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ロシア革命後、堕落した特権階級である罪で、一生ホテルから出られなくなった伯爵。絶望に沈みゆくなか、曲者ぞろいの従業員と客との出会いが彼に新たな生き方を選ばせる。艷やかな人物造形、きらびやかな生活描写、上質なユーモアに全世界が惚れた話題の書!
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Posted by ブクログ
人生を投げないって実はすごく難しくて、かっこよくて、魅力的!正しく、賢く、健やかに!健気に!生きたいな!
めっちゃ好き…… 大変な境遇だけどずっと陰鬱とした雰囲気じゃないので読んでて元気が出るし、出てくる人が親切で良かった…… ソフィアが好きです。
「優雅な生活が最高の復讐である」という言葉を地でいったような、ホテルという箱庭の中のめくるめく日々。限られた環境の中でも知性と明るさで朗らかに乗り切る伯爵の姿にこれこそが教養だ、という感じがした。
革命政府に無期限の軟禁刑を下され、高級ホテル「メトロポール」の屋根裏で、一生暮らさねばならなくなった、「アレクサンドル・ロストフ」伯爵。 しかし、心技体ともに貴族としての誇り高き精神を持ち続ける彼の人生は、表向きは以前と変わらぬような、落ち着いた華やかさを見せているように感じるが、振り返ってみると...続きを読む、山あり谷ありの波乱万丈なものであり、大切な人との別れや、自分の人生を投げ出してしまいそうな時もあったが、気付いたら、やはり彼自身の人間性により、変わらぬ優雅さを纏って人生を歩む姿に、彼の、安易に譲ることのできない生き様を感じられたような気がしました。 そして、その人生は、たとえ私が体験できないようなものだとしても、何か共感めいたものも感じることができたのが、また印象的であって、女子供にあたふたする姿や、度胸をきめた一発勝負的な場面等には、貴族も感情を持った人間なんだなと(当たり前だが)、思いました。 また、彼の人生以外でも読み所は多く、彼の口から話される豊富な知識─歴史や文学、食事やワイン、音楽に映画、哲学、果てには人生観までも─を味わえる楽しさも心地良く、私的には、映画「カサブランカ」の細かいシーンから考察される、世界を変えるための密かで確かな一歩に、とても納得させられるものがありました。 更に、訳者あとがきにあるように、数字への尋常ならざる拘りから、人間の感じる時間の流れ(長短)を、小説内で再現していたり、序盤のエピソードが、後半の別のエピソードに反映されていたりと、ストーリーテリングも面白く、ロシア革命時代の知識が無くても、充分楽しめると思います。 なぜなら、作者の「エイモア・トールズ」が描く人間の姿に、時を超えた普遍的なものを感じたからであり、以下のような見方をしてくれる方の小説が、楽しくないわけがないからです。 『人間はまことに気まぐれかつ複雑で、愉快な矛盾のかたまりであり、正しく見極めるには、熟慮どころか、再熟慮すべきなのだ─そしてできるかぎりあらゆる時間に、できるかぎりあらゆる状況で親しく付き合うまでは、軽々に判断しないというゆるぎのない決意が必要なのだ』
面白かった。 軟禁生活の中でもハリを失わない伯爵の生活と、人柄。 閉ざされた世界の中でも出会いと別れがあり、 だからこその終わり方だと思った。 自分が年齢を重ねた時、またもう一度読みたい。 作中で娘に語り継がれた二つの言葉は私も大切にしたいと思った。
ロシア革命後、革命政府にモスクワメトロポール・ホテルの屋根裏部屋での無期限の軟禁刑を下されたロストフ伯爵。元貴族だからという理由である。誇り高く、裏表のない人物であるロストフ伯爵のユーモアと思いやりに溢れた日々が綴られている。 印象的な教えは、 ・自分の境遇の主人とならなければ、その人間は一生境遇の...続きを読む奴隷になるということ。 ・モンテーニュの金言ー叡智のもっとも確かなしるしは、常に朗らかであること。 久しぶりに本の主人公のような人になりたいと思わされる一冊だった。ぜひ映像化されてほしい。
ホテルに一生軟禁。ロシア革命後の貴族の話なんて さぞかし陰鬱な話なんだろうなぁ。と思いきや 180度違い、紳士で魅力的な伯爵は、決して投げやりにならず、友情や愛を育んでいきます。 始まりから最後の1行まで面白くて魅了されました。
ロシア革命の混乱期、爵位を持つ多くの白系ロシア人が国外へ逃亡し、異国にあって極貧の生活を余儀なくされたことはよく知られている。 この物語の主人公であるロストフ伯爵も、革命政府のもと裁判を受け、銃殺刑こそ免れたものの、それまで暮らしていたホテルからの禁足を命じられる。もし、一歩でもホテルから出ようも...続きを読むのなら銃殺だと脅されて。本書は32歳から始まった伯爵の軟禁生活を、最終章の64歳まで描き切る。このように書くと、いかにも悲しみと苦しみに満ちた物語を想像するかもしれないが、そんなことは全くない。実に愛すべき、ユーモアと出会いに満ちた物語である。 それは、ひとえに主人公のロストフ伯爵がとても魅力的であるからだろう。真面目で誠実であり、貴族であることを少しも鼻にかけない。高い教養と洗練された趣味を持つ本物の紳士なのだ。苦難にあって、彼はあきらめたり、悲嘆に暮れたりすることはない。それこそヤナギのように、折れることなく、しなやかに、その環境に自ら歩みよるのである。 何の予備知識もなく読み始めたため、史実に基づいているのかと思ったが、完全なフィクションのようだ。だが伯爵が軟禁生活を送ったメトロポールは、今も実在する高級ホテルである。HPを見ると豪奢な造りと有名な朝食を確認することができる。 通勤電車であたふたと読むよりは、紅茶にジャムでも落としながら読みたい本。軟禁生活とパンデミックの隔離生活を掛けたのか、ビル・ゲイツがコロナを乗り切るための一冊として挙げたことでも知られる本書。いや、そんなこと関係ないでしょう。ただ純粋に、読書を楽しめばいいと思う。
614頁!厚い!長い!読んでも読んでも終わらない。何度も挫折しそうになった。でも帯の『時代が変わっても残したいものがあった。革命後、ホテルに軟禁された伯爵。閉ざされた世界で彼は人生を再発見する』に支えられ、読後は感動が待ってるに違いないという思いで読み進んだ。主人公の伯爵はもちろんのこと、他の登場人...続きを読む物たちも人間味がありユニークで温かい。一生ホテルに軟禁という自分の運命を受け入れ前向きで知識が豊富な教養人、真の紳士とはこういうものか…と、思わせてくれる伯爵。とくに伯爵がソフィアに言った二つの助言は、自分も心に刻みたい。
2019年の緊急事態宣言時に購入 閉ざされて世界で生きることになった男の話を、あえて、むしろ救いを求めて読む。でも「感動するぞ!」と意気込まないとやってられない様な状態に世界が一変した為、感覚のバランス(この本を買った理由と価格に引っ張られ過大評価しないか)が保てなくなり、また非常に仕事が忙しくなっ...続きを読むたため中断 2020年、再挑戦 1922年、モスクワ。 革命政府に無期限の軟禁刑を下されたロストフ伯爵。 高級ホテルのスイートに住んでいたが、これからはその屋根裏で暮らさねばならない。 ホテルを一歩出れば銃殺刑が待っている。 ホテルでの軟禁生活が始まったばかりの頃に出てくる 「自分の境遇の主人とならなければ、その人間は一生境遇の奴隷となる」この言葉が、物語全体のテーマ ホテルのレストランで出会った 少女ニーナ(父親の都合でホテルに篭りきりホテル内のありとあらゆる場所を熟知) 伯爵の旧友ミーシカ(伯爵を訪ねてくるクセのある文学者の親友) ホテル内のレストラン料理長のエミール(美食を追求する、ちょっと短気) マネージャーのアンドレイ(魔法の様な仕事ぶり) 裁縫師のマリーナ(伯爵がやたらと迷惑をかける) ホテルを訪れた女優のニーナ(女優としての再起をかけ奮闘中) …様々な人と出会い。交流を深めていく、どの人も印象的で伯爵は生活の中に変化と希望を見出す。 章が進むにつれ 過去の出来事や、出会いが意外な形で問題を起こしたり、または思わぬ解決を招いたり。 ロシアで起きた変化に沿って、翻弄される人も出てくる。 全てが一律に良いことに向かうわけではなく、現実と同じく悪いことも起こる。 数週間、数年単位で進む日々が記されているが、一日一日を懸命かつ優雅さを忘れずに生きている。 これは、駆け足で読むのはおすすめしない。 じっくりと読むべき。 (読み直して正解だった) そして、コロナの問題がよぎる。 私達も家を出ることが出来ない。 出たとしても最低限の買い物や用事を済ませて帰る生活の中で、家の中での楽しみ方を模索する人達をニュースで見かける。 私はそれを「頑張るなぁ」くらいに冷ややかに見ていた。だけど楽しむ工夫を凝らしたり、何でもない日々の中で起きたことをSNSに投稿したり、誰にも公開せず日記をつけたりすることは、それも「日々を見つめ直す行為」なのではないかと、この本を読んで気付かされる。 無理をする必要はないはず、でも「受け入れる」よりも良い答えを探そうと動く方が良い気がしてくる。 久しぶりに「生きてるうちに必ずまた読もう」と思う物語だった。
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