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ボクシング雑誌の休刊を機に、念願の文芸部門に異動した那波田空也。久々に鉄槌ジムを訪れると、ジムの花形選手の立花やいじめられっ子の小学4年生・ノンちゃんに出会う。彼らはそれぞれの恐怖を抱きながら、「拳」をふるって戦っていた。 不安になって、傷ついて、怖がって、逃げたくなっても、きみたちはなぜ戦うのか。前作『空の拳』に続き、ボクシングを通して本気で生きるとは何かを問う青春エンタテインメント! 解説・中村航
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Posted by ブクログ
『空の拳』の続編となる本作。出版社編集員の目を通したボクシングの物語。ボクシングの描写がすばらしいのですが、全編を通して描かれるのは、恐いものに立ち向かおうとしてもどうにもならないとき、「逃げる」のはつまり「見つけに行く」ことだということ。主人公やボクサーたち、ジムに通う人々の成長が丁寧に綴られ、彼...続きを読むらを思わず応援しています。ただちょっと長かったです。。
格闘技に興味ないし、でも角田光代だし読んでみるか、と読み始めたらこれがおもしろくって、一気に読んでしまった。
読みやすいが、文庫本637頁もあり、読み応えがあった。 ひたすらボクシングに没入する前作に対し、その2年後を描いた本作では、登場人物それぞれがその立場で、悩み思い惑っている。 前作で活躍した立花は、得体のしれない恐怖を感じている。「拳の先に何がいるんだか、おれにはもうわかんないスよ」と。 また、坂本...続きを読むは試合に負け、引退すら危ぶまれている。 一方、立花のファンであるノンちゃんは、いじめの被害に遭っている。そんなノンちゃんに空也は言う。 「そんなものと向かい合う必要はない。逃げればいいんだ。逃げ方を考えるんだ」と。 主人公の空也は、狂言回し的?に、彼らに関わり合っている。 『空の拳』の続編は、巨大な恐怖に逃げながら闘っている彼らを描いて、読者に問いかけるエンターテイメントとなっている。
ボクシング雑誌の休刊を機に、編集者の空也が久しぶりに訪れた鉄槌ジム。旧知の友や新たな人物との出会いの中で、彼らはそれぞれの恐怖を抱きながら戦っていた。ボクシングを通して本気で生きることは何かを問う青春エンタテインメント。 強くなればなるほど楽じゃなくなる。新鋭作家は安易な風見鶏的ライターに、ノンちゃ...続きを読むんは自分の戦いかたを身に着けた。日々生きていくことは、経験という武器を得るとともに、より厳しい戦地に向うことなのかもしれない。私の拳の先に何があるのだろう。
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