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撃墜されるも東南アジアの聖木に救われた兵士、四世代に亘り栗の木を撮影し続けた一族の末裔、感電死から甦った女子大生……アメリカ最後の手つかずの森に聳える巨木に「召命」された彼らの使命とは。南北戦争前のニューヨークから20世紀後半のアメリカ西海岸の「森林戦争」までを描き切る、今年度ピュリッツァー賞受賞作。
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Posted by ブクログ
『子供、女性、奴隷、先住民、病人、狂人、障碍者。驚いたことにそのすべてが、この数世紀の間に、法律上の人格を持つ存在に変わった。それならば、樹木や鷲、山や川が、自分たちに果てしない危害を加えて窃盗を働いた人間相手に訴訟を起こしてなならない理由があるだろうか?ー 話すことができないので当事者適格性が認め...続きを読むられないというのは理由になっていない。法人も国家も口をきくことができない。弁護士がその代弁をするのである』 昨秋に、隣地の裏山に自生したオニグルミを幹の半分まで切ってもらった。我が家の雨樋が落ち葉で詰まるから。 僕が家を建てる前から生きてきた木の生存権を侵害し、無用な苦しみを与えていると告発されたとき、僕はどうすべきか。 所有権なぞ、地球と生命の歴史が鼻で笑う。 植物同士のコミニュケーション能力。共生する微生物と作り上げた地下のネットワーク。化学物質の交換によって森の全ての木々が交信していること。成熟した木を皆伐することの愚かさ。植林では生態系を救えないこと。 本書は、植物や森に関する様々な不思議を教えてくれる。そして、企業保有の森林伐採を止めるための抵抗活動である樹上占拠と、その挫折についても。 エコロジーと自然破壊を題材としても、描かれるのは木に魅入られた人々の生き方や苦悩だ。入れ替わり語られる群像劇と心理模様、彼らの系譜にまつわるストーリーにグイグイと引っ張っられる。 繰り返し問われるテーマのひとつが、心理学用語である傍観者効果だ。“なぜ人は目の前の明白な緊急事態に対して行動を取ることができないのか“。 その問いのもう一つの側面は、“なぜある人々は行動を起こせるのか”。 樹齢数千年の木の命は、人間一人のよりも重いという大義も一つの答え。 壊れゆく世界を救うためには、種としての人類が滅ぶしかないという絶望と自死もまた答え。 救いたいのは見知らぬ誰かではなく、隣で手を繋ぎ戦っている仲間だというのも、きっと答えなのだろう。 ラストのメッセージは、“STILL ”-まだ、いまだに、更に -諦める訳にはいかない。
リチャード・パワーズが紡ぐ物語の力に泣いた。 特に終章が本当に素晴らしく、本を読んで世界が変わると言う言葉は本当だったんだと思った。 人と人の道が交わり、また新しい道ができる。 そこで交差する人達の想いは読み手にも作用する。 地球のために、森林のために、私にできることは何か考えながら生きていきたい。...続きを読む この本は未来へ繋ぐ架け橋。
大傑作。あまりにおもしろくて半日で一気読みした。ちょっと動揺するくらいにso movedで、とりあえず今年のマイベストは決定した。極めて美しい無限の姿。
すごい本だった。 第一に、アメリカで天然林の伐採運動が、どのように盛り上がっていったのか、何人かの人の個人史の集合として読むことができる。 第二に、樹木の集合体としての森林に、別の次元の特性が備わっていることを、科学的知見も援用しながら示したこと。 第三に、それに関わる人間のあり方を示したこと。 と...続きを読むにかくパワフルでびっくりした。
切ない物語でした。適した大気があるから、我々は普通に生活できている。その大気を作ってくれている樹木。その樹木を伐採する人間。その伐採を食い止める人。レイの発した「正当防衛」がしっくりきた。不条理な世の中だなぁとつくづく思う。メルロポンティを思い出した。
人との出会い・人生は無数に枝分かれし、絡み合い、時に根幹に帰る様はまるで木のよう。 読み終えた後、木を見上げその樹皮に触れて名前を尋ねてしまったけど、伝わっただろうか。
昔、吉祥寺に知久寿焼のライブを観に行ったことがある。彼はMCで、吉祥寺の街中にあるとても古い木について話していた。その木は不思議なことに、つららのようにいくつもの「こぶ」が太い枝から下に向かって伸びているのだという。自分はその木を幼い頃から当然のように認知していたが、そんな形状が目に入ったことは一度...続きを読むもなかった。ライブのあと、何気なくその木の前を通って例の「こぶ」を目にした時、身近な世界のなかには不可視の領域が含まれているのだと知り、愕然としたことを憶えている。 この本に充満しているのは、そうした視えないものたちのむせかえるような気配だ。そしてパワーズ特有の、途方もなさから詩の様相を帯び始める事実たち。読後には新たな耳目が与えられ、確実にいつもの風景が変容してみえるはず。隅々まで本当に面白いが、特に最初の『根』の章が短編集としても素晴らしい。傑作。
淡々と積み重なった冷静な言葉が描く、ゾクゾクするくらい緻密で壮大な営みに、ひたすら心を震わされる快感。こんな本にあと何回出逢えるんだろう。
樹木と何らかの関わりを持ち、樹木をそれぞれのやり方で大事に思うようになる人々個別の物語が最初にある。短編集のようになっている。 中盤以降は、彼らの物語が一つに絡み合い大きな流れとなっていく。 木自体ですでに多くの生態系を抱える環境になっており、地球規模の視点で環境を見ても木は重要な役割を果たしてい...続きを読むる。極端に言ってしまえば人間は邪魔者でしかないが、さすがにそこまで言わずとも、そのことを認識しながらもっと謙虚な生き方を人間はすべきだろうと考える。 木になったつもりで、木の視点で世界を見てみる。千年生きる木の時間からすれば、その周りを動き回る人間など、人間の周りで目にも留まらぬ速さで動き回る小虫のようなものだろう。 長すぎるのと、時々出てくる詩的な表現によって文意を解釈しにくくなってしまうのがやや欠点。
読みごたえあった。7月から約半年かかって読んだ。総じて言えば木と人間の話。壮大。壮大すぎて理解不能な文章が並ぶ。聖書のよう。よくもまぁこんなに脈略があるのかないのかわからない文章をツラツラ書けるな。しかし脈略がないようであるのが木で、あるようでないのが人間、なのかもしれない。
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