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高校一年の斉藤くんは、年上の主婦と週に何度かセックスしている。やがて、彼女への気持ちが性欲だけではなくなってきたことに気づくのだが――。姑に不妊治療をせまられる女性。ぼけた祖母と二人で暮らす高校生。助産院を営みながら、女手一つで息子を育てる母親。それぞれが抱える生きることの痛みと喜びを鮮やかに写し取った連作長編。R-18文学賞大賞、山本周五郎賞W受賞作。
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Posted by ブクログ
人間の多面性が垣間見えて みんなぐちゃぐちゃで苦しいけど 人ってそういうもんだよなぁ、と。 誰しも「やっかいなもの」を抱えて生きているし、 ふがいない。けど、それが愛おしい。
窪さんの、こういう読後感とても好き。 4作目ということもあって信頼と実績で安心して読めました。 誰しもが持っている、どうしようもない弱さと歪みとをこんなにも誠実に描き出すのすごすぎる。 それを受け止めながらも、自分らしさをあきらめずに顔を上げるようなイメージで、ゆっくりジワジワと心に温かいもの広が...続きを読むり、心からのエールを送りたくなる気持ちになる。 うまく言葉にできないけど、解説が素晴らしく言葉にしてくれていた・・・(大感謝) ここだけの話、結構生々しい性的な表現はあるんだけど、それがあるから読み進めやすい気がしました。笑 ページ数も少なめだし半日で読破。 最後のシーンでは卓巳と一緒に号泣!! 勧めにくいけど、大オススメ!読んで!
ふがいない。みんなふがいないんだな、と思った。厄介なものがあって当たり前だし、そこから逃げられるけど逃げられないっていうのも当たり前なんだな、と思った。 登場する人たちがみんな優しくて、そんなことまでしなくていいのにと思う場面が何度もあった。とんでもないものがある人はそれ以外をよくしていかないといけ...続きを読むないのか。 いろんな人の深いところまで感情や思考を知ることができた。
セイタカアワダチソウの空がよかった。 良太の抱える家庭問題、田岡さんの光と闇、その後の世界線を想像したくなるような奥深さ。 花粉・受粉では心身ともにボロボロな斎藤くんが気の毒だったけど、リウ先生の悪い出来事も抱えていればいつかオセロのように反転する、斎藤くんの災難は花粉が受粉したようなものと斎藤くん...続きを読む母に伝えるシーンが好き。 そして読み切ってから、タイトルのふがいない僕は空を見たという言葉を反芻。 斎藤くん、立ち直ってまた恋ができますように。
最初は性描写がリアルで官能小説を読んでいるような気にもなったが、読み進めていくうちに登場人物の暗い背景に現状を重ねることで物語の深みが出た。各章ごとに登場人物が変わり、同じ出来事を視点の違う人物が読み進めていく展開は驚きも多く、読みながら思わず声が出てしまった。登場人物も多く複雑な関係ではあるものの...続きを読む、人物相関図を今すぐ書き出せるほど内容が鮮明に頭に入ってきた。そういう点では読みやすい本だと思う。 最後に解説を書かれていたのが重松清さんで驚いた。丁度この本を読む前に重松さんの小説を読んでいたのもあるが、比較的易しい表現で温かなストーリーを書くことの多い重松さんがこの本を手に取り、どんな考察をし感想を抱いたのか気になって仕方なかった。過剰な部分に焦点を当てた表現に着眼しており、思わずそのシーンを読み返した。
連作短編集だけど、タイトルと同じ名前の作品はない。でも、タイトルみたいな気分になる、いい意味で泣きそうになる読後感でした。 初めは性の表現がストレートだなぁと思って読み進めてたけど、それだけじゃない。それぞれにつらいことを抱えながらも、生きていく登場人物に引き込まれます。 2011年くらいに発刊...続きを読むされてるけど、今読んだらなんかリアルで響きます。 文庫版読んだんですが、重松清さんの解説も秀逸です。
めちゃ面白かった ストーリー自体はあんまし明るい話ではないし、R18指定もあるしですが それぞれの話がそれぞれの色で面白かった 登場人物の人たちが次の話では主人公になり、切ないストーリーを連なっていく 特に気に入ったのはセイタカアワダチソウでした 堪らないほど切なかったです 気に入ったのは「あくつさ...続きを読むん」主人公にはなっていないんですが、名バイプレイヤーとして存在感出しまくりですごく良かったです
いいところも悪いところもある、矛盾して相反するように感じる性質も人の中に共存しうるのが事実 一部を見て決めつけるのももったいないのかな 厄介なものを持って、それを捨てられなくて持ち続けていても肯定も否定もせず一瞬一瞬の気持ちをただの現象として受け止めたい めんどくさいけどしょうがない!
第一話の『ミクマリ』で主人公が浮気相手の年上の人妻が、子供服売り場で幼児サイズの靴下を手に持ってる姿をみかけた場面の描写がとても美しくて、そのくだりを何度も読み返した。
生まれながらにどうしようもないバックグラウンドを抱えてしまった彼ら あまりのやるせなさに胸ぐらを掴まれたような感覚になりながら読む箇所がいくつかあった。 やはり、これから生まれてくる子どもには、誰でもに望まれながら祝福されながら生まれてきて欲しいな、なんてことを考えた。 しかし、どんな人間でも、...続きを読むそこにその人だけのバックグラウンドがあり、その人の思考があり、 それだけでその人は尊く愛おしいのだ。 状況に抗おうとするのではなく、受け入れつつそこでもがく彼らをみて、そう思わされた。
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ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)
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窪美澄
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