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20年間、家族の待つ家に(ほとんど)帰らなかった著者は、二人の息子たちに宛てたエッセイを密かに書きためていた。誕生、入学、友達、挫折、就職……息子の人生の節目節目に著者はどんな心配をしたのか? どんな本を本当は勧めたかったのか? そして息子はどのように育ったのか? 父と子と家族をめぐる珠玉のエッセイ集
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Posted by ブクログ
読んでいて泣きそうになる。そうそう、と思うこと沢山あるし、その圧倒的な読書量には頭が下がる。いっぱい読みたい。 もっともっと沢山本の紹介してほしかった。 ありがとうございます。
北上次郎さんの息子さん達との交流を描いた一冊ではあるのですが、そこは北上さん。随所にたとえば…といろんな本の内容が紹介される。ポケットから飴玉を出すが如く湧き出る本。そしてここでは書かない・それはとばしてなどなどほとんど内容を紹介していないのに何故かその本を読みたくなってしまう。恐るべし。
北上次郎が旅立ってすぐ神保町の本屋さんでコーナーが出来ていて、そこで見つけた本です。逝去のニュースと「黒と誠」を読み始めたのが同時くらい…「本の雑誌」を読まなくなってから著者の文章に触れることはずっとなかったけど、縁あってページを開きました。圧倒的な読書量から来る知識をネタバレせずに上手に伝え読みた...続きを読むくさせる文章、天才的。ずっと忘れていたけどすごい!さすが本を読む時間が無くなると言って会社辞めた男!「本の雑誌」を作っている名前としては目黒孝二、ミステリー評論家、文芸評論家としては北上二郎、競馬エッセイストとしては藤代三郎、三つの名前で文章書きまくっているので、いつ本読んでいるのだろう…という生活なのですが本書はさらに家庭人として、二人の息子を見つめるフィルターがかかっているのです。週末の日曜日の競馬の後から月曜の朝までの「お父さん」で、よく家庭キープ出来たとそれも驚異ですが、でも息子たちに向ける気持ちを軸に小説の登場人物の物語を重ね合わせてくるという離れ業。それぞれ短い文章ですが、息子たちの成長におろおろしながら、過去の自分の親や兄弟の気持ちも思い図るという優しさに溢れた本でした。「黒と誠」に登場する目黒孝二のマニアック&エキセントリックの内側にある「愛」の本でもあります。ってことは「黒と誠」は「愛と誠」?マジで北上二郎の愛の目線でちょっと紹介される小説、どれも読みたくなります。さらにこの「息子たちよ」への返信として本の雑誌別冊の「本の雑誌の目黒孝二・北上二郎・藤代三郎」という追悼号に乗っている長男の「父よ」、次男の「帰ってこない、お父さん」も併せて読むとさらに温かい気持ちになれます。
始めはブックガイド寄りのエッセイとして読んでいたけれど、中盤からは北上さんは今はもういないんだということを感じながら読むことが多く、息子さんたちに思いを馳せて泣いていた。合掌。
急逝した目黒さんを偲んで、手にとった一冊。考えてみたら、北上次郎名義の文章はたくさん(まったくたくさん)目にしてきたけれど、単著のものはあまり読んでいなかったような気がする。今は大人になった息子さんたちを思いながら、家族を切り口にした小説評を綴った本書。しみじみと良かった。小説を読むというのは、単に...続きを読むプロットを追うことではなくて、細部に現れる人の姿を味わうことなのだと、あらためて教えてくれる。目黒さんは、そういう読み方をずっと身を持って示してくれた。深くこうべを垂れて感謝します。 本書には、目黒さんの息子さんたちへの思いがあふれていて、それが読みどころだ。同じく成人した子どもを持つ身としては、うんうんそうだよねと共感する箇所満載。特に心に残ったくだりをいくつか。 「子が親を必要としているときは、親もまた子を必要としているのである。」 まったくそうだ。けっして一方的に庇護してるんじゃないよね。そのうち「もういらない」と言われるんだけど、親の方はなかなか気持ちが切り替わらなくて、それを思い知るのだった。 「あれが最後だったのだ、と突然気がつくのである。」 確かに、「初めて」のことはそうわかるけれど、「最後」はしばらくたってからしか気がつかないことも多い。家族で遊びに行ったのは、手をつないでやったのは、いつが最後だったのだろう。 「まだ子が幼くて、両親ともに若く、みんなが幸せだった至福の団欒は、哀しいことに一時のものだったのである。」「子が大きくなれば家を出ていくのは当たり前で、そうして団欒は失われていく。家族はけっして永遠ではない。しかし、一瞬だけのものであるから愛しいのだ。」 このことは、目黒さんの盟友シーナ隊長もよく書いているが、こういう言葉にどれだけ慰められてきたことか。こどもが自分のもとを離れていくのは寂しい、でも、それは当然のことで、ちゃんと育った証なのだ、家族の記憶は失われないのだと、いつも自分に言い聞かせている。 (息子さん二人が天真爛漫に笑っている写真を見つけて)「この二枚の写真を見ていたら、なんだか哀しくなってきた。おそらく息子らは、幼いときにカメラに向かって笑ったことを忘れているに違いない。」「哀しい気分になるのは、大人になるとそう簡単には笑顔を見せなくなるからだ。今は成長した息子たちも、幼いときのように笑ってばかりはいられない。」「息子たちも、あの笑顔をどこかで持ち続けている。幼年期の至福が必ずどこかに残っている。いや、親としてはそう信じたい、という話にすぎないのかもしれないが。」 ええ、そう信じたいですとも。 (下の息子さんが就職した時に)「君がめざした業界ではないかもしれないが、しかし与えられた場で頑張ればいい。自分の気に入った服を探すのもいいけれど、いま着ている服を好きになること、そして自由に着こなすことも大切なのではないか。父はそう考えているのである。」 とてもいい言葉だ。「自由に着こなす」が特に。しかし、これを目黒さんが言うところになんとも言えない味わいがある。「どこにもない服」を作っちゃった人だから。 (重松清「ポニーテール」について)「このフミとアキも、その日々の中で見せた笑顔をやがては失っていく。しかし二人のお父さんとお母さんはけっしてその笑顔を忘れない。それが彼らの生きる力でもあるからだ。それに、その笑顔を失ったことを悲しむことはない。幼子の笑顔がまぶしいのは、それが本質的に永遠ではないからだ。うたかたのように消えてしまうものだからだ。彼らの笑顔はそういう一過性のものにほかならない。だからこそ胸が痛くなるように切なく、愛しいのである。」 人のすることはすべて儚いけれど、子どもにはそれが凝縮されているのかもしれない。
6年以上前の連載だから、どうしても選択されている本が懐かしめ。ただ、それを補ってあまりあるような、北上次郎の父親としての思い。共感を得られやすい、普通の親父感。
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