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生まれて四日にして仙台藩士の家に里子に出され、十四歳にして海外を放浪。帰国後、大蔵省に出仕するも失職と復職を繰り返し、やがて宮仕えに飽きたらず、銅山経営のため南米ペルーに渡るが……。日本財政の守護神と称えられた明治人の、破天荒な生き様と足跡が語られる。
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Posted by ブクログ
高橋是清といえば、歴史の教科書において総理大臣経験者で二・二六事件の被害者と知るのみだったが、この自伝を読むことで随分と印象が変わった。 ペルー銀山での失敗までが描かれており、随分とヤンチャな少年時代から放蕩時代の話に至るまで、およそ総理大臣になる者の生き様とは思えないようなものばかりだった。 とは...続きを読むいえ、時代の流れを自分なりに見極め、国を良くするためにどうすれば良いかを考えながら生きており、その発露が些か破天荒な結果を招くだけなのだとよく分かった。
今もそうなんだろうと思うけど、好奇心とか志とかに素直に従って行動すれば何でも経験できる、どんなものにでもなれるんだなと実感する。幕末、維新、明治の雰囲気が少しわかった。下巻で進む時代を読むのが楽しみ。
津本陽の書いた高橋是清の生涯を描いた作品を読み、興味を持って本書を読んだ。 津本はこの自伝を元に小説を書いた事は明白で、エピソードも全く重なっているが、やはり本人の書いたものの迫力は全然異なる。 是清活躍の背景に傑出した英語の語学力がある。幕府の御用絵師の子に生まれ、仙台藩足軽の家に生後すぐ養子に...続きを読む出されたにもかかわらず、何故に秀でた語学力を身につけたか? 12才で横浜の外資銀行のボーイとして雇われ、14才でアメリカに渡る。コミュニケーションは英語オンリーの環境に置かれ、座学ではない語学力を身に付けたことが大きい様だ。今の日本の座学主流の英語教育を根本的に考え直す必要がある。 アメリカに語学留学したはずが奴隷として売られ、艱難辛苦の末帰国した是清は大学南校(東大)の教官三等手伝いの職を得、英語教師となる。そこでも外国人教員から英語を学び続ける。 その後、放蕩茶屋遊びから退職、芸妓のヒモ、唐津の英語教師、大蔵省、翻訳・通訳業、を経て、語学力を買われ、新設の農商務省に採用される。ここで是清は商標登録と専売特許の法制化に取り組み、欧米4カ国に特許制度調査に向かう。 ここからあっと驚く変身でペルーの銀山経営のためペルーに向かうがヘタを打ち、失敗。全財産を失い途方に暮れる。というところまでが上巻。 笑ってしまうエピソードが満載で読んでいて全く飽きない。
12歳くらいでアメリカに渡り、知らぬままに契約書にサインさせられ奴隷になったり、その頃から浴びるほど酒を飲んだりと、すごい破天荒な人だと思った笑 是清が農商務省で働いていたときの話も出てきて、前田正名や谷干城など、以前読んだ農業の本で知った名前の人物も出てきた。 最後のペルー銀山事件も、当時の...続きを読む状況を想像するだけで凄まじい。NHKのグレートトラヴァーズに出ても良さそうな感じではなかろうか笑 下巻はいよいよ日露の際の資金調達の話とか出てくると思うので楽しみである。
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