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人が求めるサービスがあれば、そこには必ずプロフェッショナルがいる。ロールスロイスを売りさばく辣腕営業マンから、接客の真髄をみせる伝説のゲイバーのママ、そして、あのオードリー・ヘップバーンをも虜にした靴磨きまで、技を極めた達人たち。名もなき“職人”である彼らの姿を追いながら、本物のサービスとは何か、サービスの極意とは何か、に迫った九つのノンフィクション。(解説・酒井順子)
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Posted by ブクログ
おもてなし系の仕事のテクニック的な紹介かと思ったら、あまり見聞きすることのできない職種における伝説のプロフェッショナルとも言える人々の回顧録的なもの。いまだ現役の方もいるが、引退された方も含め昭和の時代からの生き方、働き方は刺激的。
形としては残らないが、人の心に残るサービスの職人たち9人の物語。 ふらりと販売店に入って来、場違いな雰囲気の20代前半の若者にも 「客」として接するロールスロイスの営業員。今はほぼ絶滅したと言って もいい大型キャバレーのナンバーワン・ホステス。東京大空襲で焼け野 原となった東京で、阪神淡路大震災の...続きを読む被災地で、必死に電報を届けよう とする配達人たち。 物作りでこそないが、彼等・彼女等には「職人」の心が生きている。 本書で取り上げられている東京都千代田区神田の天ぷら屋の2代目の エピソードがいい。 父の店に弟子入りした2代目は婚約を期に、父から鍋前の花台を受け 継ぐ。ある日、昼食の天ぷら定食を食べいた常連客が血行を変えて 突進して来た。 「今日のかき揚げ、誰が揚げたんだ」 自分であると、2代目は蚊の鳴くような声で答える。すると常連客は 泣き出した。 「そうか、よかった。もう大丈夫だ。ずいぶん長い間、まずい天ぷらを 食わされたけど、やっと一人前になった」 客が店を育てた時代があったんだねぇ。ぐっと来るものがあったぞ。 気持ちが温かくなる1冊である。
今や幻の職業となった三助、ゲイバーのママ、名ブレンダーなどなど己の人生を懸けて職務をまっとうするプロフェッショナルたちの生き様、哲学を描いたノンフィクション。 ハウツー本ではないので、そのまま参考に出来る部分ばかりでないが、カッコイイ大人の生き方ってなんだろうと考えさせられる本。特にオードリー・ヘッ...続きを読むプバーンを虜にしたシューシャインの神さま、靴磨きの源ちゃんの生き方にとても感銘を受けた。
特別な人ではなく、その仕事を地道にやって活躍した人が描かれている。 これまでなじみがなかった職業に興味が持て、またそこで活躍する人の気持ちや思いに涙してしまった。 廃れてしまった仕事も取り上げられており、庶民の暮らしぶりも窺える1冊。
職人や作家、芸術家などは歴史に名を残すが、サービス業におけるプロフェッショナルは中々に少ない。 しかし、人間が存在する限り、サービスの職人とも呼べる達人たちが存在する。 そんな斯界に名を馳せる九人の達人たちのノンフィクション。 明治や大正期から続く生業もあれば、時代の隆盛と共に消えたものも...続きを読むある。 2023年現在では、多くの仕事がAIに取って代わられている。また、かつては安い労働力をアジア諸国に求めていたが、今では日本の労働力が安くなり買われてる状態。 本作に登場する達人たちは替えが効かない存在だ。 それでも、どこか殿上人ではなく、彼らの存在が庶民の延長に感じられるのは人との繋がりを持つサービス業ゆえなのだろうか。
読む前に想像していたよりいい本だった。いわゆるビジネス系の安手の自己啓発本みたいなものかなと思っていたんだけど、各人の生い立ちなども紹介しながらその人ならではのサービスのありようを紹介している。 いってみれば、彼らは(……そう、彼らはであって彼女にあたる人は本書にはいない。おかまはいるけど)その道一...続きを読む筋の人たちであり、そういうのってけっこう男性的な感じがする。なぜなら、男はいろんなことをいっぺんにやるのがあまり得意でなく、一つことを突き詰めていくほうが向いている気がするから。 彼らにしてみれば功名心とかスキルとかいう意識でやっているのでなく、ただただやっている……というかそういうふうにしか生きられないのではないかしらん。だから効率的なスキルを紹介するばかりの安手な自己啓発本とは一線を画しているのかと。
この手の本にしては説教くさくなくて、おもしろかった・・・のですが、あとがきがなんかイマイチだったので、星3つで。
サービス業の人達の、どれだけ自分の仕事に 誇りを持っているか、が分かる内容。 ここまで仕事に打ち込めるか、と言われたら どうなのだろうか、と自問自答します。 すべて、自分の仕事に打ち込んで、何かに気づいて 貪欲に前に進んでいる気がします。
仕事を義務として考えたり、ここからここまでと限定的に決めたり、今日はあと何時間かなと時間的に見たりするような人には到達できない境地がここにはある。いつも最高とは何かと考えに考え抜き工夫に次ぐ工夫を重ねミリ単位の調整を続けることができなければあっという間に淘汰される世界だ。こうした日々の努力の先にナン...続きを読むバーワン、オンリーワンというタイトルが用意されているのかもしれない。
書店にて平積みされていたのを購入。数々のサービス業に携わった、携わっている人たちの顧客に対する配慮や仕事への心意気などが、綴られている。
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サービスの達人たち(新潮文庫)
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野地秩嘉
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