わるような気がした。 歳を重ねること、時間がゆっくりと積もってゆくこと。 そうして、やさしい風がふくような 読後感。 読み切って、よかった。
最初から最後までこの空気がたもたれていることが、まずはとんでもない。それぞれの存在と、それからその不在とが、遠近とか濃淡でしかないような、あいまいさがすごい。そうした物語の世界は幻のようだけれど、実際にぼくたちのいだいている認識というものを突き詰めていくとそれはすごくあやふやなもので、そういうなかで...続きを読む明瞭に立ち現われる死という事実は、それが行政的なものに過ぎないからこそ、明瞭であるように思われるのかもしれない。
夢と現実と過去と妄想を頻回に行き来しているのと、主人公の話し方が独特なので、やや読みにくいかもしれません。が、途中からは主人公と青磁の関係や、礼のゆくえ、「女」の正体に惹かれて何だかんだ最後まで読めました。好みの分かれる作品だと思いますし、中だるみするところが何ヶ所かあります。 タイトルにもあるけど...続きを読むなぜ「真鶴」なのか?今夏にこの作品とともに真鶴へ訪れたのですが、何となく理解できました。例えば熱海だったら賑やかで適さないだろうなーって
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