持たざる者

持たざる者

572円 (税込)

2pt

僕はどこだか分からないここにいる―修人。全ての欲望から解放された、いや、見放された―千鶴。人生とは結局、自分自身では左右しようのないもの―エリナ。きっと、私がここから別の道を歩む事はないだろう―朱里。他者と自分、世界と自分。絡まり合う、四者の思い。思いがけない事故や事件。その一瞬で、ねじ曲がる。平穏な日常が、約束された未来が。混沌、葛藤、虚無、絶望。――現代社会の風潮を照射した傑作小説。

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持たざる者 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    やっぱり金原ひとみはすごい。すごすぎる。
    4人の一人称と他人から見たその人物。あまりにも鮮やかなその対比。あらゆる関係は相対的なものだと改めて。
    そして我々の人生は絶対に自分でコントロールできないものに支配されていると同時に、それゆえに我々は人生を選択できているのだという逆説。
    悩みのなさそうなあい

    0
    2023年03月27日

    Posted by ブクログ

    それぞれが緩く繋がる4人の視点でのストーリー。
    最後4つ目の主婦の話が秀逸。環境が変わるたびに不遇を周りのせいにしてしまう自分のネガティヴな部分を、少しずつ受け入れていく過程になぜか少し共感できた。

    0
    2021年08月31日

    Posted by ブクログ

    エリナという人物にあえてよかったというのが、最初の気持ち。家族や周りの人との距離感が似ていて、気持ちがすとんとしました

    0
    2021年08月13日

    Posted by ブクログ

    他の金原さんの小説同じく、読み始めたら最後まで一気に読んでしまう、読まされてしまう、そんな引き込む力がある小説。
    どの登場人物にも理解し難い部分があり、一方で切実なその人だけの痛みが、手に取るようにわかったりする。
    それぞれの人生を進むしかない、と暗い中にも前向きになるような小説でした。

    0
    2023年12月20日

    Posted by ブクログ

    中心人物が4人、1人1章持ち回りのようにエピソードが進んでいく形で読みやすかったです。
    いち要素として3.11があり、確かにあの当時ってそういう空気感あったなと思い出すのと同時に自分はその頃どうだったかと思い返したり、また3.11を抜きにしてもこの価値観を自分が受け入れられるかと考えたり。
    いつまで

    0
    2023年11月26日

    Posted by ブクログ

    震災直後の疑心暗鬼、デマ、風評、エゴ‥‥復興っていう美談で誤魔化そうとしてるけど、露呈してしまった暗部は恥だとしても後世の為に記録しておくべきだ。金原ひとみは偉い。

    0
    2023年08月04日

    Posted by ブクログ

    久しぶりの金原ひとみ作品。
    海外赴任した話が出てきますが、海外で暮らした人にしかわからない感情、感覚と思っていたら、作者も海外で生活していたのですね。20年以上前の気持ちを作品から味わうとは。
    最後の朱里さんの話、自分かと思いました。今はあの時の経験はどこに⁈それにSNSなどで海外が日本から切り離さ

    0
    2023年07月26日

    Posted by ブクログ

    グイグイと読まされた感じ。
    震災後の話だけれど、震災の直接的な被害者というよりは、原発による放射能から逃げる人たちがメイン。目に見えないあの頃の恐怖が思い出される。 

    放射能に異常なまでに過敏になり、妻子と別れることになった修人。日本から離れたフランスで子を失った千鶴。放射能を避けた形でイギリスに

    0
    2021年04月05日

    Posted by ブクログ

    海外生活や子育て、女性として生きることに苦悩を味わっている自分としては、とても感慨深い小説だった。繊細な心の考察がとても沁みます。

    0
    2020年11月26日

    Posted by ブクログ

    最後にちゃんと収束させて欲しかった気もするけど、それぞれの章がリアルできめ細かくて一気に読み終えた。
    金原ひとみ、上手いな。

    それにしてもこの装丁に惹かれる。
    ジャケ買いならぬジャケ借り。

    0
    2019年05月19日

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