異類婚姻譚

異類婚姻譚

616円 (税込)

3pt

子供もなく職にも就かず、安楽な結婚生活を送る専業主婦の私は、ある日、自分の顔が夫の顔とそっくりになっていることに気付く。「俺は家では何も考えたくない男だ。」と宣言する夫は大量の揚げものづくりに熱中し、いつの間にか夫婦の輪郭が混じりあって…。「夫婦」という形式への違和を軽妙洒脱に描いた表題作が第154回芥川賞受賞! 自由奔放な想像力で日常を異化する傑作短編集。

...続きを読む

異類婚姻譚 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    あなたは、『自分の顔が旦那の顔とそっくりになった』らどうするでしょうか?

    夫婦は似た者同士が良いのか?そうでない方が上手くいくのか?このあたりは世の中意見は千差万別でしょう。同じものが好きだからといって一緒になった夫婦が最後まで添い遂げられるかといったらそんなことはありません。嗜好は正反対という夫

    0
    2023年12月02日

    Posted by ブクログ

    自分が男性なので、本谷さんの書く男性像にはドキッとする。
    自分はこうじゃないと思ってるし、こうなりたくないなぁって感じの男。
    でもそのダメさに主人公の女性などが慣れてたり諦めてたり、なんなら居心地良く感じたりしてるように思うので読んでて非常にむずむずする。居心地が悪い。

    自分にはこういうあり方は無

    0
    2023年05月05日

    Posted by ブクログ

    夫婦は妥協と諦めで互いに似てしまう。
    不満を持ちながらも、どこか身を任せたほうが楽だと思った結果であり、自身も不満を持たれていることがある事実に目を背けた結果でもある。
    そんな誰にも起こりうる問題をファンタジーに落とし込んだ秀作。

    最後の藁の夫のモラハラDV具合が怖かった。

    0
    2023年04月12日

    Posted by ブクログ

    表題作を含む4編。いずれも夫婦や家庭に対する違和や不安をテーマにした奇譚。感覚に鋭いリアリティを感じる分、奇譚であることについていけない人もいそう。
    表題作含め登場人物たちは基本的に「演じている」「演じさせられている」という感覚が課題の根本にあるように感じたが、劇作家の著者としてあえてそのような視点

    0
    2022年12月04日

    Posted by ブクログ

    結婚すると夫婦は似る、と言う。
    面倒くさがりな夫の顔が気を抜くと適当な配置になっているのを見て「私はいつ人間じゃないひとと結婚したんだろう」と思う。
    それを寓話的に描いている本作。愛猫の粗相に悩むキタヱさんの話と相俟って、まさに異類婚姻譚と姥捨て山を現代風に語り直したような、不思議だけど示唆的な話だ

    0
    2022年01月14日

    Posted by ブクログ

    本谷さんが書く小説が好きです。

    その中でも今回の本は間延びもなくテンポも自分好みで一気に読み切ってしまいました。
    そして…ラストの余韻が最高でした。

    本谷さんの毒ぽい台詞も良かったです。
    「人でなしと思わないでね。
    ごめん。嘘。人でなしと思ってくれたほうがいいや。」とか。ちょこちょこした会話も、

    0
    2021年01月17日

    Posted by ブクログ

    「人の形」

    慣れ親しんだ生活の中に異物が一点混ざり込み、それが当たり前として読者の中に溶け込んだタイミングでその異物が“異物らしさ”を表象する。
    読み手は強制的に第三者の立場から読むことになるため、この世界に恐ろしさを感じつつも現在の世界とそう大して変わらない世界に違和感を懐く。
    怖さとユーモアが

    0
    2024年02月13日

    Posted by ブクログ

    表題作の冒頭一文は、タイトルとの相乗効果で衝撃。以降は、期待感程ではなかった。寓話と言うには粘度が強すぎる。

    0
    2024年01月06日

    Posted by ブクログ

    女の人が主人公の、4つの短編集。
    家族や夫婦がテーマになっているが、寓話を読み慣れていないせいか、理解が難しかった。
    異類婚姻譚と藁の夫に関してはこんな夫婦にならないよう気をつけようとは思った。
    バウムクーヘンの話は、今自分がリアルと思っている世界は、作り物じゃないかという空想は恐ろしくもあるが案外

    0
    2023年09月10日

    Posted by ブクログ

    夫婦は似る、とはよく聞く。同じものを食べ、同じ家で生活していれば、血のつながった者同士のように、似ていくのだろう、きっとそれが、家族になる、ということなのかもしれない。しかしそれは、少し怖いことかも。

    0
    2022年11月06日

異類婚姻譚 の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

講談社文庫 の最新刊

無料で読める 小説

小説 ランキング

本谷有希子 のこれもおすすめ

異類婚姻譚 に関連する特集・キャンペーン

同じジャンルの本を探す