翻訳語成立事情

翻訳語成立事情

858円 (税込)

4pt

かつて、この国に「恋愛」はなかった。「色」や「恋」と区別される“高尚なる感情”を指してLoveの翻訳語がつくられたのは、ほんの一世紀前にすぎない。社会、個人、自然、権利、自由、彼・彼女などの基本語が、幕末―明治期の人びとのどのような知的格闘の中から生まれ、日本人のものの見方をどう導いてきたかを明らかにする。

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翻訳語成立事情 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    昔の新書はこうだったよね、ということを思い出させてくれる良書。近年の内容ペラッペラの新書とは質が違う。
    明治期に創作された新造語の作成秘話的な内容かと思っていたが、本旨はもっと深い所にある。日本とは全く異なる価値観を持つ外来の思想を、古来の日本語にある言葉で置き換える事の難しさに焦点を当てている。言

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    2022年06月17日

    Posted by ブクログ

    開化から約150年経って、今、日本には「社会」「自由」「権利」「美」は「存在」するようになったのだろうか?「彼」の国からやってきた、未だ手の届かない理想のタブローにはなっていないだろうか?(あるいは、ないものねだりに飽きて居直っている?)

    鷲田清一先生『〈ひと〉の現象学』からの芋づる読書。哲学用語

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    2021年02月21日

    Posted by ブクログ

    凄く面白かった。これまで、こういった「言葉」について書かれた本をあまり読んでなかったというのもあるけど、「言葉」というものを扱う視点というものが様々あり、手前勝手に濫用してよいものではないのだなと色々勉強になった。本作で扱われる言葉は10例程だけど、そこに様々な切り口からその訳語の成立の経緯を紐解い

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    2014年05月03日

    Posted by ブクログ

    翻訳語にまつわる違和感を正面切って解説してくれている良著。田山花袋を例に挙げた日本の小説での奇妙な「彼」の使い方とか、翻訳語は翻訳語らしくしていたほうが都合が良いとか、興味深い話題ばかりだった。

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    2012年01月24日

    Posted by ブクログ

    明治期に翻訳の必要性に迫られて生まれ、今日ではごく普通の語として使われる「社会」「個人」「近代」「存在」「権利」等の翻訳語の発生と、それらに共通する特性について。
    伝来する意味を持たない翻訳語に特有の「よく分からないが有り難みがある」という印象が持つ効果を柳父氏は『カセット効果』と名付けて一連の説明

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    2011年08月02日

    Posted by ブクログ

    大学3年のゼミのテーマ本の一つ。普段何気なく使っている言葉には実は海外の言葉の翻訳語もたくさんあるということがわかります。
    われわれにとって言葉は概念として重要なものなので、実は多くの概念は海外のものであるという事実に気づかされます。

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    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    1982年初版の岩波新書(黄版)。本の外装は古くなっても、内容的にはまったく古びちゃいない、必読の書。重要ポイントは柳父氏が随所で指摘している「カセット(宝石箱)効果」(柳父氏命名)。外来語を「日本語」(漢語もしくは造語)に置き換えると、翻訳者の意図を離れて、訳語が一人歩きを始める。訳された「日本語

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    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    すごく昔から「好き」と言われるのは
    嬉しいのに「愛してる」と言われることに
    ものすごく嫌悪感を感じていた私ですが、
    この本を読んだときにスッキリしました。

    freedom=「自由」love=「愛」など、
    身近な単語がどうやってこの言葉に
    なったのかが解る1冊。

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    社会、個人、権利、自由、自然・・。近代日本が、どのように西欧文明を受容していったか、翻訳語という概念からせまる。
    歴史、言語、日本など、多様な観点から読める一冊。

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    社会・個人・近代・美・恋愛・存在・自然・権利・自由・彼といった学問・思想の基本用語は、実は幕末から明治にかけて翻訳のためにつくられた新造語である。これら10個の翻訳語が、どのような背景で作られ、どのように受け入れられていったのか、当時の文献内での用例を引きながら検証している。
    知識人の一部によって翻

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    2021年12月04日

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