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江戸川乱歩が戦時統制下に筆を折っていたように、ミステリーは自由で民主的な社会でしか発展できない。探偵小説が一般に普及したのも大正デモクラシーの風潮と無縁ではなく、そんな新しい時代に書かれたプロレタリア文学運動の理論家・平林初之輔と、農民文学の旗手・佐左木俊郎のミステリーは、長い時を経ても決して色褪せることのない輝きを放っている!
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Posted by ブクログ
・指と指輪 高価な宝石を持つ男は、その宝石に相応しい女の指を求め、ひたすら街を彷徨っていた。 電車やカフェーなど、美しい指を探し求める猟犬の様な男。しかし、なかなか美しい指に出会うことができない。 指に固執するフェティシズム一点突破の掌編。最後の返しも取ってつけた様な薄味の探偵趣味だが、身体パーツへ...続きを読むのフェチは谷崎潤一郎の系譜でもあり、モダニズム文学の流行と作者の接近が窺える。
プロ文畑出身の平林と農民文学の佐左木とが組み合わされた1冊。 どちらも、そちらの思想系が香る作品かと思いきや、佐左木は「文學時代」にも関わっていたらしく(新興芸術派が活躍してた雑誌)、今回収録された『指と指輪』などはとてもモダンな作品でびっくり。(新潮社で編集やってた事もあり、探偵小説界隈の歴史を調...続きを読むべてくと編集者としても名前がちょくちょく出てきますね、佐左木俊郎は)平林も社会派作品といった雰囲気で、登場人物が皆、理知的に動くのが面白い。 二人とも、昭和一桁年代のモダニズム文学っぽくて面白かった。
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平林初之輔 佐左木俊郎~ミステリー・レガシー~
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山前譲
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