最近はスティーブン・バクスターを始めとする宇宙全体の歴史を網羅するハードSFを読む機会が多かったのですが、この本を読んでみてようやくバクスター他のSF作家が参照?している宇宙の始まりと終わりの論拠が分かりました!本書を読み終えるとオカルトや唐突なSFを想像させる邦訳のタイトル(原文でもDeath From The Skies!なので直訳に近いのですが)に違和感を覚えるように、隕石の衝突から太陽の爆発、エイリアン侵略の可能性までを豊富で最新の天文学知識を背景に分かり易く解説していて、いわゆる良質のサイエンス・ノンフィクションとなっています。さらに筆者の筆力があるのは、難解とも思えるこれらの事象を分かり易い(そして時に楽しく)文章で描かれていることです。そして圧巻は、最後の恐怖!?である宇宙の終末について、最新の現代天文学から導き出される衝撃的な結論を展開しているラストでしょうか。