無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
Posted by ブクログ 2023年08月09日
とても大好きな本の一冊。
心の機微が丁寧に描かれていて、現実味のない人物設定ではあるが、妙なリアリティ、説得力がある。
ただ、読むことで心に寄り添ってくれる、安らぎを得られるような本ではなくて、心が抉られるような焦燥感が残る。
それは、アイデンティティとしての「僕」を確立しようとする少女に同情...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年09月13日
復刊記念。
文庫版だと、単行本と異なり、大分レイアウトが詰まつてゐて、またいくらか最低限ではあれど、筆者本人の手直しが加へられてゐるので、初めて読んだ時のような透明感とはまた違つてみえる。
けれど、ひとりの人間が生きること死ぬこと、存在するといふことを真剣に考へ、表現したといふ事実には変りない。かう...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年11月30日
短い作品だけどなかなか読み進まない。
平易で読みやすいストーリーなのに一語一語に込められた思いが濃厚で、自ずと時間が掛かってしまう。「僕はかぐや姫」はそんな作品。
残りわずかな17歳の物語は、高校時代の自分と激しく共鳴する。濃厚なのは作者の思いではなく、呼び覚まされた17歳の頃の自分の思いかもしれな...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年03月09日
センターの過去問でその一部を読んで衝撃喰らった思い出。ひりつくけれども甘い感傷を舌の上で転がし味わうように読みたい一作。
ライ麦論争で引き下がるくだりはそれとなく裕生の行く末を現している。詳細は省かれているが、ライ麦畑に向ける彼女の感情はおそらく同族嫌悪。
男でも女でもいたくない、何にも規定され...続きを読む
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。