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昇ほど「休戦の価値」「休戦の美学」を知った男は少なかったのではないでしょうか。彼は人生に四期ありとしましたが、大いに休んだおかげで、人生を四倍に生きたともいえます。そこには、「人生四倍、休戦の哲学」とでも呼ぶべきものがあったと思います(「あとがき」より)。 大きく休み、大きく生きた男の人生評伝。(講談社文庫)
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東急グループ総帥
東急グループ総帥の五島昇氏の生涯が描かれています。とても面白い一冊でした。創業一族の二代目としての葛藤、そして、二代目だからこその生き様を拝読できました。
Posted by ブクログ
昇の「休戦の哲学」とでも呼ぶべきものの実践であった。むやみに走らず、休んで走る。休んだ上で走り出す。
二世のグールプ会社の会長となり、様々な毀誉褒貶があったにもかかわらず奔走した一人の人間として学ぶ物が多い作品だった。
東急グループを大飛躍させた二代目、五島昇の評伝です。 家の隣に東急電鉄の本社が在ります。大グループの本丸にしては控え目な建物です。 昼時出てくる社員達、皆感じ良い。社風なんだろう。 そうだ、エントランス横の銅像…彼は望んでいない。と思う。 パラオに素晴らしいホテルが在る。 彼の思いが詰まったホテル...続きを読むだ。名前はパラオ・パシフィック・リゾート。一見控え目だが、金がかかっているのが分かる。 建て替えられてしまいましたが、旧キャピトル・東急も素敵でした。
・職人の世界は、効率とは対極のところにある。一見無駄と思えるところにまでこだわるのが職人だ。だが、皮肉なことにその無駄が日本の技術力を支えているのである。 ・もちろんコスト意識は大切だ。だが、すべて無駄を排除しようとすると、企業はやせ細ってしまう。 ・無駄には、排除していい無駄と必要な無駄がある。効...続きを読む率主義、合理主義一辺倒の経営では、必要な無駄まで切り落としてしまいかねない。実は無駄か否かの判断は非常に難しい。 ・あらかじめつくっておいた書類に沿って説明する人を評価していなかった。自分で考え、頭の中で整理して理解していない話などするな、という考えだ。 ・経済人としての最大の条件は経営手腕よりも人格にあるという考えの持ち主だった。
一番大事なことは相談せずに自分で決める。 偉大な父親の幻影に覆われた状況でのそれはよほど孤独で難儀なことだろう。 しかし著者の文体によるものなのかもしれないが、この溌剌とした決断力にあふれた人物に孤独に悩むような姿は見えない。 全力で走り、全力で休む。成功するビジネスマンの典型をよりスケールを大きく...続きを読むして、かつハッキリとした輪郭をもつ人物として描かれた物語。 読後感が清々しい。
東急グループ2代目五島昇氏の人生を城山三郎が纏めた本。東急グループは、五島昇氏の父である慶太氏がビジネスをはじめた。鉄道、観光、映画等のレジャー産業などあらゆる分野に進出し、今の東急グループの礎を築いた。昇氏は、父から受け継いだビジネス基盤をさらに強固なものとし大きくした。売上で比較すると、慶太氏か...続きを読むら引き継いだ時は、70社7法人で700億、従業員数は3万人だったのが、347社8法人で2兆8千億、従業員は8万9千人まで拡張させた。凄いの一言に尽きる。しかし、本人はいたって普通だ。周りの人に支えられ人間として大きな器を作っていったように感じる。 父慶太氏が亡くなった後、今後のことを相談するために父の旧友 正力松太郎氏(元読売新聞のオーナー)を尋ねた時に、「いちばん大事なことは人に相談するなよ」とアドバイスを貰ったり、それを忠実に守っていく。 例えば、社長の何よりの仕事である人事。昇氏はいつも大胆に行なった。相談もしなければ、根回しもしない。正力氏のアドバイスを守る。なかなかできないことだ。 語っている言葉に味わいがある。 「おれだって、よく腹の立つことがあるが、立てたところで無意味だ。かっと来ると思うけど、腹を立てるな」 「買い漁りとか、ああいうやり方はおれはやらん。他人のつくったものは買うな。やるときは自分でやれ。世の中の役に立つものをやってれば、必ず利益がでる」 本書はじわりじわりと味が出てくる本だ。
元東急グループ総帥の五島昇氏の生涯を描いた城山氏の作品です。昇氏も魅力的ではありますが、「強盗慶太」と呼ばれ一代で「大東急」を築き上げた父慶太氏の生き様の方が気になりました。
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