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虚数(i ,imaginary number)とは、2乗すると-1になる奇妙な数。しかしこの数は、コンピューター社会で重要な役割を果たし、ホーキングによれば、宇宙は虚数の時間からはじまったとされるほど、重要な概念なのだ。SFさながらのエキサイティングな虚数の世界。
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Posted by ブクログ
711 7個のリンゴとか7人の侍は見せること できても、そこから抽出された「7」という数字は、モノでも人でも から、7そのものを見ることなどできないのです。 だとしたら、リアルに思われる実数にしても、しょせんは、具体的なモノや人に 付随して使われる抽象概念であり、虚数だけを不審者扱いするのはかわい...続きを読むそうでは ありませんか。 虚数なんていらないと思っている方には大変申し訳ないのですが、もしも世界から虚数が消えたなら、パソコンもスマホもタブレットも、さらには、半導体を使っているエレクトロニクス製品もことごとく消えてしまいます。なぜなら、半導体(=半分導体で半分絶縁体の材料)の電子のエネルギーは、量子力学の計算で設計されてってくるものであり、量子力学の方程式には「虚数が入っている」かええと、虚数がない→量子力学がない→半導体がつくれない→パソコンもスマホ もなくなる、という流れです。さらにいうならば、量子力学がなくなると、原子のまわりの電子が軌道を保つことができなくなって、原子が潰れてしまいます。 アインシュタインさんは、このx軸にもy軸にもz軸にも直交するところに、第4の軸、すなわち、時間軸tがあることに気づきました。 人の頭では、直交する軸は3本までしかイメージできません。x軸、y軸、z軸 で終わり。しかし、イメージできないところで直交する時間軸がある。4次元目に、 時間がある。そう考えると、宇宙で起きていることがうま〜く説明できる。この主張が相対性理論と呼ばれるものです。 「虚数はある」と認めた方が気が楽ではないでしょうか。実際に、虚数があると認めると、矛盾なくいろいろなところで辻褄が合います。虚数を認めたくないがために、相対性理論、さらには数学の大系を否定するのは大変骨が折れる作業です。 ですので、数学の世界の人たちは、虚数の存在を認めています。それがないと計算できないし、あると簡単に計算できるからです。論理的に矛盾しないものは存在する。それが数学者の考え方です。 一方で、目で見えるものだけが実在すると言い張る人もいます。時間軸なんて幻想だ、なにしろ時間軸なんて見えないんだから。時計は見えるから実在するけど、 時間軸なんてあるのかどうかわからないじゃないか!と。しかし本当に、目に見えないものは信じられませんか?携帯電話で通話したりWiFiでネットを利用できたりするのは、電波があるからです。電波は目に見えませんが、その存在を否定する人はいないはずです。X線も目に見えませんが、それで撮影した画像のことは頼りにするでしょう。 実在論派の人たちは、見えると安心します。数学的存在を紙の上に描かないと安 心できないのです。ですから、ペンローズさんの書いた本は図版だらけ。数式をと にかく図やイラストにしたがります。 しかし実証論派の人たちは、図式化にあまり関心がない人が多いようです。計算結果が実験結果と合致すればそれで0K。見えるかどうか、頭の中でイメージできるかなんてどうでもいい。実在しなくても、証明さえできればいいと考える人が多いのです。 なぜこんな話をしたのかというと、「日常感覚」もしくは「直感」を数学や物理の世界に持ち込むと、間違ってしまう可能性が高いと言いたかったからです。日常の常識で言えば、一つの経路があり、きちんと特定できるはず。でも、電子が移動するような場合はそうではないのです。直感的には正しいことが間違っていて、 直感的には間違っていることが正しいことは、数学や物理の世界では珍しくない。 実証論の立場で考えると、存在しないような気がする虚数を使いこなすことも、 不思議ではなくなるのではないでしょうか。 それが0についても起こりました。この0とは何なのか、どうやって受け止めたらいいのかはさておき、あると便利、使うとうまくいくのだから、もう「使っちゃえ」となりました。 さて、この0、何かに似ていませんか? そうです。虚数です。実在すると認めるには高い心理的な壁がある。でも、あると認めるといろいろなことが楽〜になる。 数学の発展の歴史は、このようなことのくりかえしです。ピタゴラスに端を発した数学者たちでさえ、最初は認めたくなかった自然数ではない数字を最終的には認めました。 自然数から始めて、四則演算をやっていたら、数の世界が広がって実数となり、 その実数の世界で2次方程式を解き始めたとき、さらに数の世界が広がって虚数が出てきた。せっかく2つの世界が生まれたので、両方の世界をつないで、実数+虚数という複合的な世界、すなわち複素数(complexnumber)を考える⋯ 数の世界は、こうやって増築に増築を重ねつつも、 発展してきました。今も発展中です。私はこのような数の世界がガウディのサグラ 全体として矛盾しないように サクラダファミリアみたいだなぁと感じることがあります。読者のみなさんは、どのようなイメージをお持ちでしょうか。 そもそも、虚数というネーミングがまちがっていたのではないかにゃ。だって、 もし本当に虚数が「ウソの数」だったら、それがなくなることで、量子力学の方程式がなくなって、つまりは素粒子が動かなくなって、宇宙が存在できなくなるわけで、おいらだけでなく、地球も、著者のカオにゃん先生も、読者のみなさんもいなくなっちゃう。 だから、虚数はどう考えてもリアルな数にゃ。
お気に入りの映画や書物を時折振り返るように、私にとって、それらと同じような扱いに駆られるのが、高校の授業で、数学を嫌いになるか、ならないかの分岐点の一つとなる虚数だ。決して得意としているジャンルではないが、わからないなりに(わからないからこそ)、その「沼」にはまっているのもまた事実。 雑誌「Ne...続きを読むwton」の特集記事を眺めたりもするが、本書は、私のような文系人間への気配りがなされていて、数式があまり登場せず、縦書きの文章で、できるだけわかりやすく書かれている。数式でスマートに表記する内容を、あえて日本語で説明する方が困難と思われ、ウルトラマンのスペシウム光線の型などをイメージ図の例に使い、あの手この手の筆者の苦心と表現力に感心する。 2乗してマイナスとなる虚数単位iの「存在」の説明に始まり、その存在よりも「役割」の方が重要であるとする視点から、虚数がなければ説明不可能と思われるコンピュータゲームから宇宙まで広範囲に及ぶ解説により、虚数の大きな魅力を再認識できる。そして、その魅力は、「最初は付き合いにくい印象があったけれど、深く付き合ってみたら、実にいい奴で、機転が利いて、気がついたら親友になっていた」という存在のような気がすると著者は語っている。
虚数がなければ、コンピューターはおろか、この世界も成り立たないという。たかが虚数、されど虚数。自然数や分数、無理数。当たり前に感じるものであっても、それを最初に発見した偉人たちの凄さを改めて感じました。虚数もなかなか実感しにくい値だけど、本書の説明は分かりやすいと感じましたし、虚数や数学に対する著者...続きを読むの愛情も感じました。
虚数i を掛けると、ガウス平面(横軸実数、縦軸虚数)上を左回りに90°回転させることになる。二乗すると半回転で、座標上マイナス1を掛けたことになる。うーん、狐につままれたようだが、辻褄は合ってるし、美しくもある。 が、普段意識していない次元をひとつ追加されると、素朴な脳はついて行けない。。 オイ...続きを読むラーの等式は、説明書きを読む分には分かったような分からんような、、だけど意味するところは全くイメージ出来ず。。
ものたりない。 虚数の性質・意味を様々な角度から説明してくれるけど、シュレディンガー方程式を始め、方程式における虚数の物理的な意味をもう少し掘り下げて説明してほしかった。 「こんな使われ方もしてるんですよー」だけで終わっては、結局、虚数はわけのわからん存在のままになってしまう。 交流回路でなぜ虚数...続きを読むを使うと上手くいくのか、交流回路での虚数の意味を説明してくれる本にまだ出会ったことが無い。どの本を見ても、「計算上便利だから」「そうした方がいいから」の域を超えてくれない。 分からなくても使えればそれでいい、ということか。
タイトル通り、惑わされています。二乗してマイナス1になるという、ありえない数を使うと、いろいろなことが科学的に説明できる。なぜ?納得できる答えを求めて書籍を買い漁るも、いまだ答えは見えず。
虚数に関してこんなところに出てくるよ使われているよってことを平易に書いてある。個人的に新しい知見はあったものの、だからといって好奇心を刺激されたり驚きがあったりしなかったのは内容が浅過ぎるからであろうか。 猫に仮託して語り口を軽くしているが、読みにくくなっている印象。
虚数は数学/科学的にどのような立ち位置/役割にあるのかを易しめの言葉で説明した本。良くも悪くもカッチリ理解した人向けという感じではないですね。
虚数をテーマに、代数学の簡単な歴史、オイラーの等式、ホーキングの虚時間など、虚数にまつわる初歩的な考え方やエピソードについて説明されている。 個人的には、ガウス平面なる虚数軸を持つ座標で、虚数をかけることが90度回転になることや、そこから進んでマイナスにマイナスをかけるとプラスになるという説明などが...続きを読む面白かった。虚数についてよく分かったというわけではないが、一般向けの新書としては十分にその役割を果たしているのではなかろうか。
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虚数はなぜ人を惑わせるのか?
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竹内薫
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