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「三国志」は『万葉集』『太平記』にも登場する。江戸時代には、張飛と関羽が女性になる物語や、劉備と孔明が交わる春画もつくられた。日中戦争期には「三国志」ブームが訪れた……etc日本の歴史は「三国志」とともに歩んできた!「三国志」を愛してやまない東大卒女子アナが、その真髄を全く新しい角度から探究する。・・・・・・『三国志演義』は、中国四千年の歴史の中で、一瞬とも言える百年ほどの時代を描いた小説なのに、なぜか日本人は「三国志」が大好き。どうして、「三国志」は日本で人気があるのでしょうか。「日本でずっと読まれてきたから」――そうなのです、日本の歴史は、ずっと「三国志」とともに歩んできたのです。 第一章では、『三国志演義』のあらましと、私がどんな「三国志」に触れてきたのか、という「三国志の個人史」、第二章では、現代作家による『三国志演義』の多彩な世界をご紹介します。第一章、第二章は、今、どんな日本語の「三国志」があるのかというブックガイドとしてもお使いいただけます。今だけではなく日本で長きにわたって「三国志」が読まれてきたということを、卑弥呼から江戸時代までを第三章・第四章で、明治時代以降を第五章でご紹介します。そして、第六章では、現代に繋がる日中戦争期の「三国志」ブームに迫ってみましょう。日中戦争下に花開いた日本語の「三国志」が、ほぼそのままの姿で、戦後の「三国志」ブームを作っていくのです。――「はじめに」より
...続きを読むPosted by ブクログ 2024年03月27日
私もこの著者と同じくNHKの人形劇「三国志」を観て小学生のときに三国志を知り、放映直後には岩波少年文庫の「三国志」上中下を読んで、その読書感想文を書いていました(今思えば、同書は「三国志演義」というタイトルにしておいてほしかったです。)。
その後は、特に三国志系のゲームなどにハマることもなかったので...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年09月08日
三国志初心者へのガイドブックでもありながら、日本における三国志の受容と変遷をテーマに現代に至るまでを俯瞰する。著者の三国志への愛が全編を貫きつつも、事実や引用資料に基づく研究者の視点で著されており一方的なオタク語りにはならず、また研究論文のような硬さもあまりなく読みやすい。日本における三国志文化の裾...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年09月08日
筆者の三国志愛が全編に溢れていて、それだけでも読んでいて楽しくなります。吉川英治「三国志」と横山光輝のマンガでしか触れたことはなかったのですが、現代作家だけでなく、こんなに多くのバリエーションの「三国志」があることに驚きました。作家による色の違いと、何故日中戦争当時に吉川英治「三国志」が新聞連載され...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年09月05日
日本における三国志の受容を『日本書紀』から現代にかけて綴ったもの。同じ現代新書に雑喉潤『三国志と日本人』があるが、江戸時代の庶民文化への三国志の浸透状況や近代における三国志ブームの背景については、本書の方が記述が多い。
とくに日中戦争期の三国志ブームは、戦時期の社会・風俗を考える上で貴重な指摘で、...続きを読む
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