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二〇〇六年秋田で、二人の児童の遺体が見つかった。逮捕されたのは、亡くなった女児の母でシングルマザーの畠山鈴香。しかし彼女に「殺意」はあったのか? 著者は、悲惨な生い立ちと裁判の杜撰さを追い、検察の強引な死刑求刑とも、弁護側とも異なる、独自の「真相」を提示する。各紙誌絶賛のルポルタージュ!
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すごく良かった!
決してマスコミの情報などに振り回されず、正しい視点から物事を見ることができ、畠山鈴香に寄り添うような一冊でした。 読んで良かったと思える一冊でした。
Posted by ブクログ
小説「雪冤」を読んでから 本ルポルタージュ 頭で考え 捏ねくり回した死刑廃止論に 対して ルポの良さを 遺憾無く発揮 しっかりした取材 感銘した
この裁判の経緯を見ると、結局最後まで犯人である鈴香の動機は解明されていない。 もちろん、裁判において提示された供述調書などにはもっともらしいことが書いてある。 事件解決のために警察も検察も成すべきことをしたのだろうし、何よりも犯人がいつまでも逮捕されないのでは遺族を筆頭に周辺の住人たちも日常に戻るこ...続きを読むとができない。 それでも、精神的に何らかの問題があるという指摘が複数の精神科医によってされているのならば、もっと時間をかけて「真の動機」に踏み込んでほしかった。 人が人を殺す。 余程のことがなければ踏み越えることが出来ないほど高いハードルのはずだ。 やすやすとハードルを越えてしまった人たちには、ごく普通の日常を過ごしている人たちとは圧倒的に違う何かがあるはずだ。 殺人を犯す人たちは「特別な人」。 そうはっきりとさせてほしいのかもしれない。 そうすれば「普通の人」には有り得ない出来事だと安心できるから。 人としての何か大切なもの。 倫理観かもしれないし、命の重要さを軽んじる主義かもしれない。 その根本にあるものを解き明かしてほしい。 このノンフィクションを読んで感じたのは、「メディアスクラム」の怖さだ。 事件が起きるたびに報道は過熱し、家族や親戚縁者はもちろんのこと友人たちにまで取材陣が群がり、自分たちに都合のいい報道が繰り返される。 いつも思うのだけれど、被害者の家族や親、加害者の家族や親に向かって「いまのお気持ちは?」と聞くことに何の意味があるのだろう。 メディアスクラム(集団的過熱取材)は何度も繰り返されてきた。 古くは三浦和義事件で。 松本サリン事件で。 和歌山毒物カレー事件で。 報道の自由は守られなければいけない権利だ。 けれど、錦の御旗のようにそれを掲げて、暴走した取材や扇情主義に偏った報道などはあってはならないと思う。 犯罪は悪いことだ。 人の命を奪うのは悪いことだ。 何より、一度奪われた命は二度と戻ってくることはない。 大切な、誰にでも平等に与えられた、たったひとつの命。 他者が勝手に奪っていいはずはない。 だからこそ思う。 法のもとですべてを明らかに、罪を問い、刑を科す。 報道は真実を伝える素晴らしい力を持ちながら、ときにその力が事件の関係者やその周辺の人たちの人生に消すことの出来ない傷を負わすこともあるのだ。 報道陣だけではない。 加害者宅や被害者宅にかけられる無言電話や罵倒する電話。 噂話や捏造話を嬉々としてネットに書き込む行為。 ひとりひとりが超えてはいけない一線があることを認識することが大切なのでは?と感じるノンフィクションだった。
あの畠山鈴香事件について、鎌田さんが 切り込みます。 殺人事件を起こしたことは間違いない。 しかし夫と別れたうえ、子育てに行き詰って いた母子家庭の教訓を引き出すこともなく、 縛り首にしてあの世に送って、何の解決に なるのだろうか。 大阪餓死事件と重なる感じ。 もちろん起こした罪は大きい。しかし...続きを読む、その 背景ももっと我々は知る必要があるかも しれません。この畠山被告は、マスコミが 描いたような強い人間なんかではありませんから。
著者のスタンスが加害者の立場に寄りすぎな気もするが、事件当時の状況をひとつずつ積み重ねて、解明して行こうとする過程は興味深かった。 また、当時の加熱したマスコミによって報じられた加害者像と、実際の事実関係に差異がある可能性も示唆され、既に判決の下った事件ではあるが考えさせられた。
日本ではとかく勧善懲悪が基本的に支持されるので、殺人者=死刑で裁かれるべき、というのが常に趨勢になる。 そのため死刑廃止論は抹殺されがち。もちろん自分の子供が殺されたら加害者を絶対死刑に頬むりたいって思うだろう。その気持ちはもちろんよく分かる。 だけど裁判とか刑法というのは、そういう被害者感情だけに...続きを読む流されては本来いけないはず。とはいえこの著者もそうだけど、そういうこと言うと叩かれてしまう。 刑法39条の心神喪失者や心神耗弱者に対する免刑・減刑規定により、日本の殺人事件の裁判は、複数の精神鑑定結果報告の解釈が重要視されるようになってしまい、事件の本質がどんどん見えなくなってしまう傾向にあるようだ。 まあ、どんな刑法になろうが、本人が真実を語ってくれなければ、真実は暴かれないわけだけど… この事件も2人の幼い命が奪われた真相が見えないというやるせなさが残ったまま無期懲役が執行された。 特に本人が事件の核心を健忘してしまっているので、その部分に関する複数の医師の精神鑑定結果のどちらが正しいか?といった裁判の流れは、遺族が傍聴するには耐え難い屈辱だと思われる。 素人が単純に見ると、忘れれば極刑を免れる、という誤解を受けかねない裁判の流れが読んでいて辛すぎた。
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橋の上の「殺意」 <畠山鈴香はどう裁かれたか>
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鎌田慧
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